私だって必死よ?決してスカートならよかったなとか思ってないわよええ
変わらない飯を食べて食器を洗うと雪梛が話をし始めた。
「じゃあ早速始めようか。とはいっても大層なもんじゃないから気楽に聞いててもらえばいいよ。恐らく今回の話が重要視されるにはまだまだ月日が必要だからね。では、私たちの戦い方というか戦闘時に発生している実質的な敗北条件について話すよ。先に結論を出すとダメージを負う、異常だね。おっと、これは誤変換で正すなら以上だね失礼した。じゃあなぜこれが実質的な敗北条件となり得るのかを詳しく話そうか。まずは圧倒的な実力の均衡が関係しているね。私たちの場合ある一定のラインを越えてしまうと全くと言っていいほど実力が変わらなくなる。つまり大抵の戦闘で決着どころかダメージが入らない。無論得意不得意が微量ながら存在するからその1点を突き続ければ勝てるかもしれないけどそんなつまらなすぎて死にそうな戦いはしない。全員が戦いにネタを挟みながら空想であるニ次元を三次元化させながら遊ぶものとなる。だから私たちは漫画と小説、アニメを見たりするんだよ。話を戻そうか、2つ目は補足的内容になるけど運動能力だね。かすり傷のような些細と言われるダメージでも動きに影響を与えてくる。たまに細胞の状態を意識しないと自爆する技とかあるからどんなダメージも選択肢を大幅に減らす大損害となる。もちろん私たちは既に魔力を使用して人体に入ったダメージを急激的に回復する仕組みを解明しているから治すことはできるけどそれでもその時間分ロスすることになる。加えて詳しくは省くけど体内で魔力を使えなくなるから致命傷。これだけの点でもいかに傷を負ってしまうのが致命的なのかが分かったと思う。まあ禍雪たちはここまでのケアをする必要はないけどある程度リスクある事象であるということを改めて把握しておいたほうがいいよ。ちなみに自損も含めてね」
なるほど…いやわからんでもないけれどしんどすぎないかしら?
つまり無双してた当時の基礎体並みをどんな相手にもしろというわけね…
今の私の実力じゃそんな事できる相手ほぼいないわよ。
先日の筋力伝達効率の鍛錬で私たちのレベルはほとんど同等となった、無論梛木とも大幅な実力差はないはずよ。
そうなってはきても攻撃が見えないことなんてざらだし気合で動いてきたからイメージが湧かないわ。
「雪梛さんにもそういった時期はあったんですか?」
「もちろんだよ。本当に無傷になり始めたのは後半のほうだったかな。私も結構ダメージを受けながら戦っていた時期が長かった」
「なんか今じゃ考えられないけれどもね。前にちょこっと見た香澄との対戦は訳わからないものしかなかったもの」
「あれに関しては事前知識の有無の問題だと思うんだけどね。あの戦いにはまだこちらの世界で表記されていない技がいくつも出ていてそれに加え解説していない概念が複数存在した。私や香澄、朝月とあと二人ぐらいはそんな状況でもすべてを理解できるだろうけどそれを一般大勢に求めるのは酷というものだね」
なんかこれ以上行くとすべての事象を理解しているとか言われても違和感ないわね…
「それは私の同期が言ってたセリフかな。久々に会いたいけどパッシブが邪魔だ…」
「とりあえず午後はゆっくりしている。相棒はどうする?」
「無論一緒にいるわ」
「私はマインスイーパーをやってますね」
「じゃあ町づくりシミュレーションゲームでもやってるわ」
「陰に潜んでくるわ」
「そうか、じゃあそういうことで」
「え?」
一人変なのはいたがもはや平常運転と思ったのかそれぞれが部屋を移動していく。
「雪梛!私にもペアキャラほしいわ!!!」
「しょうがないな、今度ガイドに来る変態とともに行動するがいい」
「なんか嫌だ…といいたいところなんだけど多分気が合う人よね」
「やっぱくっつけないほうがいい気がしてきた」
頼むからこれ以上雪の変人具合が加速することはしないでほしい…
扉を締めながらもそんな事を思った。
「そうだ思い出した」
「世界の理を」
「違うよ?私たち刀使おうとしてたじゃん」
「そういえば」
確か伝達効率上昇前よねあの時が地獄すぎて忘れてたわ。
部屋の隅に目を向けると二本の刀が寝ていた。
なんでも雪梛が普段使いしているものとほぼ一緒らしい。
「かっこいいよな刀。やっぱロマンの塊だろ」
「あの時からレベルも上がったし外で試しましょう」
来たぞ刀、やっぱこいつを中段構えするのが一番かっこいい…この子の次にかっこいい!
それぞれが自分の刀をとり一度抜刀を行う、やっぱこの感触というか質感が最高だわ。
早速外に出てとりあえず間合いをとる。
「ふっふっふ、私に勝てると思ってるのか?」
「勝てもしないし、負けもしないわよ」
「ならば試してみようではないか!」
久々の芝居も楽しいわね。
互いに目を光らせたまま私は止まりこの子はくる。
抱きしめたろうかと思ったが流石に斬り殺されたら洒落にならないので仕方なく刃を合わせる。
普段とは違う銀色の刃から赤い火花を散らしすぐさま距離を取り直す。
そこから予想通り瞬間的に距離を詰めてきたわね。
速度は平行移動よりかなり劣るものの体内でのベクトル変換が容易に行えるため気配読みを的確に行う必要がある。
まずは一歩後ろに引く、あら服が切られたわねまあ予想の範疇よ。
背後から胴体を狙った横薙ぎはとりあえずで身体を地面に這わせる…すると慣性を無視して私の前で止まってスカートならパンツが丸見えな位置だ。
今回は右回転を選択して回避中に投げナイフを脳天目掛け投擲。
回避時間を使用して体勢を整えて中段で構える、かっこよ。
「随分と余裕そうにしてくれるなぁ」
「またまた、私だって必死よ?決してスカートならよかったなとか思ってないわよええ」
「本当に余裕なのかよ…」
今度はこちらからいくとするわよ。
一瞬だけ重心を低くして下半身にエネルギーを送りそれを起点に踏み込む。
突風を吹かせながら接近を行いあえて縦に刀を降る。
当然身体を半身にして避けてくるわよね勝った。
私たちが慣性を無視するときは反作用として得られるエネルギーを吸収しているわ。
つまり振りはじめに行えば斜めに軌道の変更が行える。
「何事!?」
普段の振りと変わらぬ速度で軌道が変わるから当然胸が切れる、つまり欲望が追加発動よ。
「その連鎖はズルいって革命チ◯ンジかよ!!!」
「アタックファンクション」
やばい、なんにも技思いつかなかったけどいいわよね!
虚ろな瞳が急所をとらえ色覚が赤を色濃く欲す。
「…ドメスティックバイオレンス」
「やだ!そんな技に当たりたくない嫌だぁ!!!」
そんな絶叫も虚しく刃がどんどん侵食していく。
刀身が伸びたことにより遠心力が加わって斬っているという感覚は薄まったがそれよりも相棒を斬っているという事実が大きすぎる。
普段触っている柔肌が刀に犯され血を吐き始める。
数少ない人間を切った感覚と比べてもこんなにも血を吹き出し、高揚させ、愛を感じるものはなかった。
「肉は切らせたが骨はもらう!!!」
「!?」
まずいあまりにも素晴らしい感触であったため半ば意識が飛んでいたと思ったら既に服が刃と接触していた。
ぐっ…はぁ…
音も立てず気づいた時には肉の層が切れていた。
流水のように侵食していき骨を通らずに臓器に当たる。
このまま斬られると本当に死んでしまうため身体が脊髄で可動を開始した。
この子にはまだ殺されたくない!!!
スローとなった世界で刀を引き抜きながら膝蹴りをしてナイフを飛ばす。
抜いた刀は脇腹から迫る刀に当てて至近距離の投げナイフ。
回避の際に刀が食い込んでくるのを事前配置した刀で止めつつバックステップをして距離を取る。
「そこまで切ったらさぁ、どうなるか分かる?」
「大丈夫よ。欲望とアドレナリンが効いている内に終わらせるもの」
その瞬間に後方…やっぱり来たわね。
「そのへんまでにしときな。明日行くの忘れたわけじゃないでしょ?」
「こういうことよ」
ふっふっふ、この戦いは引き分け…だわ…




