なるほど。どおりで頭がないと思ったわ
「おはようさん。ちょうど全員の戦闘が終了したところだよ」
どうやら長いこと寝ていたようね。
周りを見ると満身創痍しかいないじゃないどうなってんのかしら…
「ちなみに雪眼以外全員生き返らせたけど損傷状態はほとんどそのままになっているから動かないほうがいいよ」
「なるほど。どおりで頭がないと思ったわ」
「文体でしか表現できないからってそれは無理があるんじゃないかしら」
さすがに突っ込まれるか。
それはいいとして相打ちか…そういえば私たちはなんで戦っていたのかしら?
まああの子の記憶に残ってくれたならいいわ。
多分ここ最近で一番の花を咲かせたわよ自信あり。
「さて、私達は禍雪たちに強くなってほしくて今回はこの対戦の時間を書いたんだよ。でもやはり私が狙うレベルはどうやら魔法使い編を経由しなければならないと言う事実が発覚した、いやこの表現は誤解を招くためのものか。正すのであれば、そうである事を実体験として体感したとなるかな。まあ当分はこんな機会をこちらから主導的に作成することはないから元の世界観と魔王との交流を楽しんでてね。多分20話ぐらいは出てこないかな」
つまりようやく解放されるわけね、でも気になる言い回しがあったわ。
雪梛は先程主導的に設けることはしない、言い換えると強制力を使用したイベントの作成を雪梛サイドからはしないというわけだ。
この文の意味合いを考えるのであれば私達が勝手に世界を飛んで行くことを飛躍的に考えれば暗示しているのではないだろうか。
「相変わらず深読みしたがるね。そういうところは私と似ているのかな。まあ今回のセリフに関しては事実となることを言っただけだよ」
「本当に見えないこと言うわね。でもぼかされているのはそちらもよ」
「ブラフをかけるのも私が得意とする手立てだね。前はそれでてんちょうを騙したこともある」
どんだけ経験があるのよ…
「手段というのは生きてきた年数ではなくくぐり抜けた線の数だけあるんだよ。糸に引っかかってしまっては切断されてしまう」
「お話はこのあたりで終わりにしましょうか。あんまり長いと読者が退屈するわよ?」
その理由は知らないが助かった。
あのまま話し続けていたら冗談抜きで30分は余裕で越すだろう。
「お疲れちゃん。最高に…いや、私程度じゃ言語化できないが…素晴らしいものだったぜ」
振り返ると全身ボロボロの相棒が微笑んでいた。
歴戦の猛者感がでていていつもとは違うかっこよさそしてぼさっとしてしまった髪の毛がいかに全力の戦いであったかを演出しているわね普段の黒髪にはほんのりと赤色が入っておりそこが毎度ながらデザインとして描かれたものではないかと思ってしまうほど完ぺきだわそれと…
「あれ?大丈夫か?」
…なところもいいし袖が千切れたところがまた…
「おーい!」
「…は!?私としたことが集中しすぎたわ」
やばいここ最近全然余裕がなかったからついつい脳内が沸騰してしまったわ。
「ごめんなさいね。久々にあなたの素晴らしさに魅入っていたら脳が暴走してこんなことになっちゃったわ」
「そいつぁ嬉しすぎるじゃねぇか。まあそれは一旦置いといて…今夜は星でも見に行かないか?」
「いいわね。ここ最近はあまりにも多忙が過ぎたものね。暖かくなってきたしちょうどいいわ」
現在の時刻は15時程度、夜に外出て飯食って寝るくらいはできるだろう。
幸いかろうじて動ける程度には回復してもらったから料理もやるわよ。
「じゃあ私達はこのあたりで帰るね。次に合う時を楽しみにしているよ。それがこの世界になるという確証はないけどね。じゃあ行こうか」
「分かったわ」
いつものごとくさっと消えていく人たちね。
そういえば雪と無無、梛木は何と戦ったのかしら。
そういうのも全部含めて今夜話すとしましょうか。
魔王城入口に投げられた5人の少女。
暖かな風がまるで一区切りついたことを告げるかのように吹いている。
灰色な世界のほうが私たちには合っているのかもしれないわ。




