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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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お前の血はぁ!何色かしら

ゲートから降りると私たちはとりあえず手ごろな枝を用意して火をつけた。


灯された火によって明かりと暖をとることができるようになった。



「そういえば肉の回収があるわね。まあゆったりいくわよ」



話しが楽しかったのとこの子の反応がちょっとおかしくて完全に忘れていたが肉が手配されていたのだ。


手配されているとはいっても肉の買い取り屋のほうで受け取る形となっているので状態は大丈夫であろう。


今回は歩いていくのでまあ私たちの速度なら半日程度でつくかと思うわ。


この辺は先ほどまで上級上層の変異個体がいたので付近に魔物や獣はいないようだ。


いつもなら何体か相棒が体液ぶちまけているのだが全然遭遇しない。



「これほど静かな地上も珍しいわね」


「世界に私たちだけになったみたいだね」



言い回しが何だかロマンチックだがそうなっても特段私は変わらないだろう。


現在風がほとんど吹いてなく私たちの歩く時に発生する足音と枝が燃えている音が空間内に鳴り響く。


一定間隔で鳴る足音に信頼感や頼もしさを感じているといつのまにか禁止区域を抜けるようだ。


相棒が殴って破壊した壁が出てきてそれを通って外に出ると先ほどまでとは打って変わっていつもの地上という雰囲気が感じられた。


夜風が吹いて灰色の木々が擦れる音やどこか遠くで魔物が移動している気配などなど。



「そういえばこの時間帯は異常傾向の影響が色濃く出ているんだったよね。賑やかだね」


「そうね。移動の方角や集団の活性度が昔とはかなり違うらしいようね。まあ何体来ようと関係ないわ」



そう言って口端を上げながらナイフを触った。


そんな自分を認識して驚いたが相棒も驚いたらしい。



「まさか本当にこっち側に来た感じ?」



普段の様子とはほんの少し違う真剣さを帯びた感じで聞いてきた。



「わからないわ。正直自分でも現状がどのような状態なのかを把握しきれてないのよ」



その瞬間に私に向かって低級の魔物が飛びかかってきた。


背後からきていたため身体を一瞬捻ってから思いっきり裏拳を叩き込んだ。


綺麗に顔面に入ったため鼻の骨を折ったようだ。


相手が怯んでいる間にナイフを構えて風のような認識困難な自然体で行動を開始した。


身体が勝手にどう行動すればいいのか、どこを攻撃すればいいのかを指示しているかのように私のナイフは魔物の右肩を切った。


骨に届かないようにギリギリを狙い肉だけを切り裂き血液の噴射を確認する。


その瞬間に感情が上がり流れるように左太ももにナイフを突き刺した。


もはや怯むことすらできないのか動かずにナイフが肉を侵食して上に切り上げを行った。


左太ももから右肩に一直線の軌跡が通りそれを可視化するかのように鮮血が飛び散る。


一歩も引かずにそのまま心臓ではなく胃を狙って横薙ぎをはらった。


見事に胃の表面が切れて胃液がこぼれ出し体内を蝕み始めた。


血液と胃液が混じって謎の液体が発生しているがそんなことは気にせずまだ確実なトドメは刺さないと言わんばかりに目玉を指で突く。


私の表情は狂気が混じった笑いをしており瞳の色がほんの少し赤みがかっていた。


まるで深淵の中から光が差してきたかのように。


目玉を貫いて即座に引き抜くと栓が抜けたのごとく液体が吹き出したきた。


そして最後の仕上げとして軽い跳躍を行い横回転をしながらナイフを的確に脳天に叩き込んだ。


頭蓋骨が砕け散り脳みそがぐちゃぐちゃになり魔物の体液の付け合わせが完成した。


血払いをして自身の身体を確認すると胃液以外の液体がべったりとついていてまだ完全には酸化していない血が現状を表していた。


少々恐る恐る背後を振り返ると相棒がグットサインを出してくれた。



「私の相棒は禍雪という一人の少女。この事実はいつまで経ってもどのような変化を遂げようと変わらないよ」



相棒の言葉を聞いて安堵の気持ちが少々出てきた。


どんなに真っ赤に染まろうと狂気に染まろうと私を認めてくれる相棒がいる。


この領域に来たから、来てしまったからこそ相棒を殺すレベルで超えていく。


愛と狂気と血が混ざり赤黒いものが出来上がった時人という物質は一体どこで飽和するのだろうか。


飽和した先で何が起こるのだろうか。


そんな興味、狂気、享楽的物質を突き詰める日々が動き出す。


まるで動いてはいけない何かがある動力源を起点に動き出すかのように。





うおおめっちゃかっこよかった夜だからフラッシュたけないので写真を撮ることはできないがめちゃめちゃ最高であった。


暗闇の中黒い少女が赤へと変化しつつ自身の欲望のままナイフを振るう様が最高によかったですね。


いやもう本当に告白したいレベルなんだけどまあするわけにはいかないよね。


それのせいで関係が破綻するなどはよくある状況だ。


まあそんな話しは置いておいてとりあえず私たちは引き続き第一支部を目指して進んでいく。


禍雪も私に再度認められたことを知ってか安心した雰囲気を感じ取れた。


まあそもそも私と同じような行動をしているだけだから今更引くわけがないよね。


むしろさらに愛というものが何かに変化してしまいそうになるぐらいだよ!


先ほどの戦いで血の匂いが辺りに広がっているはずだが魔物たちが来る気配はない。


前までは私という一人の強者的オーラだったがそれがいまは二人に増えている。


これで敵対してこようものなら無知な幼体か愚者としか言いようがないであろう。


そう思った瞬間に背後から矢が飛んできた。


振り向いて弾こうと思った時には既に相棒が動いていた。


瞬時にナイフを取りながら矢の先端を的確に弾いで軌道を逸らした。



「ふゅー。漫画みたいでかっこいいね」


「私たちの場合は行動そのものが漫画のようなものだけれどもね」



火を消してナイフを構え気配を探ると周囲に4枚ほどいるのが感じ取れた。


人間を殺すのは久しぶりだから楽しみだなぁ。


そんなことを考えていたら堪え性がないのか一人が暗闇から飛び出してきた。


だめだね、銀色の刀が月の光に反射しすぎている。


相手は刀をこちらに振るうための予備動作をしたがもう遅い。


既に背後をとった私が股を蹴り上げた。


どうやら男だったようで急所をつかれて倒れたので体勢を低くして首を刃で侵食した。


ぐんぐん刃が入っていき黒が肌色を進むごとに出血量が増幅していく。


本当はもっと楽しみたいが今回は相手がまだいるので絶命を確認すると同時に迫り来る矢を避けた。


体勢をおこして右足を軽く引く。


たったそれだけの最小限の動作で回避をして即座に接近を開始した。


どうやら既に相棒は二人やっているようであとはこいつでおしまいらしい。


次々と飛んでくる矢を回避しながら高速で距離を詰めて手持ちのナイフを一本のみ投げた。


風を切り裂きながら対象の急所に一直線で飛んでいきそのまま着弾したようだ。


どうやら寸前で反射的に身体が動いたらしく心臓が外れて胃の方に当たっていたがまあいいだろう。


身体を少し沈めて足の力を圧縮させると導火線に火がついたのごとく動き出した。


私の二本の指が弓使いの目玉に吸い込まれていき見事に目玉を潰した。


これが本当の節穴かと思いながら即座に指を抜いてこんどは肩を突いた。


両肩、股関節、足先、手首とどんどん切っていき赤い大きな花が咲き始めた。


そしてフィナーレと言わんばかりにいつも通り脳天にナイフを叩き込んだ。


肉が裂けて骨が砕け散り脳みそを貫通したところで刃が止まった。


急に謎の気配が発生して脳内に警報が鳴り響いたため背後に全力で跳躍した。


その瞬間に地面から表現し難い見たこともない化け物が出現した。


見た感じ特大レベルの相手であろう。


ボスモンスターよりは弱いがまあそこそこ強そうだよね。


相棒の隣に移動してとりあえずどうするか聞こう。



「暗きフィールドを飲み込むモンスター。どうしようか」


「撤退か本気のバトルか…後者一択よね!」



最高に狂気が入った笑いをこちらに向けてくれた。


おうよやったるしかないやろがこれは!


久しぶりのタッグバトル…熱くならいわけがない


最高にテンションが上がってきてもう既に気づいたらナイフを構えていた。


化け物のかっこいい地面からのダイナミックな登場演出が終了してこちらを見据えているが何故だか怯えているような気配を感じたがきっと気のせいだろう。



「お前の血はぁ!」


「何色かしら」

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