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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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10/19

後戻りが許されない狂気の技となり前へと進む大きな助力的存在となる

同時に動き出して私がちょっとだけ高めに跳躍すると即座に理解したのか相棒が巧みに操作して私を弾丸のごとく撃ち出した。


自然体の状態で動いているため反応することができない魔物は右太ももあたりを貫かれた。


私たちよりもそこそこ大きめな身体が急なダメージに驚いて咄嗟に反撃が出たようだ。


地面に手をついて身体をできる限り低くして紙一重の回避を行い弾けるかのように急上昇して流れるかのような動きで魔物の胸を切り裂いた。


気づいたら既に相棒が下にいてどうやら太ももを切り裂いていたようだ。


同時に二箇所も大ダメージを負ったのに流石特大と言ったところだろうか反撃をしてかなり素早い拳を私にぶち込んできた。


腹部に拳がめり込んだ瞬間に脱力をして吹っ飛ばされながら投げナイフで脳天を狙った。


自然体は行動している人間ありきのものなのでナイフは当然弾かれたようだ。


初歩的ミスをかましながらもそれがミスでなく感覚的な正解であったようだ。


既に衝撃体勢をとっているのでわからないがおそらく相棒が腹部を貫いたであろう。


さてこの勢いなら木が五本分ぐらいかな。


そう思うと同時に激しい衝撃が私の体を襲い血が上がってくるのが感じ取れた。


身体からところどころ出血しているが大きな損傷はなく着地もきっちり決められたのでさっさと戦場に戻る。


いくら自然体を習得したとはいえ相棒一人に任せるのはよくないからね。


顔から表情をなくして脱力をすると吹き込んでくる夜風のごとく戻り始めた。


途中何かの気配を感じてキャッチをするとまさかの相棒であって流石の私も解除した。



「うわーお。ダイナミックに飛び込んできたね」


「悪いわね。なんか思ったよりも痛みを感じている風がないわよあいつ」



相棒を下ろして前にいる魔物を見た。


見た感じ変異個体の雰囲気は感じないが前に戦った個体よりは強いそうだ。



「自然体の使い方を一つレクチャーしてあげるよ」



そう言って私は脱力をして表情をなくした。


気配が自覚的に消えて自己という存在が霧散するかのように感じながら眼を閉じた。


眼を閉じた瞬間に世界が広がり魔物の位置、周囲の大気を含めた情報を感じ取った。


ちょうどいい風が吹いていたので乗せてもらおう。


風と共に動き出し自分が気づいた時には既にナイフを振っていた。


腹に突きを決めて即座に引き抜き反撃を注意しながら今度は横腹を切り裂いた。


魔物の腕や足が迫り来るがまるで外しているかのように全てが回避される。


攻撃後の隙を突きもう一度今度は心臓狙いで横薙ぎをした。


ナイフが肌に入り込んでいき赤き軌跡を描きながら流れ星のように瞬時に振り終えた。


大量の血が噴き出てきたが魔物は最後の抵抗と言わんばかりに噛みつきをしてきた。


噛みつきの際に露出した口の中を私のナイフが貫いて引き抜いた直後に歯茎を切り裂いた。


口、腹、足など様々な場所から多量の血液を放出して魔物は倒れた。


確実にとどめを指すために心臓につながっている血管を全て切り裂いた。


終わりを飾るかのように一気に赤き液体を噴出し終えると魔物は絶命した。


自身の存在を集めるのかのようにしながら現在の状態を解除した。



「これが自然体の極意であり基本である基礎体の動き。後戻りが許されない狂気の技となり前へと進む大きな助力的存在となる」


「大丈夫よ。ない道を進むことはできずとも険しい道なら進めるわ」



相棒はそう言った。


腰ほどまで伸びているロングの髪を風に靡かせ闇夜を伺う闇のような雰囲気を纏っている。


私も真似しようとして同じようなポーズをしてみたがピッタリと風が止んでしまって残念だった。


殺しもできたしそろそろ帰ろうかと思ったとき私はふと疑問が出てきた。



「この肉どうする?」


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