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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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ご褒美にあーんしてあげようか?

確かに肉の処理を考えていなかったわね。


先ほどの基礎体の素晴らしい動きを見せてもらった…まあ見えなかったがとりあえず肉をどうするかだ。


流石の私たちでもこの肉を第一支部まで持って帰るのはしんどい。


おそらく250kg程はあるので二で割っても125kg。



「せっかくだから焼きましょうか。食えるだけ食うわよ」



母数がデカすぎるのであれば母数を減らせばいいのだ。


そうと決まったので私は肉に近づきナイフを使用して内臓を取り出したり血抜きをしたりと処理を開始した。


ちなみに内臓に関してはどんな成分を保有しているのかわからないので食べないようにしている。



「手際が良すぎるねぇ。自然体でしょそれ」



その通り私は自然体を利用して現在処理を行っている。


どうやら相棒は既に火をつけてくれたらしくこちらを見に来たようだ。


待たせるわけにはいかないのでパッパと処理をして普段よりも格段に素早く終わらせた。


枝に切り分けた肉を刺して火の近くに枝を刺す。


肉の焼ける音がし始めてどんどん色がつき始める。


持ち歩いている塩を振って味付けをして二人で座って肉と火を眺める。



「いやーうまそうだね。あのレベルの個体の肉はそうそう食えないからね」


「そうね。しかも帰ってからまだ肉があるわよ」


「やばすぎでしょ。栄養バランスはどうなんだって感じだよ」



そんなことを言いながらもどこからかりんごを取り出した。


こちらにも一つくれたので肉が焼けるまでこちらを食べて楽しむ。


火よりも赤いりんごが二人の顔を反射して楽しい和んでいる空間を映し出していた。


地上の灰色を上書きするように色づいた空間が形成されていて先ほどまでの戦闘がなかったかのようだ。


半分ほど食べ進めたところで肉が片面焼けたようだ。


棒を回転させて焼く面を変えて再びりんごを食べ始めた。



「そういえばこれで大体どのぐらいの量?」


「そうね…おそらく2kgよ」


「248残りか…あれ使う?」


「それしかないかもしれないわね。作成のほうはしておくわ」



デバイスを使用して特大魔物倒したから二週間休みくれと王に連絡してから装置の作成を開始した。


前にも一度こんな感じのことがありその時にやった方法を使うのだ。


太めの枝を何本か用意してその辺の丈夫なツタで括り付ける。


非常に大きなパチンコを作成して引っ張る部分はツタを使用して作成。


支えとして枝をラケットのように組み上げて使い切りの支えを設置。


ちょうど肉が焼けたようだ。



「お疲れ様ー。ご褒美にあーんしてあげようか?」


「お願いするわ」


「!?」


「!?」



冗談で言っているとわかっていたのに反射的に答えてしまった。


まずいまずいちょっと待ってちょうだいべ、弁明の余地が欲しいわ!



「し、したいなら、やっても、いいよ?」



ちょっと待てどういう状況だ落ち着け私クールになれ禍雪!


現状の整理をしよう状況としては私がパチンコの作成を終えて帰ってきたら肉が焼けていた。


そして相棒がいつもの冗談として言ってきたところ私が反射的に反応してしまったというわけだ。


そして相棒がなんでかわからないがやっていいよと言っている…どういう状況よ!?


二人の顔が火に照らされているので分かりずらいが先ほどのりんごよりも赤くそして目の前の日よりも熱くなっていた。


やばいもう肉持って準備までできてるのだけれどもでも相棒の手も震えているじゃないどうなってんだよ誰か来てくれ本当に頼む!



「は、はい…あーん」



めちゃめちゃ小声で言ってきててやばいめっちゃ可愛いとか言っている場合じゃないよしここは流れに身を任せよう安心しろ私なにも死ぬような事象と対峙しているわけではないのだいやある意味死にそうな事象だがとかそんなこと言っている場合ではない心を無にしてってそれは勿体なくないか!?


プルプルと震えている肉を小さく齧り付き即座に顔を離した。


塩をかなり振ってしまったと思っていたがもうそんなことは関係なく外の寒さが相まって本当に湯気が出ている気がした。


よしこれでこのイベントは終了だああそうだ肉を食べて落ち着こうそうしようそうしないと本当にやばい。


そう思って肉を相棒から貰おうとしたらなにを思ったのか知らないが相棒は持っている肉を食べた。


一瞬気づいていないような雰囲気が出ていたが気づいた瞬間に相棒が顔のみならず首元ぐらいまで赤くなってぶっ倒れた。


ああ、今日はもうだめだ。


私ももう諦めて倒れ込みまるで観客かのようにいる星たちを眺めた。


涼しき夜風が二つの熱源を冷やし星たちはまるで見守るかのようにキラキラと輝いていた。






「お願いするわ」


「!?」


「!?」



は、え、ちょ、ちょっと待ってどういうこといつからそんなに積極的になったんですか禍雪さん!?


いやこれ言い間違いか本人もめちゃめちゃ驚いているしいやでも万が一それが本心だった際に相棒を傷つけることになってしまうなんでここ最近で急にこんなイベントが増えたんだよおおおおお!


やばい私今めっちゃ顔赤くなってる外寒いけど湯気出てたりしないよね!?


落ち着け、落ち着け私一旦予定が狂ってしまったのだここでどうすればいいのか考えたらここで私も狂って突き進むしかないだろう!?


頭が回っていない結論をだして完全にくるってしまった私はおそらくこの時点での選択肢としては大当たりであり大外れなものを出してしまったようだ。



「し、したいなら、やっても、いいよ? 」



は?


自分でも何言っているのか理解せずに言ったが狂気に染まりきれなかった少女はあろうことかこの瞬間に正気に戻ってしまったようだ。


私何言ってんの!?


気づいたときには時すでに遅し目の前の相棒も顔を真っ赤にしていたがおそらく私のほうが顔を赤くしていただろう。


やばいやばいやばいやばいえ、ちょっと待って言っちゃったということはやらないといけないということだよね?


震えている手を気にする余裕など既になく近くの肉の刺さった棒を一本取って相棒のほうに平常時みたら以上と感じるような震えをしながら差し出した。


こうなってしまったら心を無にするしかないだろ私いや待てこんな相棒に食べさせるとかいう超貴重な経験を無にしてしまうのはもったいなくないか!?


そんなことを考えていたら焼けていない肉よりも真っ赤な顔した相棒が食べた。


いつもの半分程度の大きさをかじって即座に離れたようだ。


よしこのイベントは終了したこれで私救われるのだろうか。


そう思って頭が回っていない状態で切り替えようとして手に持っている肉を食べた。


うんうん肉の味がわからな…唾液?


相棒の体液が混ざっていることになぜか、本当になぜか私が気づいてしまいもう脳がオーバーヒートした。


何も考えられなくなり手に持っていた肉を手放してばたりと倒れこんだ。


かなり寒いはずの夜風すらぬるく感じてしまうほど体温が急上昇して感覚がバクを発生させて本日の記憶をよりあいまいなものへと導いた。


かすかに映る星が本日のイベントを祝福するかの如く鮮明に光っていた。


最も、私の心情的には煽りにしか見えなかったけどね。

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