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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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せいぜい苦しみながら頑張りな

「…はっ!」


「お、なかなかいいいりょくだね」


魔王城の戦場で私たちは脱力からの力出しを行なっていた。


確かに殴りだけならできなくもないけれど全ての行動に適用するなんてしたらCPU使用率と発熱でブルスク待ったなしよ。


やはりやりやすさを重視するのであれば完全な脱力はとりあえずやめにして30%出力を目指したほうがいいわね。


同じ内容をやっている雪梛を見てみたがあれはなんかおかしいわあの速度で動いているのにどうして爆風やら変形が発生しないのかしら?


あと慣性を無視して動かないでほしいわ現実逃避をしたいならお手軽だけれども。



「あーめちゃめちゃに雪を切り刻みたいわ。角切り細切れいちょう切りと要望あれば受け付けるわよ」


「切らないという要望は?」


「もちろん取り下げよ」


「本当に切らないでね。切ったら記憶消去するよ」


「システムみたいな存在がいる…いやGMのが適切か」



初日からこうなるとは思っていなかったわ…


制限をされてしまうとどうしてこうもやりたくなるのかしらね。


梛木と無無以外はかなりきついかもしれないようだ。



「私は別に平気よ?伊達に普段からイカれやろうやってるわけじゃないし」



終わったかもしれないわ…


そうして2日経った頃。



「あーもうムカつくわ!!!雪梛頼む私の記憶を切ってちょうだい!」


「面白いからそのままでいいかな。まあ何だ…がんば(笑)」


「こ の や ろ う」



そう言えば相棒はどうかしら…え?



「わりぃ…私体調不良…」


「あ、そっち系なんだね。リアル作者と変わらないタイプか」



え?この子欲望解放できないと体調崩すの?


残念ながら私にスキル:可哀想は可愛いは無いから普通に心配…嘘です弱っているこの子が可愛すぎて最高ですだっていつも何かと余裕を持って気楽そうに見せているこの子が弱みを堂々と見せているのよ!これは嫁確定演出と言っても過言ではないいやむしろ尊死して遺言になる可能性すらあるわ!?



「体調不良は良くないね。今直しといたから頑張りな」


「うおすげぇめっちゃ快適になったぞ!マジ助かった!」


「えっずるい。私もやってほしいわ!」


「禍雪は苛つくだけでしょ。そのまま苛ついていな」



ぐぬぬこの小娘強くなったら切り刻んでカレーの材料にしてやる。


こんな調子ではあるが思ったよりも習得ペースが早いわね。


昨日雪梛に言われたが香澄に匹敵するほどの速度で成長しているとのこと。


その香澄は世界を渡り歩く雪梛に置いていかれない程の異常な成長速度らしいのでどうやら苛つきから解放されたいという原動力が真価を発揮しているようね。



「使用率28%までは来た感じか。30%まで来たら解放してあげるよ」


「よし言質とったわ!」


「せいぜい苦しみながら頑張りな」



そういうわけでいつも通りに開始する。


まずは全身脱力、そして意識的に力を入れ始めて使用率の調整。


その調整率が体になじんできたころに少し身体を前に倒す。


ものすごい勢いで変化する視界をよそに次の行動のため身体を左に傾ける。


そのまま流れるようにナイフを抜いて腕も動きに加え始める。


今まで形成された動きの流れ、雪梛曰く気流らしいがそれを体内に循環させる。


そうして1分もない短い高速行動を終了させる…



「いい動きだね。気流の流れ、身体の向き、角度まですべてが計算というか意識されて組まれている。正直に素晴らしいと思うよ」


「それはずいぶんありがたい評価ね。そういえばあなたいつも気流の流れを指摘してくれるけれどどうやって見ているのかしら?」


「説明するとかなり面倒なんだよねそれ。使用している技の名前だけ上げると観察眼、立体的視認かな。詳しくは機会があったらその時に話そうと思う」



結局そういう変なやつが必須になるのかしら…


これはもうあきらめなのでとりあえず休憩よ。



「すごい動きだなぁ。私はもうちょっとかかりそう」



いつも通りの元気な相棒がこちらに来た。


ふむ、やっぱり元気なほうがすさまじくいいわねつまり私に可哀想は可愛い属性なしということよQED証明完了。



「全員集まっているし効率を数値化してみようか…禍雪29%、雪眼26%、梛木28%、無無30%、雪24%だね」


「嘘だ!!!」


「ヒグラシを逃がすな。そういうわけだお前ら頑張れよ」


「さすがは無無ですね。相変わらず器用というかなんというか」


「雪を擁護するわけじゃないけど私が今まで見てきた平均成長率だと雪が適正だよ。無無と禍雪は異常だし雪眼、梛木も外れ値に位置していると言って問題ないだろう」


「ほら見なさいこの化け物風情が!!!」


「なんとでも言いなさい吠えることしかできない犬が」


「あーこの人欲望開放しようとしていますこれはペナルティが必要ですSANチェックが必要です」


「クリティカル出せばはじけるわ。てか私は休憩したいから乗りかかってくるのはやめなさい無意識に切り裂くわよ?」



一抜けは無無ね、これは予想通りだわ。


前にも力のベクトル変換を高速で習得していたからこういう結果になるであろうことは予想していたわ…まあ雪があんなにポンコツとは思わなかったけれども。


飲み込まれていく少女たち 浸食をするもう片側 混ざりあったその時に起こるのは 適合なのか反発なのか この荒波を超えたとき きみたちは 何を思うかな


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