あなたに消されても気合いで化けて物理無効して出てくるわ!!!
「おうお帰り、どうだったんだ?」
第一支部へと帰宅して無無を回収に来たわ。
それにしてもやっぱりここだけ安定感が違うわね、エンジニアに魔王の知恵を混ぜて作られているようなものだから当たり前かもしれないけれども。
「バケモンが出てきたからバケモンをぶつけて撃破だよ。あれ強すぎだろ本気出したのに勝てそうになかったとか」
「久しぶりのメンツがおおいなーいや懐かしすぎる」
なんか言っている旧友は放置ということで適当に現状確認してから帰るとしましょうか。
とはいってもそろそろ魔王宅の滞在時間は終了を迎えそうだし問題なさそうね。
「久しぶりだな。いつも通り変わらずって感じそうだし」
「久しぶりね。まあ私はこの子への愛で一貫しているから変わることはないわ!ふふん!!!」
この子に抱き着きながら渾身のどや顔を決めた。
「それはまあ好きにしてくれって感じだが…ああ、一応現状報告しておくか」
「何かあったの?」
「いやいつも通りだがそれでもやっておいた方がいいだろ?」
まあ言わんとしていることはわからんでもないけれどもね。
一応管理者としてここの状況をなるべく最新の状態で把握し続ける義務的な縛りがあるから。
「全員無事だ。物資的にもあと三か月ぐらいは余裕で持ちそうだぞ。ちなみにあと残っているのは第五、大都市、ここだ。まあそうはいっても大都市は過密状態で治安が終了、第五支部はもともと死にかけ、無論こっちにも人間が殺到したがゲートに生体認証を採用しているから起動せずに餓死かその辺の魔物にでも殺されただろうな」
「あらそうなのね。そういえば何で急速に崩壊したのかしら?いくら私たちがいないからっておかしくないかしら?」
「その原因は私だ」
無無が一歩前に出て話を始めた。
「今までは私がこんな崩壊をしないようにいろいろ法律、インフラ、物流、治安維持活動、政治なんかを進めていたわけなんだがそれを代理人に委任した。おそらくあいつ自身は全力でやったんだろうが統率できるわけないというだけの話だ。てかあそこまで崩壊寸前だと私ですら持ち直すために人間を減らさざる終えないぞ」
な、なにがあったのかしらあの短期間で大都市は…
まあそろそろ第一支部以外壊滅して全人間がこの地に集まるというわけね…まあ別にどうでもいいわ、その辺にたむろしている人間程度に私たちが殺されるような事態はなさそうだし…
「一体だけ闇落ちしてそうなのいそうだからそれだけ注意だな」
「ああ、あれね…元気してんのかね」
頼むから相棒だけは傷つけないでほしいわね…その瞬間に存在自体がこの世から消え去ることになるわ…
第一支部の元気そうな姿を再度確認してから私たちは大広場に集まった。
世界が崩壊しても空間が崩壊しなければ対象たちは気にかけることすらできないというのは面白いわね。
まあ或いは当然、もしくは必然と捉えているのか、その辺に関しては一考の価値ありというわけね。
「じゃあここも大丈夫そうだし帰ろうか。てか私もまた当分戻れなくなったんだけど」
「まあいいじゃない。変態から欲望が向く程度しかデメリットないわけだし」
「それが単一にして最大の課題なんだけどね…一線超えたら存在自体消すからね」
「こわっ…いやあなたの思いで破壊されるならそれもまた一興ね!安心しなさい。あなたに消されても気合いで化けて物理無効して出てくるわ!!!」
そう言いながら雪梛に飛びついていったが回避されるどころか勢いを利用されてぶん投げられたようだ。
「おおいちょっと待て落ちるから助けてー!!!」
「see you again!」
だ、断末魔と共に落っこちていったわ…あら?
ガンっと鋭い音と共に雪が飛び上がって復帰してきたようねてかそれ雪梛が胸に隠し持ってたやつじゃない。
「ふっふっふ、抜いておいて正解だったわ…」
「おい、テメェいつ抜いた?」
ニコニコしながら雪梛が雪の方に一歩一歩音を響かせて近づいていく。
こんだけ凄まじいオーラと音を発しているのに全然気にしないのねここの人たちは…
「冗談よ!!!前に見た時に模倣して作成したのよ!確認したらあるはずよ!」
模倣したのねすごいわねってあらこのタイミングでそれはちょっとまずいわねまあ面白いから放っておくわ。
雪梛が慌てて自身の胸に手を突っ込むと何もないことを確認したようだ。
「はっはっは、随分と崖のブラフを続けるんだなぁ」
「はっはっは、ブラとブラフをかけるなんて雪梛さんは面白いわねーいくしかない!!!」
凄まじいスピードで背後に振り向いたかと思うと自分から支部外に飛び込んだようだ。
確かに逃げ場ないけどそれは死ぬわよ?
「I can fry!!!」
「Don't you know? You can't run away from the Great Demon Lord?」※訳→知らないのか?大魔王からは逃げられないんだよ?
飛び込もうとしていた雪の右足を乾いた音を響かせながらキャッチして逃亡キャンセルをしたようだ。
お疲れ様ね雪…まああれ私が持っているのだけれどもね。
「犯人!犯人ここにいます!!!」
「ちっ、脳内が読めるの忘れてたわ…はい雪梛、きっちり返したわ」
「ああ、そういえば貸してたね。模倣品は完成してそれを雪が持っていたという認識で問題ないかな?」
「そういうわけよ。結構な出来でしょう?」
「正直想定以上かな。実際こうして見間違ったわけだし」
というわけでこれで一件落着ね。いやあことが起きる前に返却できてよかったわ。
「起きているわよ!?私が今それで滅多刺しにされるところだったわよ!?」
「というか流れ的に雪の自業自得じゃないの?無傷で済んで儲け物だったじゃん」
「そう言われればそうか」
これでようやく帰れるのね、なんでこうもどこかいくたびにイベントが発生するのかしら?
風が辺りを冷やしていきどこからか飛んできた葉っぱが色彩で時間を教えた。
栗のような色合いの葉っぱから感じ取れるのは終焉か、それとも始点なのか。
人と位置と時間軸によって意味合いが変わる単一の変わらない個体が知らせを届けるように窮屈な空間に舞い降りた。




