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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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新しい生命体を完成させてやらぁ!

「きたきたきたきた!レッツパーティと行こうか!」



現在私はこの子と一緒に無双ゲーム的なことをしている。


今回の仕事内容は近頃の異常傾向の影響で初級の魔物が大量移動しているからできるだけ殺してくれとのことだ。


なんでも移動先に中規模程度の商人グループがいるらしくそこがやられると物流がやばいらしいのだ。


既に相棒がナイフで切りまくっているのでもはや服の色が変色というレベルを超えていた。


私も当然そこそこ殺しているので似たような状況だけれどもね。



「楽しいわね。いくら弱すぎるといえどもこれだけの数がいると」


「血がたぎるぜ!おら次々!」



めちゃめちゃに楽しそうでこっちももう最高な気分よ。


最近基礎の動きを鍛錬しているため少し混ぜながら行動しているがこれは極めたら確かにやばい。


接近しているのに相手が気づかず体液をぶちまける。


今回は大量バトルなため切れ味の消耗を抑えるため両者急所を的確に貫いている。



「頭、右目、左目、右耳、左耳、首、腕、二の腕、手、太もも、ふくらはぎ、足、胴体、よっしゃあ新しい生命体を完成させてやらぁ!」



宣言撤回、一人なんか変なことをしているようだ。


そんな感じで戦い続けること二十分、地面が体液によりぬかるんできて滑るやすくなってきたようだ。



「あと何枚かしら?これ以上くると足場沈むわよ」


「あと百もいないね。やっぱり最後は綺麗に飾らなきゃ」



そういうと相棒は目を閉じて脱力して腕をだらんと下げた。


そこに魔物が何体か襲いかかったが普通に考えてアホよね。


攻撃が迫ってきた瞬間に一気に身体を地面にスレスレまで落として足を切り落とした。


そしてそのまま流れるようにしたからナイフの刃を入れて切り上げると多量の血液が噴出した。


普段なら最高と言ってうっとりしているが今回は目を開けずに次のターゲットの首を切った。


もちろん私もこの子の最高な動きを写真におさめながら殺しているわ。


付近のターゲットがいなくなった瞬間にその場から相棒が消えたかのような動きをして次なるターゲットの方に進んで行った。


まるで風と同化しているかのように感じることはできても視認することができない。


視認できるのは次々と赤い花が咲き庭園が出来上がっているぐらいのことだ。


ここで私は動画撮影に切り替えてちょくちょく写真も撮りながらこの素晴らしい光景を目とデバイスに記録した。


おそらく大都市に行ってもこれ以上綺麗な大量の花たちを見ることはできないであろう。


気づいたら既に全員倒れていて背後には相棒が立っていた。


もちろん感覚的には認識できるのだが相変わらず不思議な雰囲気である。



「赤き瞳が閉じられて 鮮血の花が咲き誇る 短き命の花たちを感じて 儚くはあるが寂しくはない」



詩のようなものを言うと構えを解除していつも通りの雰囲気に戻った。


服装含めて全て酸化した血液しかなく先ほどの大量秒殺の時は返り血を一滴も浴びなかったようだ。



「いいラストが飾れたわね。今日もまたいい動きだったわ」


「そう言ってもらえると嬉しいねぇ。まあ普通はあの動き見えないはずなんだけどね」



今日は本当に殺すのが目的だったためナイフの確認をしてさっさと帰るようだ。


ここから第一支部の方に帰るため少々時間がかかりそうだ。


そう思っていた時背後から気配がしたため即座にナイフを構えた。



「落ち着け大都市の騎士団所属の小部隊隊長だ」



森の中からガタイのいい男がガッチリした装備で登場した。


仕事終わりに大都市の騎士の人間…なるほど。



「またあいつがお呼びなのかしら?」


「そう言うことだ。2日以内の訪問してこいとのことだ。伝言は以上。俺は帰る」



要件を言うと男はさっさと帰っていった。


おそらくさっきほんの少しだけ殺気をぶつけたのが効いたのだろう。



「どうするのかしら?帰ってから行っても間に合わなくはないけど面倒よ」


「楽しくなってきたんじゃないの?さっさと行こうよ」


「わかったわ。久々に走っていくわよ」



実のところあいつと会うのはそこまで面倒ではない。


むしろ面白いぐらいだと言うのが二人の認識である。


ここから大都市のゲートまで行くには歩いていくと一日程度かかるのだが今回は身体能力がばけものな二人がそこそこなペースで走っていくので二時間ほどで着くであろう。


ちなみに一日かかるというのは魔物と遭遇しなかった場合である道中中級の魔物生息地があるので大抵は二日か三日かかる。


二人の少女の髪が風に煽られてはためいている。


舗装のされていない道を流れるかのように綺麗に進んでいきぐんぐん速度を上げていった。


当然魔物と遭遇したりするが完全スルーしてただひたすらに目的地に走っていく。



「久しぶりに競争する?」


「いいわね。今日こそは引き分けにするわよ」



会話が終了した瞬間に速度が一気に上昇した。


力の操作を的確に行いロスを減らしながら加速していっているのだが相棒が速すぎる。


既に一メートル程離されていて数秒後には三メートルになっているであろう。


しかし流石に私もアホではないため動きの改良を加え始めた。


相棒の動きはまるで力が入っていないかのような動きでもはや慣性で動いているのかと思ってしまう程だ。


つまり地面を蹴る瞬間に一瞬のみ高密度な力を加えてあとはロスを減らすために脱力をしていく方式を今回はためそう。


シビアな力の調節を即座に習得して動きを開始すると今までよりも確実に速くそして楽に移動でき始めてきた。



「おお!やるねぇ」


「今回は負けないわよ」



先ほどできていた差を埋めて現在は並走している状況だ。



「やはりここまで登ってくるか…じゃあ第二ステップにいこうか」



そういうと相棒は一気に速度を高めた。


あまりの急加速に一瞬見失ったが前を見ると既に三メートルは離れていた。


流石に今回はこれ以上向上出来なさそうなので現状最速のこれで進むことにした。


一応さっきの動きの考察をしておくと戦闘中の自然な動きを取り入れて原理は謎だがまるで風のように移動していったのだろう。


は…速すぎる…







流石に追いついて来れないかな?


現在私は自然体を利用して急激な速度上昇を行っているところだ。


でもまさかあの力操作を習得してくるとは思わなかったなぁ。


先ほどの禍雪の動きを思いながらそう思った。


これだけの差があるのに努力して追いついてこようとしてくるとか可愛すぎでしょ!


ニコニコしながら私は通り際にいた魔物の両目をナイフで切り裂いて楽しんでいた。


そろそろ大都市に着きそうかな。


今回はいつもよりもだいぶ速い速度で突っ走っているため予定よりも速く着きそうだ。


そんなことを思っていると正面に何やら立ち入り禁止の看板が出てきた。


結構早めに気づけたので減速をしながら看板前で止まった。



「現在上級上層魔物がいるため立ち入りを禁じています…か」



これは久しぶりの大物戦となりそうじゃないか。


一分ほど待っていると禍雪が飛んできた。


走り方的に飛んできたの方が正しいであろう。



「あら、何かしらこれ」


「大物と戦えるって書いてあるよ。テンション上がるねぇ」



看板を指差しながらそう言って塞いである壁のようなものを破壊した。


結構強めに殴ったが思ったよりは壊れなかったらしい。


大都市の技術力は思ったよりも向上しているらしい。


中に入るとちょっとだけ人間が集まってきたようだ。



「あれ?なぜあなたがここに…いや、きてくださりありがとうございます。ターゲットはこちらを正面に進んだ場所で目撃されました。どうかお気をつけて」


「おっけー。情報ありがとね」



私たちは歩いて目的地に向かった。


どんどん奥に進むにつれて死体や体液が増えてきているようだ。


日も沈み始めていき空を見上げると赤みがかった空模様となっていた。



「夕日に照らされながら熱き戦い。いい感じじゃん」


「そうね。戦いの動きがより一層美しく映るでしょうね」



ちょうどついたようだ。


前方約二十メートルほどの場所に私よりちょっと大きめな熊のような魔物がいた。


口元は血だったり何だりで汚れておりなかなか飢えている様子が感じ取れた。



「変異個体か。通りでランクが高いと思ったんだよ」



大量の生物がこの地上を支配しているので当然突然変異という特異体が出てくる。


変異個体はそれぞれ一つの特性を持っておりこの個体は飢餓状態で飢えているようだ。


こちらを見るなりゆったりと歩いてくるのを見るに余程余裕があるようだ。



「久しぶりに私がいくわ」


「おお、相棒のかっこいいところ見せてね」



きたきた相棒の戦闘シーンが見れるとか最高じゃん。


胸が高鳴るのを感じながら私はその場で相棒をみることにした。

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