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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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どうせならあなたを私の手で殺してから死にたいわ

そういえばここでやるとか言ってたけど部屋ぶっ壊れないのかなぁ。


相変わらずどんな材質なのかも検討がつかない壁してるんだよなんだこれ…



「隣が訓練所だけど先にこっち見てほしい。桜の木と紅葉の木があるよ」


「ついに本物が見れるというわけね」



扉を開けて中に入ると左右に大きな木が一本ずつありその間というか木どうしが部屋みたいに仕切られているんだけど。



「こいつらは花を咲かせる時期が違うんだ。桜は春頃、紅葉は冬頃と。だから温度管理をしていい感じに花が咲くようにしているよ。もちろん常に咲かせているわけではなく定期的に周期を回させて自然にちょっとだけ近づけたりしているよ」


「にしてもずいぶん綺麗だな。木ってことは昔はこれがいっぱい生えていたわけだろ?まさに絶景というのに相応そうだな」


「そうだねぇ。今の地上はほぼ全てが平坦だけど昔は山がいっぱいあったんだよ。そして頂上からみる真っ赤な紅葉、街の道にずらぁっと並べられた桜の花。あれは壮観だったね」



ん?今更だけど地上がある時からいたんだよなこいつ…なんで生きてんだ?


気にしても仕方がないと思いとりあえず相棒を枠内に収めながら写真を撮っていく。



「よしじゃあそろそろ行こうか。ここにいればいつでもみられるからね」



というわけで満足いく写真が撮れたからいこうか。


やはりこういう写真は自然な状態が一番いいのだ、本人に演出してもらうなんてとんでもない。


黒髪に黒い瞳、そして背後に桜…完璧じゃんもはやタペストリーにしたいぐらい最高だわ。


とりあえず退室して隣の部屋に移動した。


先ほどの部屋から持ち込んでいた雰囲気的温度が一気に下がり微量な緊張感を感じさせてくれる。



「じゃあそろそろ始めようか。とりあえず我流拳術から」


「拳術ってことは剣術だったりもあるのかしら?」


「もちろん。文字通り我流で創っただけだけどね」



身体をほぐして伸ばして準備万端だいつでもこい!



「それだとあなたがくらうことになるけどいいのかしら?」


「間違えましたいつでもOKです」



そんな二人をよそに雪梛は壁に近づいて手のひらを当てた。


そしてそこにもう片方の手のひらを当てて重心をほんの少し落として膝を軽く曲げる。


そして急に弾けるような音がなったかと思うと壁がものすごい変形してグニョーンって感じになった。



「これが一応目標値かな。やり方なんてないから思うがままにやっていいよ。条件は点に対する衝撃波。これだけ守ってくれれば問題なし」



いや大問題なんだが…


とりあえず私、相棒、雪の順に壁に並んで鍛錬を開始した。


雪梛のように手のひらでやったり拳でやったり肘打ちしたりと色々な手法を試して打ち込み続ける。



「本当にあんな威力出せるのか?」


「もちろんだよ。別に私ムキムキマッチョの変態じゃないからね」


「確かに筋力量はあんまり多そうではないな…どういうことだ?」


「簡単な話だよ。母数がないならそこ以外で勝負すればいい。絶対値の量だけで全てが決まるわけじゃないからね。これでわかる?」


「…筋力伝達効率のはなしか?前に聞いた気がするが」


「そういうこと。ある程度肉体強度の話は無視することになるけど変わらない筋力量でもこっちを極めるだけで何倍もの威力が出せるようになるよ。まあその分反動がやばいんだけどね。この前隕石破壊した時のなんかたぶん複雑骨折で収まるレベルじゃないもん」



え?こいつ今骨バッキバキってこと?


王との会話の中でさらっとやばいこと聞いた気がするがとりあえずおいておこういやおいておけん。


つまり私たちは今骨がバッキバキに折れている小さな女の子に負けているというわけだ…悔しい!!!



「対戦相手が悪すぎじゃないかしら?多分八割損傷受けているような状態でも負けるわよ?」


「流石にそんなことはない…とは言い切れないのが怖いわね…」



悔しさをバネにしてガンガン打ち込んでいるんだがこれ多分闇雲にやっても変わらないな…


やはり効率化をしていかねばならないのだろうか…


確かに今の出力では確実に届かない、しかし何かがあればいける気がするんだよなぁ。


雪の方をチラっと見たがとりあえず今日はやめといておこう。



「怖いわよ!?またきられると思ったじゃない!」


「大丈夫よ。切られても肉体は再生するわ」


「大丈夫な要素がどこにもない!?」



とりあえず私たちは一時中断して会議をする必要があるようだ。


なんか端っこでは王と雪梛が団欒しているし謎空間だなぁ。



「伝達効率だけじゃなくて何かが足りないわよね。やっぱり欲望かしら?」


「多分違うんじゃないかしら?それなら私が完成しないじゃない。そうよ欲望じゃないわそうに決まっている」



そうじゃないと判断した途端に急に元気なったなこいつ…


だとしたら肉体の使い方ぐらいか、そういえば前回同様今回も手のひらを使用してやってたよなあれ。


もしかしたらそこにヒントが隠されているのかもしれない…


思い出せどういう動作どのような力の伝達方法で出力を出していたのかを…!



「脱力じゃない?瞬間的な力を伝えるならそれが一番最大値を目指せると思う」


「だったらどうやって腕を上げているのかしら。上げる際にどうしても力が入るのが肉体として道理だと思うのだけれども」


「いい線いったね。じゃあもったいぶらずに構造を説明しようか」



びっくりしたどっから湧いて出てきやがったこいつ…


場所的には5m程の距離感があってどう考えても瞬時に来れないし来たとしても風圧やばそうだし。



「確かに脱力状態じゃ腕は上げられないね。じゃあ上げてから脱力すればいいんだよ。今回の桜花乱れ咲きの肉体的な構造は非常にシンプルなものになっていてまず対象と身体の一部を接触させる。そして発動したいタイミングでその状態から脱力状態に持っていく。すると肉体が弛緩した状態になって伝達効率が普段の状態よりも向上する。あとは一気に力を入れて中継役を務めさせる部位に送り込んでいけば綺麗な花が咲くというわけだよ。まあこの前の隕石は奇跡的に花が咲いただけで普段はバラバラに砕けるだけなんだけどね」



シンプルだけどむずくね?


話を聞いてやり方はわかったので取り合えす脱力の練習をする。


今回使用される工程の中で最も重要である脱力なのだがこれがあまりにもむずすぎる。


上半身のみの脱力なのだがどう足掻いても一定以上力を抜くことができない。


ちなみに雪が一番ひどい結果で全然できていなかったはっはっは。



「笑ってんじゃないわよ!難しいんだからしょうがないじゃない!」


「だから基礎は大切じゃとあれほど言っておろうが」


「急に年をとらないで誰だかわかんなくなるから」


「しょうがないから感覚のつかみかただけ教えてあげる」



おそらく埒が開かないと判断したのだろうすみません適応力低くて。



「とりあえず寝っ転がって。その方がいいと思うから」


「イエスサー!」


「私は男じゃないんだけどね。寝っ転がったら片腕を自身の肉体的認識から外してみて。まあ最初からないものみたいな感覚で捉えてもらえればいいよ」



なるほどサーは男にしか使わないのかってそこじゃない腕をなくせと申されるのですかちょっと使っている単語が難しそうでよくわからないけど…


とりあえず精神の統一を行ってから自身の片腕の感覚を徐々に溶かしていく。


おおすごいなんか指先からどんどん消失していくまるでデータベースのキャラが消失していくシーンみたいな感じの気分になってきた。


そしてそれが肩まで行ったところでストップしたようだ。



「おそらく片腕の感覚がなくなっただろうからそれをもう片腕、胴体でやる。あんまりシンクロしすぎると心臓止まるから気をつけてね」



意気揚々と進めていたのにそんなこと言われたら怖いんだけど!?


横を見ると相棒がこっちをみてなんか演技をしていた。



「ああ、身体がどんどんなくなって、もう死んじゃうのね…最後があなたの隣でよかったわ。どうかあなただけでも…」


「私もだよ。でもあいにくどんどん感覚がなくなってんだよね…」


「そんな…でも一緒ならいいかもしれないわね」


「一人にさせるわけないでしょ。たとえ死ぬ時でも…」


「…」


「何してんの?」



やばい雪と雪梛と王にめっちゃ冷たい目で見られている確かにある意味では一緒に死ねたのかもしれないな…



「いや同時には死にたくないわね。どうせならあなたを私の手で殺してから死にたいわ」


「私もそうだからその場合どうすればいいんだろうかねぇ」


「もう同時に殺したらどうかしら…」


「「いやそれは解釈違いです」」



あ、胴体まで完全に消失できた。



「最後に頭も同じことをして私が指をならすと同時にあなたは意識が飛んでしまいます」


「おかしいな。いつから私は睡眠?催眠系のASMRを聞いていたんだ?」



なんで人間界の娯楽を細かく知ってんだよてか最近はもう見なくなった気がするんだけど…



「なんだ、カウントダウンの方がよかったの?ゼロをいっぱい言って欲しいの?」


「やめなさい動画配信サービスだとバンされるわよそれ」



取り合えず感覚を取り戻して起き上がった。


でも確かに普通に脱力するよりかは抜けている…のか?


途中からカオス状態になってしまったがとりあえず昼休憩にしたいです。


時刻はすでに11時30分を回っており時間的にはちょうどいいだろう。


てかあのくだりやるためだけに30分ぐらい使ったってどういうこと!?



「じゃあとりあえず昼休憩にしようか。午後は別のことやるからよろしくね」



ではうとうとしていた王を起こして全員で移動した。



「そういえばもう王じゃないんでしょ?なんて呼ぼうか」


「今更すぎないか?んー…じゃあ誰か名前決めてくれ」


「適当がすぎる…」



本当に名前忘れたとかじゃないよね流石に…流石にね?


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