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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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人として大失格みたいなスペックね

「久しぶりの帰還かな。じゃあ歓迎会もかねて準備しようか」



相変わらずあほみたいにでかい建物ね…


今回は隠し通路ではなく普通に入っていき一つの部屋に案内された。


ちなみに王は部屋の端っこに敷かれた布団に寝かせており心地よさそうにしている。



「じゃあ私は料理してくるからちょっと待っててね。もし起きたら水でもあげておいて」


「あいつは植物かしら?」



そんなセリフには反応せずにキッチンへと向かって行ったわね。



「そういえばあいつの手料理とか見たことないわね。どうなのかしらね」


「流石にここまできて料理下手とかはないんじゃないかしら?それはそれでcuteだけれども」


「まあ料理人と並ばないにしてもいいもんが出てくるんじゃないのかなぁ」



まあこんなこと言っているけど私たちあんまり食事に興味ないのよね。


うまいもんはたしかにうまいってなるのだけれども欲望的欲求的に食べたいかと聞かれるといいえになるわね。


睡眠は削っているし食事はどうでも、性欲は薄いし人として大失格みたいなスペックね。



「寿命ないから性欲の件は帳消しじゃないかしら?」


「へ?何の話?」


「いや、雪が欲望まみれという…」


「全然違うわよ!?私たち三人の三大欲求が焼失しそうって話よねそうよね!?」


「ほら、焦っている人はすぐに否定するのよ」


「やめて!私を行動心理で追い詰めないで!」



カチカチと時計の針が無情に音を立てて空間に静寂を届けた。


これだけやかましくしても王は寝ているのでだいぶお疲れのようだ。


まあ一人で何人もの、文字通り百人力的な感じで働いていたからしょうがないわよね。


と言うかあれだけやる気があった王がここまで見放すとか民は一体何したのかしらね…


そんな疑問を吹き飛ばすかのように部屋の扉が開いて雪梛が入ってきた。



「一人じゃ持っていけないから手伝って。流石の私も腕を増やしたりはできないから」


「そうなのね。じゃあいくわよ」



ん?素ではって意味じゃないわよね?研究したら増やせるとか言わないわよね?


とりあえずキッチンに行って中に入った。


すると美味しそうな料理が五人分さらに盛られてた。


こ、これは…!



「その辺の魔物の肉を塩と胡椒で焼いただけ」


「あなたもこっち側だったのね」


「?」



こいつも料理に興味ないタイプだ…


とりあえず雪梛が二皿持って他は一つづつもちさっきの部屋に持っていくわ。


というか全然時間たっていないわよね?ちょっとだけ厚みあるけれども火は通っているのかしら?



「安心して、私自作の調理器具を使っているから問題ないよ」


「そうなのね…いや当たり前のように心を読まないでくれないかしら?」



こいつも雪と同じ能力持っているのね…


部屋について皿と箸を並べて食卓を四人で囲んだ。


これから始まる…終わるかのような何かを感じさせながらも穏やかな空気を感じさせてくれる空間になった。



「てかなんでキッチンと食べる場所が離れているの?設計ミス?」


「いや元々キッチンをつけていなかったからこういう構造になった感じ。やっぱり外で焚き火飯の方がそれっぽくない?」


「確かに。なんかロマンを感じるよね!」



この子はどこにロマンを感じているのかしら…


会話をしながらもパクパクと食べ進め多分全員同じ感想を抱いたであろう。



「うん。いつもの味だぁ」


「そうね」


「ええ」


「そうなの?」



きょとんとしている雪梛はよそに私たちは完食して水を飲んでいた。


冷えた水が身体に冷静を伝えてk…ん?



「あー!忘れてたわ!」


「え?何どうしたの?」


「写真よ写真!スマホの分しか持ってきていないしファイリングできるもの持ってきてないし…やばいわよ⭐︎」



こうしちゃいられない今は夜だからさっさと帰って取ってくるわよ。



「今日中に帰ってきてね。じゃあ雪はもう布団敷いといたからシャワー入ったら寝ていいよというか寝てて」


「あらそんなお気遣いいただいて…じゃあ隣にふt」


「やだ」


「やだ!?」



そんなやりとりは無視して私と相棒は自然体を発動して走り出した。


ちゃんと扉は閉じて出ていったし問題ないわよね。


外に出ると隣り合わせになりながら走っていき悪路をものともしない揺るぎない足取りで突き進むわ。



「なんで忘れたのかしら」


「まあ食後の運動ということでいいんじゃないの?」



そういえば自然体同士だときっちり認識できるのね、今更ながらも発見だわ。


自然体の特性が同調する空間波長の段階的シフト的な内容なので同じ波長同士なら認識できるというカラクリね。


既に三分の一走り抜けて大型の生息区域を抜けようとしている。


途中何度か躓いたりしているが回転受け身を駆使して速度をほとんど落とさずに来れている。


速度的にこの子の髪が地面と平行になろうとしているところが最高にいいわねおまけで写真撮るわ。


そんな感じで何枚か写真を撮りながら道中を楽しんで行った。


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