よしきたここで女子会と洒落込もうじゃないか!
「随分と早い帰りだったな」
「忘れ物したんだよ」
まだゲートぼ閉鎖はしていないらしいのか普通に使用できた。
すぐさま拠点の方に移動して何枚かのマイクロSDをケースにしまって今度は忘れずにちゃんともった。
パンチホールとフォルダは相棒が持ってくれたので次こそ準備万端だ。
外に出るとエンジニアがいてこちらを二度見してきたようだ。
「忘れ物多すぎないか?疲れてんならきっちり休めよ?」
「違うわよ。写真を現物にできるって聞いたから全て入るようにこうして持ってきたのよ」
「いや多すぎだろ拠点が埋まるんじゃないか…」
確かに50Lバックパックにファイルを詰めたのはやりすぎだったかもしれない。
まあ大は小を兼ねるっていうから問題ないでしょ!
「ほんじゃいってら。なんかあったら電話するわ」
「はいよ。もしやばかったら魔王の家まできてね」
「いや距離的に無理だろ…」
ゲートに入ってすぐさま下降を開始した。
時刻的にはかなり余裕があるのでいきほどのハイスピードでなくても問題ないであろう。
「今何時かしら?」
「まだまだ余裕だよなにせ夜は始まったばかr…ん?」
先ほどのゲートは時刻が11時40分というふうに指していたなぁ。
そういえば雪梛が行く前になんか言っていたような…あ!
(今日中に帰ってきてね)
今日というのは23時59分が最終ライン…後20分そうかそうか…
「やばいじゃねぇか!よし本気で行くぞ」
いきのタイムが30分、このままだと遅刻間違いなしで雪梛にボコボコにされてしまう。
同時にナイフを掠らせて基礎体を発動してさっさと走り始めるぞ。
先ほどとは違い荷物を持っているがまるでそれを感じさせないかのように軽快なステップで突き進んでいく。
不意に目の前に出てきた魔物は完全にスルーしてまるで何者かから逃走するかのようにただひたすらに最適解を導き出しながら進んでいく。
雲の隙間から見ている月がまるでこちらを見て笑うかのように光り輝いている。
風が発生していない空間に二人の少女が変化を与えて木々が揺れ擦れ音を奏でる。
タイムリミットを告げるかのようなその現象がどこか焦りを感じさえるが一寸の狂もない足取りがその事象を間違いと指摘するかのように微かな音を響かせる。
三分の二を超えたあたりで相棒が結構盛大にこけたが地面に手をつくと同時に肘を曲げてバネのように跳ねながら前転を行い継続した。
すごいな荷物持っている状態でやるとか私だったら失敗してこけそう。
ていうかどうせなら写真を撮ればよかったって思ったら流石基礎体なんか知らないけど写真撮ってた。
一瞬のシャッターチャンスを見逃さないこの動き、私ですら見逃したね…
よし入り口ついた急げ急げ!
まるで遅刻寸前で入っていく学生みたいな気分になりながら扉を開けていき最初にいた部屋に入った!
ど、どうだ…
「おつかれちゃん。1秒遅刻だけど見逃そうか」
「ま、まじか…」
あれだけやって間に合わないのかよ!
てか雪が寝ている…いや寝ているのか?
「どうやってあいつ寝かせたのかしら?まさか抱きついて」
「違うよ?腹部に衝撃波を与えてあげた。そしたら食ったもん吐き出しそうな顔しながらぶっ倒れた」
「あなたも大概容赦ないわよね…」
荷物を下ろして私たちはとりあえず水を飲んだ。
流石に疲れたからシャワー入って寝たいなぁ。
「入っていいよ。こうなることを想定していたから二人同時に」
「「まじで!?」」
よっしゃあああああああああああああ!!!!
超久々のシャワーイベントだぁ!もちろん今までも短いながらシャワー入っていたけどまさかの相棒と!ゆったりと!入れるってまじですか!?
「ちなみに雪が入った後だから気をつけた方がいいよ。こいつなんか私がその後入ると言ったらニッコニコでなんか入っていったから」
うわぁ、怖くてちょっと入りたくねぇ…
こいつ技術部長ともつながっているからまじで何するかわからないぞ…
「惚れ薬とか媚薬とか小説みたいなものを気化して効果増強とかしてないわよね?歯止めが効かなくなるわよ?」
「あ、問題はそこなんですね、まあそれについては同感だけども」
「では仕方ない。私も入るとしようか」
「よしきたここで女子会と洒落込もうじゃないか!」
二人きりでないのはちょっとあれだが風呂で溺れるよりはマシだろう、まあ相棒にはすでに溺れているがなはっはっは。
とりあえずさっさと浴槽の方に向かうとしようか。
回転受け身だったりなんだりをしているのでちょっと泥がついているんだよね。
風呂場に向かうとちょっとした脱衣所が出てきたようだ。
なんか王のところの風呂場を拡張したみたいな感じだなぁ。
「そういえば風呂場を換気するのはどうかしら?そしたら安全に入れそうじゃない?」
「そう思ったんだけど物理的に換気されないようにロックされてた。というかすると寒くなるからしたくない」
「さいですか…」
あいつ本気出しすぎだろというかそれしているってことはさっきの仮説が通るってことじゃないの!?
まあ雪梛もいるし何の問題もないであろう。
安心してくれ私たちはR18を確実に回避するんだ!!!
決意表明をしてから服を脱ぎ始めてナイフも外していく。
すごいなこの入れ物ちゃんと防刃性持ってんじゃん。
一つだけ露出していた刃が当たったがさっくりいくどころか切れ込みすら入らなかったぞ。
というわけで脱ぎ終わりタオルを一枚拝借して頭上に乗せる。
「じゃ、じゃあいくぞ?」
「其方らは戦場にでも赴くのか?」
ガーっと扉を開けて中に進んだが…なんともなくね?
とりあえず身体を洗ってさっさと湯船につかろう乗船しよう。
「四人分用意しておいてよかった。最初二人分にしようか迷ったからね」
「二人分にしていたらこの空間どうなってたの?」
「浴槽がデカくなってただけ」
結局風呂としての保有スペースは変わらないようだ。
シャンプー類もきっちり完備してありこれもう金取れるレベルのサービスだろまじで…
わしゃわしゃと泡立てて髪にペチャリと付着させる。
おおー面白いなんかもっこもこ泡立ってくんだけど!
漫画で見そうなアワアワヘヤーになるぐらいには異常なレベルで泡立つシャンプー。
「面白そうだから作ったんだよね。楽しいでしょ?」
「もちろん!」
へっへっへこれで映像に映されてもモザイク入らずだぜ。
まあそんなくだらない茶番は泡と一緒にお湯に流そう。
泡がお湯と接触した瞬間に想定よりも結構破裂して流れていき自宅のシャンプーと変わらないぐらいの泡の量になった。
さてでは身体を洗うとしよう、ということは?
その瞬間に隣にいる相棒の方を見ると目を合わせてくれた。
「くれぐれも変なことするなよ?した瞬間にその状態で其方ら外に放り出すから」
「イエス!レバーに銘じときます」
というわけで最初はすでに背後にいる相棒から背中を弄り回すようだ。
「覚悟なさい」
「きゃー!襲われる〜」
「あほなのか…」
ありゃ雪梛はもう洗い終わって湯船に乗船していった。
「ふえぇ、いい湯だなぁ」
え?
なんかめっちゃ顔がとけてんだけど、なんだこの生命体は!
てかそんな場合じゃないめっちゃ背中触られてる!
さっきのシャンプーの異常性が脳内に残っているためあまり泡立たないボディソープだなぁとか思って平常心を保ちたい。
ひんやり冷たい身体用洗剤がぶっ飛びそうな理性をなんとか繋ぎ止めているまじで助かる。
落ち着け私ここで暴走したらこのとけてる小ちゃい少女に叩き出されてしまう、それだけは何としてでも避けたい。
どんどん熱くなっていく身体ってこの上昇率はおかしくない!?
あ、ちょっと待ってください禍雪さんどこまで手を伸ばしてんですか!?私は風呂浸かりたいんだよぉ!!!
変なところ接触してこようとした魔の手を私の自然体が瞬時に取り押さえて上にかちあげた。
いよっしゃあ!打ち取ったり!!!
てか今手をめっちゃ内側寄せてきただろあぶねえ胸が平らで助かった。
即座にシャワーを入手して一瞬で洗った前面ごと流して相棒を座らせる。
「危ねぇ…初日で出禁になるところだったわ…」
「あとちょっとだったのに…」
なんか顔赤くないですか!?
ちくしょう雪めまじで何してったんだよこの空間に…
そういえば雪梛あんまり息してなくない?…え?
「いや早く洗って欲しいわ。身体冷えるわよ?」
「おおそうか今すぐシャワーの温度を急上昇させてぶっかけてやろうか」
「こんなところで…そんな///」
「やかましいわテメェを泡で溺れさせてやらぁ…」
手に液をつけて自然体を発動、その瞬間にびっくりするぐらいの速度で泡立てを開始してすぐさま大量の泡を作成した。
「ま、待ちなさい悪かった。私が悪かったから!」
「問答無用。生き様晒せやぁ!」
所持していた泡を全て相棒にぶち込んでついでに身体もグオーっと洗ってやった。
「相変わらず楽しそうだなぁ其方らは」
倒れている相棒にシャワーをかけて私も乗船するとしようか。
てかそうだよこいつの存在で思い出した。
「息してる?」
「もちろんしているよ?30秒毎に」
「絶対この空間薬品使われるでしょ。私心臓バクバクなんだけど」
「その割にはよく持ち堪えるね。私はてっきり其方らがおっぱじめるかと…」
「んなわけあるか風呂場をなんだと思っているんだよ…」
どいつもこいつも信用がない…え?
「捕まえたぁ♡」
「キャァ!!」
やばいバケモノに捕まったこいつも心臓バクバクかよ!
体温がどんどん上昇していきやばい雪梛なんとかしてくれ…
抱きつかれているため回避できないし湯の中だから動きも封じられているんだよ!
「へへへ〜、いい景色だぁ」
「アホか言ってる場合じゃない私は湯船に浸かりたいんだ。相棒もそういうのは布団の上で求めてくれいくらでも相手してやるむしろさせてくれ!」
まずい温度が上がりすぎて頭が全く回らないしああもうなんかどうでも良くなってきた。
万事休すなので諦め気味に背後を向いて頭突きでもしようそうしよう。
そう思って背後を振り返ったら…
「お熱いカップルだねー。フューフュー」
「バカァーー!!!」
「グハァ!?」
なんでここでキスするんだよ!!!もうバカバカバカ!!!
気づいていないがこの時禍雪は湯船に沈められてゴボゴボしていた。
しかしそんな現状に気づけるほどの理解力を雪眼はとうに失っていた。
「うわぁ…まあ禍雪お疲れ様…」
もう浸かってらんねぇよ出ていってやるー!
即座にお湯から脱出をしてタッタッタと音を立てながら脱衣所に走っていった。
そして予定調和のようにツルッと滑ってしまった。
目の前が一気に歪んでいきその瞬間に冷静さを取り戻したが時すでに遅しのようだ。
「グヘェ!?」
ガンっといい音を響かせて私もここでダウンだ…
静まり返った空間には溺れて浮かび上がってきた禍雪、お湯の力でとけている雪梛、勝手に自爆した雪眼が残っていた。




