1ヶ月ぐらい欠勤したら支部何個か無くなってたりしてね
雪が覆い被さった状態で雪梛が捕まっているので面白いから近づくわよ。
相棒が手を離して立ち上がったので私も後についていくわ。
サクサクと心地いい音がしているが全部砕き切る前に一個ぐらい持って帰ろうかしら。
そう思って地面から綺麗な花びらの形をした石を拾ってポケットにしまった。
「そ、其方ら助けてくれなんかこいつ気絶してないんじゃねぇかってぐらいホールドしてくるんだが…」
「その程度引き剥がせばいいじゃない。それか抱きつけばいいじゃない」
「あまりにも酷すぎる選択肢だなぁ。てか引き剥がそうにも私の腕ごと捕まっているんだけど」
なるほど、つまりなんかこう腕がピシッとしているわけね…
ためしに剥がそうとしてみたのだけれどもやっぱりこいつだけ筋力量が違うわね。
びくともしないので相棒の方を見ると笑顔で頷いてくれた。
くそう、私としたことが…桜吹雪の中にいる笑顔のこの子の写真を撮り忘れてしまったわ…
おっとそうではないわね、じゃあ残された選択肢はただ一つ…!
「じゃあ私たち帰るわね。あとはよろしくと言うわけで」
「いいわけあるかせめて私ごと持って帰れ…」
「ていうかいつもの変な技で抜けられないの?ほら高速移動したり残像だったりをできるんだし…」
「この状態でやろうとするとそれの上位技に派生するからこいつが消し飛ぶんだよ。それに魔王には当分戻れない」
「肉体の回復待ちってことかしら?まあ面倒だからもう運ぶわね」
「ああ、助かるわ…」
起きあげるだけ起きあげてこいつに歩かせようと思ったけど雪のが身長が高いから多分足つかないわね…
と言うわけでまともに運ぶのは面倒だから私が神輿のように担いでまず弾をセットする。
「ちょっとまて?球ってなんのこと?」
次に自然体を発動させた相棒が雪の靴裏に手のひらを当ててその上にもう片方の手を乗せる。
「待ちなさいもう誰でも予想が着く展開になってしまったぞ!」
「あなたに花を咲かせましょう」
「それはダメなやつ!!!!!」
『我流拳術:桜花乱れ咲き』
音もなく射出された弾はぐんぐん加速をしていって第一支部の方角へと上昇をしていった。
しょ、衝撃がやばすぎて私も軽く吹っ飛ばされたわ…
「うーん、いまいち火力が足らなかったなぁ」
「いや、完璧に決めたら雪の肉体が爆発四散するわよ?」
「まあそれはいいよ。今度雪梛に技の稽古でもつけてもらおうか」
満面の笑みでこちらにそう言った相棒はとか言っている場合じゃないきたれ自然体!写真を撮るのよ!!!
文字通りの目にも止まらなぬ早業で写真を撮った私は満足したわさて帰りましょう。
この子の隣に並んで第一支部のゲートに向かっていく。
落ちかけている太陽が先ほどの隕石のカラーリングを思い出させて夕焼けが照らす木々が桜を演出していた。
灰色の世界がこれらのコントラストをくっきりと表現してより色合いの協調さを感じさせた。
どこかで空気が振動した気がしたがきっとおそらく気のせいであろうそうであろう。
急速に縮まっていくが伸びている少女たちを世界が表現しようと努力していた。
ゲートから出て拠点に向かうと雪と雪梛がいた。
「私死ぬかと思ったんだけど!目が覚めて目の前には崖、背中には雪梛、これなーんだって感じだったわよ!」
なんだ、案外どころか全然余裕だったじゃねぇか。
文句を言っている雪を適度に返しながら拠点に入って椅子に座った。
既に日は落ち切っていて本来であればカーテンを閉めて電気を消さねばならないが雪梛もいるし大丈夫だろ。
「さっきのあれは中々な模倣だったね!やっぱり基礎メインで鍛えているからやりやすいのかな」
「今度なんか奥義みたいなやつ教えてよ。私もロマン溢れる技を放ちたい!」
「うーん…じゃあ今度うちに来て。あそこの練習設備で教えてあげるよ」
「そういえば最適な訓練環境があったわね…少しの期間そこに身を置いてもいいかもしれないわね」
「でもそしたら仕事はどうするのかしら?1ヶ月ぐらい欠勤したら支部何個か無くなってたりしてね」
「怖いこと言うなよ有り得そうなんだから…」
でもこいつの元でじっくり鍛錬積むとか楽しそうだなぁ。
いっそのこと王だけ呼んで第一支部を完結式にしてゲート撤廃してから行ってしまおうか…?
「それだと其方たちは良くても王は拒否するんじゃないの?民を大切そうにしていたし」
「そうなんだよなぁ。そういえば雪梛は地上が滅ぶとき誰かと一緒にいなかったの?」
不意に飛ばした疑問が雪梛の気配に変化を与えたようだ。
あれ?もしかしてタブーだった?
「いたといえばいたような…確か小規模な村の中にいて…ダメだわからん。曖昧な回答でごめんね」
「いいよ。こっちもなんかごめんなさい」
ちくしょう雰囲気がめっちゃ悪くなったじゃないか!
な、なんとかしてこの雰囲気を良くせねば…
その瞬間に相棒がこっちをみてスマホを取り出した。
「そうだ!忘れてたわ!ねえ雪梛このスマホ内部の写真データってなんとかして絵みたいに出せないかしら?」
「出せるよ。専用の機械を私の拠点の方に作っておいてあるから今度来た時にでも教えよう。なんかファイリングできるものと写真立てを用意してきてね」
ファイリング…何枚出す気なの!?
まずいこのまま放っておいたら部屋が、冗談とか誇張抜きで部屋が埋まる。
「ちなみにエンジニアが作ったカメラ類でも出せるぞ」
よっしゃあ私も何TBか忘れたデータ全部出すぞ!!!
ま、まあ?画像ファイル一枚あたりが重いから?決してヤバい量ではないから?大丈夫だろう!
「帰ったら用紙を大量に用意しないといけなくなったな」
「すごいわね相変わらずこいつらは…」
なんか雪に引かれている気がするがきっと気のせいであろう。
てかそうだ完結式で思い出した雪梛に頼むことがあったんだ。
「そういえば雪梛はここの支部内に木を植える方法を知ってたりしない?ここの支部を完結式にしたいんだよね」
「なるほどね。もちろん知っているよ。いくつか昔の地上の木々を育てているからね」
よしきたこれでここの支部をは最強だ!
私たちが長期的にここに来ないとなると足りない材料が必ず出ていたのだが現在はエンジニアとかいうチートがほとんど解決をしている。
そして唯一ノウハウがなかった木のことを雪梛がここに伝授すれば完璧というわけだはっはっは。
「今回の目的は材料目的の植林でしょ?そしたら昔暇つぶしに最適化を済ませた木の遺伝子が入っている苗があるから持ってきてそれを作成する方法をエンジニアに伝授しておくよ。それに多少の地上への外出ならここの人たち死なないでしょ?」
なるほど、完全体とはならなくてもほぼ完全体になることはできるのか…最高じゃないか。
「じゃあ先にその用事を済ませようか。雪梛は悪いけど必要なものを持ってきてもらって私たちはみんなに説明をしておくね」
「じゃあ早速撮りに行ってくるね。十分ぐらいで帰ってくるからまっててね」
そう言って全員立ち上がり外に出て支部の端っこに行った。
「じゃあ説明よろしくね」
「どうやっていくのかしら?」
「そりゃあこのまま落下して回転運動を挟みながらエネルギー量を増加させて着地の瞬間に爆発させるんだよ」
「足の骨は死なないの?」
「大丈夫私痛覚が半分ぐらい死んでるし!」
「なるほど、だから魔王はこいつを出さないのね…」
雪梛は落下を開始していって瞬く間に見えなくなった。
呆れている私たちはすぐにエンジニアの方に向かい始めて扉を開けた。
ちなみに雪梛が落っこちていったのはエンジニアの住処のすぐ近くだ。
「ちょっと重要な話があるけどいいかーい?」
「どうした?今作業中なんだが…」
「十分ぐらいで雪梛…魔王が木を植えるためのノウハウ持ってくるって言ってたからやって欲しいんだけど」
「木…木だと!?」
あ、めっちゃ食いついてきた。
「まさかの植林だと…ついにこの支部の足りないものの供給源が作れるぞ!」
「あなたもわかっていたのね。私たち1ヶ月ぐらいいなくなるからよろしくしたいのよね。大丈夫そうかしら?」
「1ヶ月もいないのか…結構静かになっちゃうな。まあそれは仕方ないこっちでなんとかしよう」
「急遽でごめんね。まじでやばそうなら帰ってくるから」
とりあえずエンジニアを大広場の方に移動させて私たちも移動する前に放送をかけ始めた。
「あーあー、これからそこそこ重要な内容を話したいから時間ある人だけ大広場に集まってくれ。これないなら最悪エンジニアに聞けば全部わかるから時間ある人だけでいいぞ。んじゃよろしく」
放送の電源を落としてから大広場に向かい始めた。
みた感じ集まってきた数は10人ぐらいなのでこりゃああとであいつは大忙しだろうなぁ。
ちょうど私たちが大広場に着いたところで雪梛が吹っ飛んで帰ってきたようだ。
「待たせたね!じゃあ説明をすればいいのかな?」
「誰だこいつは?」
「魔王の別人格だよ。雪梛という名前が付いているよ」
「いや無理があるだろ…はっ!まさか着痩せするタイプとでも言うのか!?」
「ふっふっふ、素晴らしいだろあのジャージは」
適当な会話はそのぐらいにして早速雪梛がなんか取り出してみんなの前に提示した。
「はいよ、これがさっき話していた苗木。こいつを作物が育つ程度の栄養がある土に植えてやれば育つよ。本来こういった木を本気で育てるなら不要な枝を切ったりなんだりしたりするんだろうけどこいつは材料にしかならないからそれ専用の機械を作ってある。設計図に関してはあとでエンジニアに送るから作ってもらうとしてこいつの育て方を説明しよう。非常に簡単で植えて水やって日光に当てる!以上だ。質問はあるかな」
「簡単になりすぎだろ!!!」
流石にこれに関しては突っ込まずにいられなかった。
「その苗木とやらはどうやって増やすのかしら?木から実るわけじゃないのでしょう?」
「それに関しては増やす機械を別でつくってあるから大丈夫だよ。設計図をあとで送るからエンジニアに作ってもらおう」
「それはいいんだが私の労力デカすぎないか?」
「まあ初期費用と思って頑張ってね。では植える区画を探しに行こうか」
確かに太陽が当たったり水が近かったりする場所は選ばないと無いからね。
しかし現状既に一杯一杯かのように思われるのですがどうするのでしょうか…
「む?全然場所ないね。じゃあとりあえず地図に丸を三つつけたからそこに一個ずつ植えといて。私たちが行く前に其方らの1ヶ月必要分採取してくるから」
「なるほど。それなら解決できるね…え?」
「じゃあ其方が納得してくれたので解散だ。本日はお集まりいただき誠にありがとうございました」
それっぽい締めをして終わってしまった…




