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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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綺麗な断面図ね、最高よ…

「そうね。そう言えば商人はどうしたのかしら?」



そう言って周囲の気配を探ると付近に三人ほどの気配が感じられた。


殺気を纏っていてわかりやすいわね。


人間の戦闘熟練者は大抵殺気を纏っている、しかし私たちは違う。


殺すという行為を認識しているのか、そうでないのかというわけだ。



「商人いなさそうだしこいつらの肉でも食う?」


「それはどっちの肉かしら?」


「いや、魔物一択だろ…人肉を食うような趣味ないよ」



その瞬間に茂みから一人の男が飛び出して刀を振ってきた。


この子は相手に一目もせずに太刀筋を見切り首元に飛来してくる刀を瞬時に体勢を低くすることによって回避した。


そうすることによって相手は対象を見失い一瞬の遅れが生じる。


その遅れを利用して相棒は下腹部にナイフを突き刺してそのまま上に切り上げた。



「ぐあっ…」



時既に遅しということで断末魔代わりの悲鳴をあげた時には既に肉体前面部が開かれて臓器を取られていた。


ちょっと待ちなさい今の速度私でも見えなかったのだけれども…


そして茂みから残りの二枚の犠牲者が出てきたようね。



「化け物が…」


「知っててきたんでしょ?まあなんていうか…感情材料提供ありがとうね」


「は?」



相手が困惑している間に私たちは既に相手の背後に回っていた。


熟練だかなんだか知らんけども人間であるうちでは自然体は見えない。


相棒の方は適当に任せて私は久しぶりに同一言語を喋る生命をいたぶるとしましょうか!


嗜虐性が発動して自然体に変化を加えるとナイフが自然に動き出した。


まずは右腕にナイフをぶち込んで関節部分もろとも切り裂いて見事に腕一本切り裂いた。


綺麗な断面図ね、最高よ…


うっとりして何かに取り憑かれたかのように目が虚になり肌がほんのりと赤みを帯びて次の作業にかかった。


今度は相手の前に立って足首を切り裂き相手の重心の支えを破壊する。


二回も無茶な切り方したのでナイフを切り替えてから倒れ込んだ相手の胸に両の手を乗せて体重の乗った衝撃を送り込んだ。


心臓がギリギリ止まらない程度に抑えたので相手の顔が一気に歪み瞳孔が焦点を捉えられなくなる。


目をつぶすのは勿体無いので今度は肺の部分にナイフを突き刺す。


肺に穴が空いて相手の既に乱れている呼吸を一気に乱してナイフを引き抜き構える。


汗と涙で塗れている額に狙いを定めて骨の隙間を縫える場所を突き刺す。


薄い皮膚を切り裂いて、吹き出す量が少ない血が顔に流れて混ざり合う。


そして脳に到達する直前で黒の進行を止めナイフを引き抜き相棒の方を見た。


もう既に全ての摘出が終わっており肉塊を椅子がわりにして座りながらこっちを見て膝に肘を置いて頬杖をつきながら酸化し切った黒から青い瞳を覗かせて笑いかけてきた。



「いいなぁ。私も一体でそれぐらい楽しみたい」


「そっちはそっちで早業がすぎるわよ。気づいたら内臓抜けているじゃない」


「まあ欲望が動かしているから早くなった気はしないんだけどねぇ。とりあえず準備して肉でも食べようか」



移動時間や戦闘時間を考えると当たり前だが日が完全に落ちかけているようだ。


オレンジが強い夕焼けが私たちの赤と黒を包み込むかのように照らして休憩の開始を合図してくれた。


枝を集めて石を集めて焚き火を作成して肉を周りに刺し始めた。



「食いながらあの肉処理して持って帰ろうか。量的にはいけるでしょ?」


「過食部計算でおおよそ64kgぐらいかしら。確かに頑張ればいけるわね」



ここから第一支部まで歩いて20分程度なので休憩を挟みながら行けば余裕であろう。


第二、第三支部の方が近くて肉の買い取りもやっているらしいが面倒だからいいかしら。


大都市以外は行ったことすらないレベルなのよね…


拠点としている第一支部の居心地が良すぎるのでわざわざ他支部に行くこともないし行くぐらいなら地上で戦闘している方が何倍も楽しいわ。


相棒は大量に落ちている肉の方に行くと切り分けを開始した。


自然体を使用しているからものすごい速度で切り分けていくわね。


既に臓器はほとんど摘出されているのでとりあえず皮を切り分けているようだ。


微かに見える相棒の顔が最初は微細な歪みだったのが徐々に大きくなっていき目が虚になっていった。


流血至高というか切り裂く感触に幸福感と興奮を感じているのかこれもうわからないわね…


ノールックで皮を投げているが一箇所にきっちりまとまっており肉が焼き終わる前に全ての肉が皮を剥ぎ取られた。



「皮もちょっと持っていった方がいいんじゃないかしら?この頃寒さが増してきたから」


「じゃあ28枚持って行こうか。それ以上は欲しいなら無償で渡すって王に連絡入れとくね」



第一支部の人数全員分ってわけね、まあこんな状態でも仕立て屋に持っていけばどうとでもなるでしょうね。


ちょうど話に区切りがついたタイミングで狙ったかのように肉がこんがり焼けた。


すると相棒が肉を一個取って高々と掲げた。



「上手に焼けました〜♪」


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