そんなん決まってるでしょ…殺しの開始だぁ!
「はっ!知っている星空だ…」
目が覚めたら時には焼きすぎてちょっと焦げちゃっている肉が近くにいた。
では状況を一旦整理しよう確か私は相棒と何かをしてショートしてしまったわけだが…とりあえず肉食うか。
「ようやく起きたのね。さあ夕食にしようじゃない」
「good morning!まあ時刻的にはgood night!の方がいいかもだけれども」
後者に関してはさっき聞いた気がするぞ…そうだ!なんか写真撮ったんだ。
相棒が顔を私とくっつけて抱きついてきながらツーショット…思い出しただけで赤くなるわ!
冷めろと思うほどどんどん赤くなってしまう顔を隠したいかのように肉をとって食べ始めた。
ちょっと焼きすぎてしまったため硬くなり始めているがまだまだ全然おいしい。
いつも通りの塩と胡椒の味付けでやっぱりこれが一番いい。
まあ料理人が作るあの多彩な料理も劣らずのうまさがあるけどね。
「美味しいわね。また第一支部でパーティでもしたいわね」
「何かしらその楽しそうなイベントは。私も参加したいわ」
「そういえばあの時雪はいなかったのか」
では雪の帰還パーティ的な感じでやるとしようか。
ちょうど肉も大量に手に入っているしいいタイミングであろう。
一瞬、ほんの一瞬だけ何者かの気配が超高速で通り過ぎていったようだ。
気のせいかと思ったが私たちみたいな狂人の感覚は大抵当たるんだよなぁ。
焼いていた肉を全て完食して荷物の整理を開始した。
ちょうどその時に臓器の匂いを嗅ぎつけたのか中級上層の小規模な群れがきた。
「どうするのかしら?この数なら運べるわよ?」
「そんなん決まってるでしょ…殺しの開始だぁ!」
腹一杯なのに自然体を発動して一番近くの魔物の正面に立った。
先手必勝と言わんばかりに私に気づかず走ってくる魔物の目を狙って二本の指を突き出した。
眼球を潰す独特の感触を脳で感じながら突き進めていき指を引き抜いた。
そこそこの血とよくわからない液体が吹き出してきてその魔物は足を絡ませて横転した。
次の標的を狙うべく移動しながら無意識的にナイフを取り出して背後から心臓部分を予想して突き刺す。
背骨などを知っていたかのように綺麗にすり抜けて心臓部に達すると肉よりも柔らかい感触が私の手に伝わってきた。
即座に引き抜いて返り血を浴びるとそのまま背後にいた魔物の目を斬るように回転斬りを放つ。
こめかみ部分から黒が入り込んで右目、眉間、左目の順番に薄めに入った。
ただただ痛みが広がるだけの斬撃に魔物は悶えて後ずさった。
残り個体数は三体なのでもうゴールしてもいいよね?
勝手に動いていた身体がそいつの顎部分を蹴りあげて腹の部分が露出された瞬間にナイフを入れ込んで思いっきり切り上げた。
切り上げきると同時にナイフをぶん投げて新しいナイフをとりだすと水平方向に刃を入れて解剖を開始した。
この戦いでいちばんの花を咲かせながら支えを一部失った肉を切り離し腸類を取り出した。
接合部を綺麗に切り離してこちら側に倒れてきた魔物を顔面に掌底を当てて体重を乗せた衝撃を伝えた。
鼻の骨を折る感触を感じながら再度ナイフを握り直して倒れ込んだ魔物に馬乗りになった。
多分この現場を近くでみたら相棒は自分が倒れて乗りなさい、雪眼って言ってくるだろうね。
肝臓、腎臓を摘出して今度は肺の摘出を開始する。
内部から見た肉体はなんとも言えない美的な美しい色合いとなっており思わず息が漏れるほどだ…
まあこれは強調的な表現なんだけどね。
そして最後にぶっとい血管が繋がっている心臓部分を摘出して完了。
緩み切った顔で後ろを振り向くと既に終えている雪が笑い返してきてこちらにきた。
「流石の手際ね。そういう趣味を持っていない私ですら良いと思ってしまうレベルよ」
「そりゃどうも。じゃあ相棒でも見て待とうか」
うひゃー、肉が完全に削がれて骨見えてんじゃんあれ…やっぱり黒ロングは似合うな。
行動と連動して揺らめいている漆黒の髪の毛が相棒の美しさを際立たせていた。
最高すぎでしょしかも表情も見えたりしたらもっと良いじゃんこれ以上いい絵になる事象はないんじゃないかと思うレベルだよ。
振りかぶった際に一瞬見えた顔はハイライトが消えた真っ黒な瞳にそれを強調するようにほんのりと赤みがかっているようだ。
日が落ちて、辺りが真っ暗だからこそより相棒の動きが美的に見えるのかもしれない。
そうして相棒を見ていたらどうやら終わったようでこちらを見てきた。
完全に病んでいるような堕ちているような表情のままこちらを見て笑ってきた。
その顔を見て良いと思ってしまう私ももう既に終わっているらしい。
終わっているが始まりを迎えないある種の矛盾的であるがどこが合理性を孕んでいる内容を感じ取った。




