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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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今夜は月が綺麗ですね

「よっしゃあ肉だ肉。どれぐらい持って帰る?」


「余った分でいいんじゃないかしら?それかトラップに使ってもいいけれども」



現在内臓と肉がこの場にあるため獣や魔物が寄ってきやすい状況となっているのだ。


まあこの子の存在があるから来ないでしょうけれども。


肉をいい感じに切って枝に刺していくつか焼き始めた。



「久しぶりだねこういうの。前は確か人間にも襲われたんだっけ?」


「そうね。食料がないからよこせとか言って死んでったわね」



((これ、フラグじゃない?))



同時にそう思った瞬間に本当に人間が出てきた。


臨戦態勢に入り二人が立ち上がった。



「ま、待ってください!」



どうやら食料を盗りにきたようではないようだ。


臨戦態勢を解除して場の雰囲気を落ち着かせた。



「急にきてしまい申し訳ありません。私第二支部の長を務めているものです」


「そういえば見たことある顔だね。これは失礼」


「失礼だなんてとんでもない。この度は中級中層魔物討伐いただきありがとうございました。別支部に行けなくて困っていましたがこれでようやくいくことができます。本当にありがとございました」


「まあ困った時はお互い様ってものよ。もしよければあなたも食べていくかしら?」


「お誘いは嬉しいのですが私はこれから仕事がありますためここで失礼します。本当にありがとうございました」



そう言って帰っていったようだ。



「いやぁお礼を言われるといい仕事した気分になるね」


「そんなハイライトが消えた目で言われても説得力皆無よ」



まあこんな感じの仕事が毎日ほぼ永遠と続いているので仕方ないであろう。


焼き上がった肉をとって常備している塩をかけるとそのままかぶりついた。



「やっぱ塩は最高だね。欲を言えば胡椒も欲しいけど」



小さな口でどうやってそんなにかぶりついているのか知らないがほっぺたぎゅうぎゅうまで膨らまして頬張っていた。


ああもう本当に可愛すぎるやばい落ち着け私。


とりあえず落ち着くために私も肉をとって塩をかけた。


そして即座にかぶりつく、やはり美味しい。


この肉は普段売っているものとは違い肉質が柔らかいためたまに食うと美味い。



「いやあ。中々いい雰囲気じゃないのこれ」



既に辺りは真っ暗になっていて火の光に照らされている私たちがゆらめいている。


相棒につられて上を見ると星がいくつも輝いていた。



「今夜は月が綺麗ですね」



この場面にはこれしかないと思って相棒にいうとビクッと動いて手に持っていた肉を落とした。



「だ、大丈夫かしら?」


「だだっだだだあ大丈夫だよ」



絶対に大丈夫には見えない様子で落とした肉を回収していた。


顔も見てみると真っ赤になっているようだ。


これは…もしかして…!



「肉の焼きが甘かったのかしら?」


「そう!それだよそれ!いやぁ変な場所噛んじゃってびっくりしたんだよはっはっは」



そう言って新しい肉をとってかぶりついていた。


ちなみにめちゃめちゃ気まずい空気が流れた。



「よし。そろそろいくわよ。また一旦は拠点に帰宅ね」


「そうだね。じゃあ行こうか」



既に片付けは終えていて肉を背中に背負った。


その動作に合わせて相棒が何かいった気がしたがおそらく気のせいであろう。


私たちは第一支部のゲートに向かって暗闇の中歩き始めた。






やはりこの肉は美味い。


塩をかけて食う肉はなんでこんなにも美味いのだろう。


まあ普段から食にそこまで興味ないが。


いつのまにか口いっぱいに肉を頬張っていて自分でもいつもどうやって詰めているのかわからないレベルであった。


隣にいる禍雪から少々視線の感じたが気のせいであろう。


相棒も肉にかぶりついていて本当にかわいいやばい勝手に顔が笑顔になる。


そんな感じでニコニコしていながら食べていたがさすがに切り替えたいので空を見上げた。


空には無数の星がちりばめられていてところどころ天空城がそれを隠すかのように鎮座している。



「今夜は月が綺麗ですね」


「!?」



急にいつものクールでかっこよさを感じる声でそんなことを言われてしまい流石の私も動揺を表してしまった。


え、嘘今告白してきたよね!?本当に良いんですか!?それとも冗談ですか!?


そんな感じで顔を真っ赤にしていると相棒がこっちをみて何かを感じ取ったようだ。


そ、そんな急に言われても心の準備というかなんといいますか…!



「肉の焼きが甘かったのかしら?」



いやなんでやねん!


絶対にわかっているでしょ本当にそんなに鈍感だったっけ!?



「そう!それだよそれ!いやぁ変な場所噛んじゃってびっくりしたんだよはっはっは」



とりあえずとっさにそういったが本当は告白なのかどうなのかめちゃめちゃ聞きたい…


切り替えるために新しい肉をとって食べたが味が全然わからない。


もはや話しかけることもできずに気まずい空気が流れていたが私は早く胸の高鳴りが収まるのを願った。


その後十分ほど食事をして肉の処理をして禍雪に渡した。



「よし。そろそろいくわよ。また一旦は拠点に帰宅ね」


「そうだね。じゃあ行こうか」



返事をしたら少しだけ反動をつけて相棒が肉を背負った。



「…バカ」



動作に合わせて小声で言ったので確実に耳に入っていないだろう。


ちょっと気づいたような素振りをしていたが気にせず第一支部の方に進んでくれた。


日の出の時間まではまだ遠く先ほどの焚き火から取ってきた火のみが私たちを照らしている。


位置関係なのか気持ちなのか私の影は少々小さめに感じた。


ゆらめく火に照らされながら心地の良い風が上がった体温を冷やしてくれる。



「今日もかっこよかったわ。次も頑張りましょうね」


「そ、そうだねー。次も相手の体液全て撒き散らして大地の栄養源にするよ」



もうバカバカバカ急にかっこいいとか言わないでよ意識しちゃうでしょ本当に!


暗いせいか吸い込まれるかのような深淵の瞳がいつにも増して魅力的に映っていた。


ああもうだめだ今日はまずいこのままじゃボロ出そうでも黙ったらやばいし喋ってもやばいしあーーーー!!!


そんなことが頭の中でぐるぐる回っていると茂みからまた獣が出てきた。


よしきた憂さ晴らしをしよう。


飛びかかってきたので顔面に拳を入れ込む。


そして吹っ飛んでいく前に足を掴んで回転させながら上空に軽く投げた。


ナイフを瞬時に取り出して回転物を見てから腹部にブッ刺す。


そして抜けないように回転させながら地面に叩きつけて臓器に達するレベルで突き刺した。


生命レベルの低下を確認してからナイフを引き抜き付近の拳大程度の石を拾って頭部に思いっきり叩きつける。


骨が面白いぐらい簡単に折れていき血管、脳みそ、目玉が潰れて変な液体が完成。


頭部以外はほとんど外傷は少なく刺した場所から血が流れている。


綺麗な芸術品が完成したため満足した私はナイフを拭いて歩き始めた。



「相変わらずの手際ね。でも今日はなんだか荒れていたわよ?」



流石私の相棒こんな些細の変化に気づいてくれるとか本当に最高とか思っている場合じゃないちょっと待って自分でも気づかないレベルの些細な変化だよどういうこと!?



「え、本当?特段違和感なかったけど」


「ええ。私が見間違うわけないわ。とりあえず早く帰りましょう」



気分がスッキリしたためここからの第一支部までの帰りはいつも通りのマインドに戻れた。


ゲートに入って操作をしていつも通りの長い時間が始まった。

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