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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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見せてやらぁ、死に損ないの死力を!

取らせるべきは先手か…後手か…


構え的には攻めタイプではなさそうな気がするのでとりあえず私がいくか。


身体の筋肉動かして空間に振動を発生させた。


一歩前に踏み出して相手の変化を伺う。


構えはくずれない…面白い。


愚直なまでの受けタイプだと判断した。


もう一歩踏み出してその瞬間に力を圧縮して準備を完了させた。


後一歩で刀の間合いに入る、後一歩で殺しの間合いに入る。


戦場の張り詰めた空気が爆発するかのように私の欲望が指示を開始した。


無論今回は自然体を使う予定はない。


私の拳が正面の相手の肩に向かって進んでいく。


その瞬間に梛木は私の進行方向と同方向に回転運動を行って軽減をしようとしてきた。


もちろんその行動は知っていたので私はさらなる加速を行った。



「!?」



急激な速度変化について来れずにカウンターの動作をしていた身体が硬直して一メートルほど吹っ飛ばされたようだ。


追撃でつい投げナイフが出そうになったが理性で抑えつつ次なる攻撃に備える。



「なかなかいい動きをするじゃねぇか嬢ちゃん」


「私の方が大人っぽいかと思うのですけれども」



損傷率は15%程度だろうしまだまだいけるってことか。


着地と同時に体勢を立て直してこちらに直線的に接近をして刀を横に薙いできた。


胸元狙いだったからいけるだろう。


全力で身体を少し早めに逸らしてちょうど通り過ぎるタイミングで蹴り上げを行った。


見事に刀の平に当たって梛木は体勢を崩したようだ。



「甘いなぁ、チョコレートの兵隊ですか?」


「私はカカオ75%よ」


「ビターチョコでしたか」



今度は腹部に拳をめり込ませて思いっきり吹っ飛ばした。


そろそろ遊びも面白く無くなってきたので終わらすとしようか。


この世は本当に非情だ、どんなに足掻いても、どれだけ登ろうとしても、他からの干渉によって簡単に崩されてしまう。


無論受けずに登っていっても必ず上に新たなる壁が存在している。


多くの者から評価されようと、強いと認められようと、熱によって溶ける雪結晶のように一瞬で蒸発してなくなる。


そんな世界だからこそ、こんな感情が全てを左右する世界だからこそ、私は相手を躊躇なく殺せる。


トドメにするために自然体を発動して梛木の正面に移動していつのまにか持っていたナイフを振り下ろした。


グングン切り裂いて黒の侵食を進めていき振り切ったところで離れていった。



「あ?…やらかした…」


「え?…キャッ!」



すまねぇ…まさかそんなに綺麗に服だけ切り裂くとは思わなかったんだ…


私が女で助かったなぁ、男だったら今頃滅多刺しにされてたぜ⭐︎


でもとりあえずちょっと雰囲気悪いというかなんというかだからそれっぽくして誤魔化そう!



「力って、なんのためにあると思う?」


「ち、力…大切なものを守るためですか?」


「違う。それは小説だったりの悪と正義がいる世界での話だよ」


「この世界には悪も正義もいないのですか?」


「当たり前だよ。敵もいなければ味方もいないし。そもそも悪や正義っていうのは第三者的事象に対する自身の意思表明でしかないんだよ。わかりやすく例を挙げるなら私たちの目の前で人間が殺されました。殺した人間を悪だと思いますか?それとも正義だと、正しいことをしたと思いますかってことだよ。ちなみに私の答えはそんな事象に興味ないからつまらない質問してきたあなたが愚者として悪に選択してあげようだよ」


「なぜ味方もいないと言えるのでしょうか?私はあなた方のことを味方だと思っていますけれども」


「確かに味はあるんだけどねぇ。じゃあ最初の質問の答えに入ろうか。力とはなにか。多くの人たちはさっきの梛木の回答を答えたり似たようなことを言うだろうね。確かにそれも一つの回答だ。一般人という枠組みの中で回答を選択するなればその答えが正しいとなるだろう。でも私や相棒、雪だったりとあいつらに聞いたら絶対こう答えるよ。欲望って」


「欲望、それが先ほどの動きですか?」


「いい線いっている。欲望のみで動いているからこそ敵味方などの区分がない。自身が一番何に対して身体的興奮を感じられるのか模索してみるのがいいよ。あなたはきっと強くなる…なんて小説みたいなセリフは言えないけどね」



よし!服切り裂いた件はなんとかなったぞ!


ではこのまま颯爽と帰宅しようじゃないか、いくぞ相棒ついてきてくれ!


出口の方に向かって歩き始めると完全に意図を読んだ相棒が隣を歩いてくれたマジ最高です。


じゃあ扉開けて完璧だなぁ。


ガチャっと開けるとおい待てなんでこのタイミングでお前が来るんだよ…



「あら?珍しいじゃないここにくるなんて。good afternoon!」



午後どころか夜だわ…てかおかしいな、別行動していたから来ないと思っていたのに…


私たちから視線を外して雪が梛木の方を見るとびっくりして二度見をした。


そしてこちらを見たと思うとあれちょっとまってやばいなんでキレてんすか雪さん!?



「梛木を辱めたのはあなたかしら?」


「おいちょっと待て事情を聞かずに先走るのはよくないと思います。一度その矛を鎮めてくれないでしょうか」


「そうね。私としたことがこんな簡単なことも分からなかったなんて…内容次第じゃ今ここで花を咲かすわよ?」


「はっはっはたりめーよそうならないように話すんだろうが…」



ちくしょう絶対成り行き話したら斬り殺される、こういう時は謎のバフかかって超強化されてるに決まってる。


相棒の方を見た瞬間に目があったので行くとしようか!


見せてやらぁ、死に損ないの死力を!


脳内で今までの斬り殺した際の情景を描写してい自然体から基礎体を発動して雪の頭のてっぺんを軽く突いてから脱出を開始した。


予想通りというか基礎体が優秀すぎる!


頭上に気を取られている隙に姿勢を低くして万が一バレてもスピードで逃げられるようにした。


既に相棒は脱出しているらしいから私も続いて脱出したいn



「知らないのかしら?このイベントは逃走不可よ」


「は?」



なんか首根っこ掴まれた…私終わったわ…


その後赤い花が少しだけ咲いたようだがそれはまた別の話。


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