すっごい言い回しね…ディープキスしているだけでしょ?
相棒が捕まってから20分程で帰ってきたようだ。
助けたかったけれどもこればっかりは流石に無理だわ…
というかサディスト持っているから疑われたくなくて逃げてきたってものあるのよね。
複数の犠牲はいらないわ、単体の犠牲でことなきを得るのよ。
帰ってきた相棒には切り傷複数返り血多量であった。
ん?返り血?
「あんなわけわからないイベントで負けてたまるかよぉ。死に損ないの死力で返り討ちだわ」
「余裕そうにいっているけれどもあなたナイフ二本抜いていたからね?」
二本抜かれたのに雪はなんで生きてるのよ…
二本抜いて生きていたやつとか魔王だけだったのに一人増えてしまったようだ。
血まみれの雪がニッコニコで隣を歩いているのだがこのまま外出たら注目の的になりそうね…
「スターは大変ね」
「本当にスターにしてあげようかしら?」
「一等星なら大歓迎よ」
「もちろん四等星よ」
「逆に溶け込めて静かに暮らせそうね」
そんな話をしながら外に出ていこうとしたら背後から生命が近づいてきた。
「おまちくださーい」
頑張って走ってきたのだろうか、いきを整えながら梛木が追いついてきた。
「どうしたのかしら?今雪を星にしようという話をしていたのだけれども」
「それはいいですね。その時はぜひご一緒したいですってそうではなく先ほどの欲望の話を聞きたいのです」
「梛木さん?私を星にしようとしないで?」
「欲望かぁ…とりあえず躊躇なく殺せるようになってから考えな。くれぐれも飲まれないようにねぇ」
「え?」
困惑している梛木は放置して私たちは外に出た。
雲ひとつない快晴という表現が似合う星空を見上げて私たちはゲートに向かい始めた。
「いいねぇ。これだけ晴れているなら今日は星でも見にいく?」
「いいわね。romanticな雰囲気も出るし」
そういえば誰か魔物と戦う時は呼んでくれっていってた気がするけどいいか。
街灯と星の光に照らされて三人の少女たちは少ない休暇を締めくくるかのように歩いている。
静まっている街が静寂を三人にもたらし落ち着いた、流れる水のような空気を提供した。
足音もなく、耳鳴りが聞こえるほど静かな空間だが居心地の悪さなどはなく心地の良いリラックスされ空間が形成された。
ゲートに入って操作をしていつもの浮遊感が三人を襲った。
色のついた少女たちが月夜に照らされる灰色の終末世界に降りていった。
ゲートから降りた私たちはとある場所に向かっているわ。
地上を詳しく知っている人しか知らないいわば穴場スポットというやつだ。
まあそもそもの話地上でゆっくりできるような人材がいないという話なのだけれどもね。
歩き始めて五分ほど、第一支部と第二支部の間あたりに位置する場所に到着した。
先ほどまで生い茂っていた草木がまるで森林限界かのように一気に変わってゴツゴツとした岩場が現れた。
日の出時刻まで後八時間ほどあるので十分ゆっくりできるであろう。
絶壁と言われそうなかろうじて掴む場所が残っている岩をスイスイ登っていき20分ほどで登頂した。
ここはなんでか頂上に広い平坦な空間があるのよね。
「いい眺めだね。やっぱりここはいい場所だ」
「そこにさらにあなたがいるからいつにも増していい場所になっているわ」
そう言いながら私はこの子の頬に触れた。
「はふぇ!?あ、ありがとう」
「なんでそんなに耐性ないのかしら?付き合いたてってわけじゃないでしょう?」
「不意打ちは弱いんだよ。いつもの軽口みたいな時に言ってくれれば正面から受け止められる!」
赤くなっていたこの子の顔も冬の寒さでぐんぐん冷えていくわね。
もうそろそろ今年もおしまいだ、最高な一年であって波乱万丈でもあったわね。
どっから取り出したか知らないブルーシートを雪が広げて準備を進めていく。
あら?この子の身体稼働率がほんの少し低下しているわね…私としたことが上着を持ってくるのを忘れてしまったわ。
ここはかなりの好条件が揃っている場所なのだがいかんせん温度が低すぎる。
平然としているように見えるかもしれないがこれでも現場温度は−5度だ。
手袋、ネックウォーマー、ニット帽をしているがそれでも堪えるようだ。
やはりこうなれば原始的であり最終手段な人肌を使用するしかないか…
「不意打ちはダメって言ってなかったかしら?」
「もうあなたを人として認識するのは諦めるわ」
「あら?まだ人だと思っていたのかしら?」
「能力的な話よ。本体と脳みそは人外だと思っているから安心して頂戴」
「安心はできなくない?」
自然体を使用して今度は前回の反省点を活かして正面に立ち欲望の向くままに抱きついた。
よしまたこの子の赤面をゲットよよっしゃあ!
…?
「何度も引っかかると思うなよ小娘…」
「!?」
あれちょっと待ちなさいまて雪眼さん頭を掴んでどうするのですか顔を近づけてどうするんですか!?
「因果鳳凰とはこのことね…」
大空に羽ばたくなよ…
相棒のエネルギー補給部分が私と結合を開始して未知であるが既知である液体が供給され始めた。
味覚センサーが触れ合ってやばいこれ以上はもう描写できないわ!!!
「すっごい言い回しね…ディープキスしているだけでしょ?」
あほかそれを言わないためにわざわざ言い回してたんだよ!!!
もう頭が真っ白になった私は相棒の満足そうな顔と目を貫くかのように輝いている星たちを最後にぶっ倒れた。
to be continue…




