ゼロが下限だと思うなよ小娘…
王が扉を開けるとたくさんの人間が狭い部屋の中にいた。
「よう技術部、何してんだここで」
「いや、あんな人に呼ばれたら行かないわけないでしょ…」
「ん?」
王がどんどん前に進んでいくと三人が何やら話をしていた。
「おや?見ない顔だな。こちらはどなただ?」
「私は大都市で王をやっているものだ。あなたは誰だ?」
「まさかの大都市の王がきたか。初めまして。我、魔王というものだ」
「…は?」
そりゃ誰もこんな場所に世界の終わりみたいな野郎がいるとは思わないよね。
エンジニアと技術部総まとめ役と魔王で情報交換をしていたようだ。
まあ交換とはいっても基本的には魔王が教えて独自開発情報を二人が出しているといった感じだ。
「すまないな。現在ゲートの開発中と聞いたのだが基本構造が組み終わって時間が取れると聞いたから呼んでしまった。必要とあらば我が現場で工事を終わらせようぞ」
「なんだこの社会的な魔王は!?」
これで本当の主要人物は全員魔王と知り合ったというわけだ。
その後なぜか始まった名刺交換を行い…魔王は即座に作ったコイン型の名刺を渡していたが、王は技術部を総まとめ役だけおいて連れて帰っていった。
てかなんで毎回王は魔物に襲撃されないんだろうか…
おかしいな、ここから大都市だと中級の区域を通るはずなんだけど。
まあとりあえず人が一気に減った空間を退出しようと思ったんだけど呼び止められてしまった。
「ちょっと待て。其方らに見せたいものがある」
「はっはっは、まだ3日程度しか経ってないですよ。そんなポンポン作れるわけないじゃないですか…つくったの?」
「もちろんだ。まじでこいつはすごいぞ。我の作業速度に追いついてくるのだからな」
「私も本気でやり合えるやつがこの世界にいたなんて驚きだよ」
なんかそのうち世界作りそうだな…
呆れていると魔王が何やら刃のないナイフを渡してきた。
もちろん私はすぐに気づいたぞ…こんなロマンの溢れるアイテムにな!!!
「こ、これは…プラズマソードだぁ!!!」
そう言ってなんかちょうどいい位置に配置されたボタンを押すと内部で絶対鳴らさずにでも作れるであろうモーターオンを響かせながら青白い刃が出てきた。
「うおぉ!かっけぇ!!!」
なんだこれ近未来通り越して未来だろもはや。
「流石だな。其方ならそういう反応を起こすと予想していたぞ。そのナイフは言ってた通りプラズマソードで内部に貯蓄したバッテリー経由で刃を形成しているのだが今回のポイントはそこだ。我単体の技術力では市販品の21700をスポット溶接してバッテリー作成するしかできなかったんだがまさかのこやつが市販品を元とした自作リチウムイオンバッテリーの作成ができたのだ。肝心の切れ味なんだが従来の肉を切り進む感覚が完全になくなっている。なんなら骨も切れる。切れ味は落ちないし刃を使用していないから重量も軽い。正直言って開発に全力を出しすぎた。使用可能時間は3分もあり必勝しなければならない場面以外は使用しないことを薦めよう。あとバッテリー膨張問題だが我も完全には把握しきれていない冷却システムを搭載しておりおそらく一生物にできるとのことだ。やはり我もまだまだだな」
「冷却システムには水酸化バリウムと塩化アンモニウムで吸熱反応を起こして循環させているよ。てか刃の部分の出力制御とか過電流保護機能だとか私とは比べ物にならない精度と速度で組み上げていたからね?」
まあ要するに超強くて雪をぶった斬れるという認識でいいらしいな!
「流石にやめてね?私のライフはもうゼロよ」
「ゼロが下限だと思うなよ小娘…」
「さらに下がっていくのか!?」
そんな話はどうでもいいが本当に三日程度で作ったんだよな?
やめてよ?急に支部が一個増えているとか。
「とりあえずプラズマソードありがとね。これってC充電でいいの?」
「いや、今回専用で端子作ったからケーブルも渡すね。一応C変換ケーブルも渡すけどかませない方が多分いいと思うよ」
そう言ってケーブルももらった。
よかった、これでマイクロUSBとか言われたらやばいからね…こいつら面白いとか言ってやりかねないし。
では私たちもそろそろ退出しようか。
挨拶を軽く交わして外に出て一度拠点の方へと向かった。
準備したら戦闘だ…身体が疼いて仕方ないんだ!
「戦闘狂は私よ?」
「どうやって心を読んでんだよ…」
もはや呆れながら拠点に入りプラズマソードをおいて準備を終えた。
「よっしゃあいくぞー!」
どうやら全員戦いたくて仕方ないらしい。
すぐにゲートを使用して地上に降り始めた。
魔物が蔓延る灰色の世界に狂気で埋められた赤黒い少女たちが何かを求めて、欲望で進み始めた。




