また稽古をつけてやろう
会議室を彷彿とさせるような部屋に入ると魔王はどっかいった。
なんでも持ってくるものがあるから待っててくれとのことだ。
「もうこれエンジニア超えてるわよね?」
「流石にこのレベルはやばいわね。crazyを大幅に通り越しているわよ」
そんな会話をしていたら扉が開いて小さめの装置のようなものを持って入ってきた。
「待たせてすまなかったな。まさか其方らがくるとは思ってなかったからな」
「全然いいわよ。むしろ歓迎してもらってありがたいわ。ところでそれは何かしら?」
「こいつは便利道具だ。我は問題ないが其方らは夜道で火を焚くことが多々あるであろう。あかりとして機能する簡易装置だ」
そう言ってボタンを押すとそこそこな光量の光が放たれた。
見た感じ発熱もかなり抑えられていてこれはもう科学を通り越して異次元ね。
「仕組み自体は簡単で内部にリチウムイオンバッテリーが入っていて小型のソーラー給電を採用している。こっち側に小さな穴が空いているだろう。ここに適当な固形燃料を入れておいて灯りを作成しているという仕組みだ。着火の際のみ電力を使用する機構にしたことによってサイズ感をバチっと小さくしつつ光が発せられる場所にはちょっと加工がしてあってそれにより光量を増やしているというわけだ」
こいつは魔王なのよね?技術者とかではないのよね?
「暇つぶしで作成しただけだから其方ら三人に渡しておこう。もし故障してもこの程度なら大都市で簡単に修理してもらえるだろうしな」
とりあえず礼を言ってからしまっておいた。
たまにこうやって試作品だったりなんだりをくれたりするのよね。
私と相棒が使っているナイフホルスターも魔王オリジナルのものね。
完璧にフィットしてそれでいて購入できる市販品のものよりもしまえる数が多くなるから重宝しているのよ。
「あれからも基礎鍛錬は積み続けているんでしょ?一生追いつけないんだけど」
「はっはっは、まさかここまで実力差があるとは我も思わなかったぞ」
「あなた確か元人間なのよね?どうなってるのかしら本当に」
「簡単な話だ。基礎という理想を求めてたらなんか世界ぶっ壊しちゃって魔王となり君臨したというわけ」
「やばすぎるとしか言えないわよ…」
ちなみに地上の文明世界が崩壊した理由がわからないのはこいつ自身も把握していないからだ。
「せっかくだしこの後戦うか?また稽古をつけてやろう」
「いいねぇ。こっちも多少は強くなったよ。ピカイチで伸びたのは禍雪だけどね」
「やはりか。以前の戦いからの期間を考慮すると異常な伸び率となっている。久々の戦闘となると楽しみになってきたな」
魔王がニヤリと笑うとなんか建物揺れ始めたわ!?
「ふっふっふ、まあ今揺れているのは私が仕掛けた振動装置だ。いかにも強者らしい狂人らしい演出であったであろう?」
「はっはっは…冗談にならないからね?本当に揺れちゃってると思ったからね?」
相変わらず恐ろしいわね…
その場にいる四人…三人と人だった何かは立ち上がって退室をして部屋移動を開始した。
世間話をしている様子は側から見ればただの仲良しのように思えるがその実態は流血至高者、軽度なサディスト、戦闘狂、基礎を追い求めた魔王。
ただならぬ雰囲気が流れており空間内を軽い質量のある圧力が包み込んでいた。




