あの行動でバレていた…だと…わりぃ、やっぱつれぇわ
暗い森の中、少女が三人、何も起こらないはずがなく…
上級の生息区域を超えて私たちはボスモンスターの住処に向かっているわ。
肉を食い終えた後何個か焼いた肉を棒ごと手持ちしてここまできたのだがさすが上級というべきかこちらに戦闘を仕掛けてくるアホはいなかった。
既に日が落ちていていつもなら火をつける時刻を当に過ぎているのだが別にないと歩けないわけではないしこれからあいつと会うから余計なものは持ちたくないのよね。
「冷えてきた身体に肉をぶち込む!まあこの肉も流石に冷えているけどね」
相棒がまたいつものほっぺいっぱいに肉を詰め込んでいて最高に可愛い感じになっていた。
いいわね私もこの前のこの子みたいに抱きついてもいいかしら。
「いいんじゃないかしら?」
「あなたはエスパーなのかしら?」
「?」
相棒がきょとんとしているがとりあえず第三者から許可をいただいたのでいくとしよう。
手持ちしていた肉は雪の口にぶち込んで自然体を利用して相棒の背後から両腕を回した。
「きゃ!」
なんか可愛い声出して急に転んだってちょっと待ちなさいこの位置関係では私の手がこの子の胸部に接触を図ってしまうわ!
もちろん相棒は自然体の私に気づいていないためそのまま前に倒れ込んで受け身の準備をしている。
その瞬間に脳の処理速度が爆増してスローモーションとなった。
落ち着け禍雪この状況で指すべき一手を導き出すんだ!
現実時間にしてコンマ五秒程度しか猶予がないが最善の一手を指すべく私は行動を開始した。
タイミング的にここから手を引っ込めるのは既に不可という状態なので一定の距離を保ちながら私も前方に倒れ込む。
この子の受け身の取り方から行動時の使用される筋力量まで全て把握しているためそれに覆い被さるように私も動いていく計画…え?
まずい、痛恨のミスをしてしまった。
この子は受け身を取ってから使用していない手の方向に回転運動を挟むんだった。
くそう私としたことが…雪眼ガチ勢の私がこんな初歩的なミスをするなんて…
もう既にリミットは極限まで迫っている…このままでは…!
これはつまり私が地面の代わりとなれば問題ないというわけね!?
ヤケクソ気味の脳内のまま相棒が回転運動を開始した。
全身を脱力して不自然な硬さを取り除きそのまま迫り来る相棒の背中を私の正面で受ける!!!
柔肌がこちらに接触を開始していい匂いのするロングヘヤーが迫りとりあえず無心となった。
無心にならなければ絶対に抱きしめて離さなかったでしょうね。
幸いにも頭を浮かせている状態なので触れていたのは身体だけだが動くのが難しいわ!
絶体絶命的なピンチを迎えてまだあまりなれていない基礎体が自然発動して行動を開始した。
相棒の体重移動ポイントを的確に把握して身体を回転していき地面にきっちり着陸できるようにサポートをする。
もはや自分でも驚くほどの完璧な行動をして相棒のちょっと小さめの可愛い手が地面に接触したのを確認した。
こちら禍雪、これより帰還する。
最大の関門を超えたが油断してはいけない。
動きを完全にシンクロさせて行動をせねば私の回している両腕が接触してしまう!
基礎体が素晴らしい筋力の使い方をして少々悪い体勢だったにも関わらず一気に身体を起こし始めて同調を継続した。
そしてそのまま立ち上がりの動作まで一寸の狂もなく終えて相棒の隣に移動して基礎体、自然体を解除した。
ここまでの長く厳しい戦い、先ほどの変異上級など遊びにすぎなかったと思えるほどの技術必要量、勝ったな、風呂食ってくる。
隣の相棒の方に目を向けるとちょっと赤くなりながらこちらを見て口を開いて赤を見せた。
「なんで一緒に転がってたの?」
「え?」
あの行動でバレていた…だと…わりぃ、やっぱつれぇわ。




