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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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18/19

I want to see the organs too ♡

窓から覗くとやはりここにいるようだ。


王の自宅の窓から私たちは気配を消して内部を除いている。


普段身につけているであろう装備品が卓上に出ていたのでおそらく風呂にでも入っているのだろう。


エンジニアというチートを使用して玄関口を解錠すると私たちは颯爽と内部に侵入した。


エンジニアは機械関係も網羅しているためこういうこともできるのだがハイスペックすぎるだろ…


室内に入室した瞬間にどこからかただならぬ殺気を感じ取って口元が緩む。


どうやら侵入者は私たちのみではないようだ。


エンジニアをとりあえず相棒に任せて正面の扉を開ける。


中に入った瞬間に目の前からナイフが私の眼球めがけて迫ってきたが回避をしながら拳を放つ。


腹部に入ったと思ったが即座に逃げられたためあまりダメージは入ってないだろう。



「久しぶりだねぇ。不法侵入は犯罪だよ?」


「それはあなたたちも言えないでしょうに。ハロー」



こいつは相変わらずテンション高いな本当に。



「最後に会ったのがあの特大だったっけ?それともボスモンスターだったっけ?まあいま会えているからなんでもいいわね!」


「懐かしの再会ならこんな場所じゃない方がよかったかもだけどね」


「誰の家が不相応な場所だ」



どうやらシャワーから出てきたらしく首からタオルをかけて長い髪を揺らしながら出てきた。



「What’s up?」


「Not bad.ってそうじゃないわなぜに急な英語だよ」



そう突っ込みながらもきっちり返している。



「あなたたちはこの後暇かしら?もしそうなら久々に戦いたいのだけれども」


「こっちもその予定があったわ。じゃあ準備して地上いくか」


「ちょっと待って技術部からの連絡だけ言わせてくれ」



最近はなんでこんなにイベントが次から次へと流れ込んでくるんだよ…


小説のキャラクターにでもなった気分だがとりあえずすぐにでも外に出かねない二人をとどめてから要件を伝えねば。



「支部、大都市間のゲートが二週間後に完成するらしいよ。要件はこれだけだけど王なんだから告知しなくていいの?」


「安心しろ。そう言われると思ったから今の部分を録音しておいたしもうすでに騎士団に流した」


「は?」


「流石盗撮犯ね。手際が違うわ」


「ここにいる奴ら私以外不法侵入者だからな?」



9割の冗談が終わって私たちはゲートに向かい始めた。


ちなみに後日騎士団からの話を聞くことによっていまの王の言動が本当ということを知ったのだがそれはまた別の話。


ゲートに入って操作を終え灰色の世界へと進み始めた。



「そういえば今はどれぐらい強いの?後どこで生存してたか気になるんだけど」


「生存方法は秘密よ。なかなかにハードで最高にハイってやつだったわ。強さはそうね…基礎体にちょっと追いついたぐらいかしら」



ほう?私のこの流血至高という圧倒的なバフ効果を得た基礎体に追いついてくるとは楽しみだなぁ。


ちなみにこいつとは相棒と三人で大型を殺したり、ボスモンスターと対話をしに行ったりと結構な戦友だ。


普段はどこにいるのかわからないが神出鬼没で不定期的に私たちのところに来て戦ったり話をしたりしている。



「というか禍雪が結構変わったわね。闇一色から赤黒い情熱と鮮血が混じったようなカラーリングになっていてinteresting って感じね!」



そこはexcitingじゃないんだ。


まあexcellentではあるかもしれないけどね。



ゲートが地上に到着して扉が開いたようだ。



「エンジニアはどうするの?」


「私なら気にしなくていいよ。一人で帰るから」


「大丈夫なのかしら?」


「まあ襲われたら魔物の身体でも改造して遊ぶから。じゃーねー」



普段から動いているし低級ならどうとでもなるだろうがまあ本人がいいって言っているし大丈夫であろう。


てか本当に改造するのか?拠点に帰ったら変な魔物がいるとかやめてくれよマジで…


エンジニアが颯爽と帰っていきフィールドには四人の少女と色が失われた空間が残っていた。


周囲から生物が離れていきその場にいるだけでも既に戦闘の雰囲気が感じ取れた。


風が心地よく吹き抜けていき周囲の草や木を揺らして演出が始まった。



「誰からやるのかしら?私は準備万端でいつでもこーいって感じよ!」


「じゃあここは私がやってその後相棒と王、最後やりたきゃゆきと禍雪でいいよ」



間合いをとって久しぶりの本当の強者戦に心が躍る。


心臓の鼓動がほんの少し速くなったが即座に自然体の影響で平常値へと戻っていく。


自己の存在がうっすらと空間と同一化して気づけばナイフを既に握っていた。



「キタキタキター!!アガってきたーー!!」



おや、雪の様子が…Bボタン押しといて。


私の使用しているナイフよりも一センチ程長い漆黒のナイフを構えてこちら…私を見ている


自然体の私を感覚的ながらも的確に認識しているということは禍雪と同じような何かを持っているのであろう。


雪の戦闘スタイルは昔と変わっていなければ愚直なまでの私と同じ基礎を貫いたタイプだ。


私の場合は基礎体だったりを使用するが雪はそういうのは一切なく外見的に人間のまま戦闘してくるタイプ。


先ほどまで吹いていた風が止んで場の空気に緊張というアクセントが加わった。


雲の隙間から灰色の世界に差し込んでくる日の明るい光が差し色的に輝いて私たちの心を表していた。


動き出した瞬間、世界に色が入った。


基礎体を使用せずに接近して外傷狙いのナイフを雪の手に振った。


感覚に身を任せているのか私の攻撃を大幅な回避を使用して回避時のエネルギーを使用して回転切りを私の右肩に入れてきた。


攻撃後の後隙が生じて回避行動が遅れるのはわかっていたのでナイフから発せられる風を肌で受けながら身体を全力で捻って回避をした。


左足で体重を乗せた踏みを行い右側に横回転しながら離脱をした。


投げナイフを警戒したのだがまだ来ないようだ


服がほんの少し切られているのを確認して心拍数が上昇した。



「流石の判断力ね。ていうか久しぶりすぎて見づらいのだけれども」


「見えないものを見ないでもらえるかな?これだから感情が表面的に現出するタイプの人間は強いんだよ」


「Thank you.褒め言葉として受け取るわ!」



その瞬間に雪の気配が急接近をしてきた。


多少の呆れを感じながらも自然体に身を任せる感じで脳内を空っぽにする。


下から迫ってきていたナイフを軽い跳躍をしながらホルスターに装着しているナイフを使用して防ぎながらその際生じたエネルギーを利用して鋭い踵落としが雪の脳天に進行を進めた。


予想通り雪の身体が地面スレスレまで瞬時に低くなったので空いている足を操作してロスが少ない形をとりそのまま着地前に前方方向に身体を傾けてナイフが左脇腹に狙った。


スレスレの紙一重と言っていいタイミングで回避が間に合ったようで服を切り裂いた感触が手に残り回避後の後隙を狙うため基礎体を発動した。


自身の存在が霧散していくかのように溶けていき雪は禍雪ですら認識困難な状態を形成した。


個体と液体と気体のような状態になり風のように気づいた時には既に雪の正面にいた。


そのままナイフが勝手に動いていき雪の首をとらえた。


肌色を認識できない闇のような黒が一瞬触れた瞬間に離脱されたようだ。


基礎体は自己の存在を霧散させるようなものなので一定レベルの相手に使用したら瞬殺というわけにはいかないのだよ。


離れられたが問題はない。


時間をかけるとこいつはやばいのでちょっと軌道を意識しながら太ももを切り裂くように移動しながらナイフを振り始めた。


現在位置からおよそ三メートル程離れているがもはや間合いなど関係ない。


基礎体が振れというなら当たるということだ。


普段ではぶれて見えないような速度で動いているがピントが合った状態で的確に狙っている場所を見据えている。


その瞬間、視界の端にナイフが見えていた。


上から振る軌道、振る速度とこちらの速度を元に感覚的に計算するとちょうど首に当たる。


予定変更だ。


横回転運動をしながらナイフの到着地点を振り下ろされているナイフの位置に。


次の瞬間に漆黒の刃から赤き火花が散った。



「やっぱり、命がかかっている戦いは最高ね!!」



そうだ、こいつはこういうやつだったわ。


生粋の流血至高である私に対してこいつは超重度のバトルジャンキーという名の戦闘狂だったわ。


しかもただ単に戦いたがっているのではなく自分の命が掛かる戦いばっかり好むような別ジャンルにはなるけど私たちと同類だったわ。


本領発揮と言わんばかりに投げ専用のナイフをほとんど的確に投げてきたようだ。


基礎体発動時に攻撃がこちらに飛んでくることなど特性上ほとんどないがこの戦闘狂とボスモンスターなら十分あるわ。


身体の末端に飛んできていたので左足を半歩引いて回避した瞬間に左足を一歩半前に出して身体をちょっとだけ反る。


最小限の回避行動を行い再度接近戦に持ち込む。


観た感じ本領が発揮されている現状ではちょっと前の発言通り基礎体に貼り合ってくるであろう。


もはや殺したらどうするなどは全く考えずにひたすらに殺人のナイフを振りながら直接被弾のみを回避していく。


互いの服がみるみる裂けていくが両者の肌には一つたりとも傷がついていない…いや、ついていないのではなくついた瞬間に勝敗が決まるのだ。


流血至高者と戦闘狂、どちらの特性も相手に傷が入った瞬間に大幅に上昇するものだ。


鮮血の代わりといわんばかりに火花が花を咲かせて戦場とは思えぬような美しさを表現していた。


不意に戦場から一本のナイフが飛んできたが刃が完全に欠けており微量だが変形も見られるようだ。


雪の顔からは笑顔が絶えないが汗が少々目立ってきているようだ。


戦闘開始からまだ十分と経っていないがその場にいる全員が既に一時間以上いるかのような感覚を得ていた。


くそ!ボスモンスター戦以来のアレで殺してあげるよ!


どこからともなく飛来してくるナイフを防いだ瞬間にホルスターからもう一本取り出して本気もいいところの全力を解放した。


流水のような流れる動きから激流のような激しい流れに変化を遂げて一気に相手を追い詰め始めた。



「ちょっとまって私これ以上は死んじゃうから!I can’t continue!!!」


「はーっはっはっは。私に、血を見せろおおお!!!」


「いやあああ!!!!!!」



その瞬間に雪の白みがかった太ももに闇が入り込んでいった。


内部から火花よりも断然赤い生命の主である液体が出てきた。


一気に拍数が上がって息が一気に荒くなる。



「I want to see the organs too ♡」※翻訳→臓器も見たいな♡


「My life is over…」



流石にここで殺すわけにはいかないので瞬時に基礎体と自然体を解除。


一気に感覚が戻ってきて雪の太ももに刺さっているナイフを刃が食い込んだまま上に切り裂く…ではなくきっちり抜いた、いやでもやっても問題なかったか?


ちょっと残念だけど今回はこのぐらいで勘弁しておこう。



「十分楽しかったよ。またいい戦いを期待してもいいかな?」


「Off course!次こそは追いついてみせるわよ」


「まあ私にナイフを二本握らせたから大したもんだけどね」


「なにそのかっこいい強キャラが言うよなセリフは」



とりあえず私たちは次のバトルのためにゲート付近まで移動するとしようか。


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