頭のネジなんて舐め切って無理やり外してきたってだけ
その後中々なスピードで移動してエンジニアを担ぐとさっさと大都市に向かい始めた。
「楽しいジェットコースターだねぇ。ああー頭がぴょんぴょんするんじゃー」
「ジェットコースターとか懐かしいもの出てきたね。まあ舌だけ噛まないように気をつけてね」
「仮にもこのゲート計画の最重要人物をこんなに適当に扱うなんてね」
なんでか知らないがこいつの発想や作業スピードなどなどが大都市最先端をはしっている技術部を超えているんだよな。
他にも何人かそういうのが私たちも第一支部にいるわ。
ちなみにジェットコースターは大都市開発当時にこいつが遊び半分で作った高速移動する絶叫系の乗り物だ。
まあ私たちの移動のほうがよっぽどスリルが味わえるのだけれどもね。
そんな会話をしながらちょこちょこ見かける魔物をすり抜けてゲートに到着した。
「ついたよ。お疲れ様」
「大都市は久しぶりだから楽しみだね。私のレベルの追いつけるかな?」
「なんかあなたなら一人でゼロからゲート完成させそうよね」
「まあこんなものはちょっと素材をちゃちゃっとやればできるからな」
「いやそれでできたら凄すぎて怖いよ…」
いつのまにかゲートの開放音が響いて大都市についたことを知らせてきた。
休暇中ということを忘れるような忙しさだがこれが終わったらこの子としっかり休もう。
「変わったなー。まあぼちぼちな発展具合じゃないのかな」
「なんか陰の実力者みたいな感じのこと言っているけど早くいくよ」
一応私たちも技術部の施設の場所は知っているし何なら顔パスで入れるのでさっさと歩き始めた。
装備が珍しいのか何なのかわからなかったが人々からちょっとだけ視線を感じた。
特段変なものは持ってないわよね?あ、旧式の銃を装備していたわ。
今更しまう場所なんてないのでそのまま視線を浴びながら技術部の施設へとたどり着いた。
久しぶりに見たが非常に大きな建物で外見は一般的な一軒家のようなものとなっていた。
「流石はこいつらだな。地下に施設を建てるなんてロマンの塊かよ!」
「そんなに見ただけでわかるものなのかしら?」
「だって漫画とか小説とかでよく出てくるだろ?中に入って操作すると急に地下へと入り口がってやつ」
「そういうのをかっこいいとか面白いだけで作っちゃうからやばいのよねこいつら」
適当に会話をしながら受付を通って床の一部を押し込んだ。
かなりのパワーで押し込むと床に穴が開いて私たち三人は一気に落下した。
「流石に予想外だわーー!!」
エンジニアがなんか叫んでいるがまあいいか
私と相棒はキレイに着地をしてエンジニアは衝撃吸収率がバケモンみたいな床に激突した。
漫画みたいに床が変形してそのまま吹っ飛んで戻っていくんじゃないかと思ったがなぜか上空には吹っ飛ばされず吸着していた。
「もうきたのか。流石の手際の良さだね」
奥から一人の女性が歩いてきてこちらに話しかけてきた。
「久しぶりね。こいつ連れてきたわよ」
「この人をこいつ呼ばわりできるのはあなたたちだけだけどもね。じゃあ案内するね。せっかくだから二人も一緒していいよ」
施設の内部はよく研究室とかで見る真っ白な壁でパネルのような模様をしていた。
歩いていく四人の足音が空間内に響き渡り防犯対策がしっかりしていそうなのを感じ取れた。
最初の曲がり角を右に曲がると会議室と刻まれたプレートの部屋が出てきた。
「ここだよ。既に全員待ってるからよろしくね」
そういわれて中に入るといつものメンツである4人が座っているようだ。
「こんちゃっす。おひさですねぇ」
「久しぶりだね。最近戦闘続きで来るときなかったから本当にね」
「では全員そろったことだし始めるとしようか」
全員が着席をしていよいよ今回のゲートの計画の内容に入るようだ。
まあ入るとはいっても私たちは技術的なものはないから聞くだけなのだけれどもね。
一般人枠というわけだ。
「現状の問題点から話していく。今までのゲートの方向とは異なり横方向に掛けていくわけだがそうするとどうしても耐荷重問題が出てくる。現状の我々の構成している仕組みは内部から重力に対して荷重を行いその反作用で上昇するという仕組みなのだが横方向にするとその要である重力が使用できない。天空城作成時の技術を応用して人を移動させることは可能なのだが積載量は一度に250kg程度がゲートの規模的に限界だ。ゲートの外装の容器的な問題はいくらでもなんとかなるのでここについての案を聞きたい」
なるほど…何言ってるんだか全然わからないぞ。
というか重力に対して内部から荷重を行うことが可能ならそれこそ魔物討伐に利用できないのかしら?
そんなことを思っているとエンジニアが笑いながらしゃべりはじめるようだ。
「ほうほう、反作用を利用しているところまできているのか。横方向に従来通りの荷重をするための技術があればいいんだな。ならば簡単な話だ。どうせ荷重の掛け方的に私が天空城作成時に使用した固定物に対する荷重を別ベクトルに変換する適当装置を使うんだろ?そいつの大元先を重力にすればいいだけだ」
何言ってるかわからないわよね?安心してちょうだい、私もさっぱりわからないわ。
てかこいつ適当装置とか言っているけどそれで天空城を維持していたり技術部に対してやっとそこまできたのか的なこと言っているけどもうこいつ一人に任せていいんじゃゃないかしら?
なぜか大都市の技術部という世界最先端組織を超えるレベルの技術を持っている一人のあほは技術部が疑問符を浮かべているのを面白そうに見ていた。
「しかしあの装置は物資的なものにしか作用しないと当時のあなたが言っていたじゃないですか。まさかもう新技術を開発したのですか?」
「おいおい組織が個人に負けないでくれよ。確かにあの装置は物質的なものにしか作用しない。ではゲートを利用すればいいとは思わなかったのか?」
これまでの話を整理すると…いや意味わからなくて整理できないけれども、ゲートは地上から天空に移動、逆を行う際に重力を利用して重力にかけられたものを反作用的に上昇させるとか言ってたわね。
そして横方向なので従来の技術をそのまま流用することはできない。
そこで物質にかけられている力を別ベクトルに移行した上で反作用として使用できるとかいうめちゃくちゃな装置があると。
ここまでくれば簡単ね。
「ゲートにかけられている出力装置に対してその変な装置を利用するというわけね。でも話を聞いている間だとゲート内部の物質に比例して出力が発生するという感じなのだけれどもそこはどうするのかしら?」
「いいところを突いてきたな。技術的な理解があったらまた面白かっただろうが回答しよう。現在使用されているゲートは物質を運搬するために作成されている。これだけで伝わるか?」
「ふーむ…!わかったわ。横方向のゲートに入っている物質に対してベクトル変換器を利用してゲートの内部制御装置に出力を与えてそれによって発生した反作用の力をベクトル変換器で横方向ゲートの出力として使用するってことね」
「ご名答。外装の耐久性や剛性がちょっと難しいかもしれないがあとはなんとかしてくれ」
あれ?技術部って案外アホなのかしら?
どことなく発想の硬さを感じながらも今回の技術会議は終了したようね。
「私たちって頭悪いのかな?一般人枠に負けた…」
報告にも来ていた元気なちっちゃいやつがへこんでいたがまあいいだろう。
エンジニアを連れて一緒に帰ろうとしたところ呼び止められたようだ。
「あら?何かしら?」
「施工日数を伝えてなかったな。二週間後には完成すると王に伝えておいてくれ。後第一支部には何もつなげない感じでいいんだよな?」
「そうよ。じゃああいつに伝えておくわね」
扉を開けて先ほど来た道には戻らず左に曲がって行くと階段が出てきたようだ。
それを足音を立てずに登っていく。
空間ないには一人の足音のみが響いておりなんとも言えない雰囲気が広がっていた。
「毎回思うんだけど何者なの?」
「趣味に人生かけてるただのアホだよ。頭のネジなんて舐め切って無理やり外してきたってだけ」
「舐め切っているだけでも最悪なのにさらに外しているのかよ…ネジ穴も擦り切れているってわけだね」
そんな団欒?をしているとどうやら登り終えたようだ。
裏口のような場所に出てきて目の前にはカードキー式の扉がそびえ立っていた。
エンジニアが当たり前のようにカードを取り出して開けているようだが絶対そのカード自作よね?
「これ面白いだろ?私の自作カードが反応してるんだぜ?」
最初の部屋に戻ってきて私たちはとりあえず王のいる場所を探しに行った。




