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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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大都市でデートをしよう…だと…

「大都市でデートをしよう…だと…」



よっしゃあ久々にあそこの武器屋を観察するぞ!


現在私たちはナイフの整理をしていて使用不可な物を選別しているのだ。


大都市にはこういった刃物の処分所がありせっかく長期休暇が来たのだから捨てに行こうというわけだ。



「そうよ。ナイフも捨てて武器屋を見に行こうと思っているのだけれども良いかしら?」


「もちろんだよ。じゃあ準備ができたら早速行こうか。確か王も寝ているしね」



昨日のパーティの後王はこっちの拠点に来て自宅感覚で過ごして寝ていた。


ちなみに側近は一人もいないのでまた独断できたのだろう。


中級下層にでも襲われたらどうするのだろうか…


時刻は午前四時ごろと一般的には少々早めなのでお湯を沸かすことにした。


ヤカンに水を入れてコンロにセットして着火。


ゴウゴウと火が燃える音を立てながらヤカンという中継物質を伝ってどんどん水があったまっていく。


その間に粉末のココアを取り出しコップの中に小さいスプーン二杯分いれた。


良い感じの匂いだけして味自体はなんかお湯みたいな感じなんだよね。


そう思いながらも三つ分入れるとちょうどお湯が沸いたようだ。


相棒が火を止めてコップの中にお湯を注ぎ入れていく。


粉末が徐々に溶けていきお湯と同調しながらココア色に彩られていく。


砂糖も何杯か入れようかと思ったがあまり味が変わらないので今回は無しでいこう。


軽くぐるぐると混ぜてから一口飲んだ。


冷えていた口の中をどんどん暖かく浸食されていきこれからの休みを表しているようだ。


適当に食パンを焼いていると王がおきてきたようだ。



「知らない天井だ…とか思ってたら知ってる天井だったわ」


「小説に出てきそうなフレーズみたいなこと言わないでよ。ココアと食パン。食べたら大都市に向かうよ」


「何か用事があるのか?」



見抜いていそうな雰囲気を出しながらも聞いてきた。



「使えなくなったナイフを捨てにいくのと武器屋を見にいくのよ。もし暇ならあなたもくるかしら?」


「そりゃいいな。じゃあせっかくだし私もいくとするか」



こいつ本当にあの大都市の王をやってるんだよな?


仕事が無さすぎるように感じるがそんな疑問はトースターの軽快な音によって消されていった。



「マーガリンと胡椒。どっちが良い?」


「私は胡椒でいいわ」


「じゃあ私はマーガリン」


「はいよ」



それぞれかけたり塗ったりしてまだ暗がりの朝食を楽しんだ。


三分ほどで準備が終わり三人は最終確認をしてから拠点の入り口を開けた。


ほんのりと明るさが増していてさながら勇者パーティの記念すべき旅立ちみたいな雰囲気を出していた。


まあ実際は狂人三人が遊びにいくだけだけどね。


大広場の方を見ると既に片付けが終わっており早朝からの仕事でぼちぼち外に出ている人がいるようだ。



「あら、またどこかいくのかい?」


「大都市に行って武器屋を見たりしてくるんだよ。今回は早い帰りだからまたねー」


「気をつけていってらっしゃーい」



挨拶も早々に私たちはゲートの中に入って灰色の世界へと降りていった。






ゲートから出るといつも通りの世界が目の前に広がった。


今日はこいつがいるからあんまり戦闘はしたくないわね。


実際戦ったことはないので強さはわからないが万一こいつが殺されでもしたらちょっと面倒なことになる。


まあ私とこの子がいるから問題ないわね。


そんなことを考えながら私は適当に大都市に向かい始めた。


ここから大都市まではあまり距離は離れていないのでまあ昼前にはつくであろう。


灰色の森の中へと入っていき大回りをしない最短ルートで入っていった。



「すごいなここ通るのかよ。流石の私も通ろうと思わなかったぞ」


「安全な道なら通らないてはないからね。特段崖があるわけでもないし」


「中級上層を安全扱いかよ…レベルが違うな」



大回りをしていけば下層レベルで止まるのだが私は単騎でも上級上層を対処できるし相棒なら特大もいけるであろう。


つまり危険な場所などほとんどないというわけだ。


付近には先ほどまで生物の気配がしていたがどうやら完全に逃げていったようだ。


やはり中級以上は知能が多少なりとも高くて助かる。


第一支部の人たちの反応で麻痺しているかもしれないが普通返り血まみれの人間がいたら怖がるものだ。


今回は大都市の施設を利用するので返り血を浴びたくなかったというわけだ。



「なんか周りから気配がなくなったんだがどういうことだ?」



どうやら思っていたよりも王は戦えるようだ。



「私たちが通るからね。普通圧倒的強者とは戦いたくないと思うでしょ?」


「魔物より怖いわそんなん…」



というわけで道中は何者とも遭遇することなく無事に大都市のゲートに辿り着いた。


中に入って操作を行いいつも通りゲートが上空に上昇し始めた。



「くそう!最近戦闘続きって聞いてたから一緒に行動したら戦えると思っていたのに。どういうことだ」


「そんなに戦いたいなら私が相手になるわよ?」


「やはり平和が一番だな。銭湯なんて物騒だとでもいうと思ったか?後でやろうじゃないか」



どっから自信が出てきているのか知らないが王は不敵な笑みを相棒に浮かべた。


こいつ戦うと変な絡めて使ってくるからちょっとだけ恐ろしいのよね。


まあ殺しのない対面戦も面白そうじゃない。


いつの間にかゲートが開いていたので三人の少女は発展されし陰が見え隠れする大都市へと足を踏み入れた。



「まずはナイフの処分をしましょう。処分場所は変わってないわよね?」


「ああ、いつもの場所だ」



ここから処分所にいき武器屋に行くのはほとんど一直線になっているのでちょうどよかった。


おそらくだが街並みを変える時もこの配置だけは変わらないようにこいつが調整したのだろう。


ナイフの処分も終わりようやく武器屋の前についたようだ。


人気はなくおそらく店内にも客はいないであろう。


扉を開けて入店するといつもの店長がこちらを一瞥した。



「いつもの嬢ちゃんたちか。好きに見ていきな」


「ありがとね」



店内には様々な近接武器から最近になって出てきた遠距離武器もおいてあるようだ。


元々旧式である火薬を使用した拳銃というものはあったがエイムが合わせづらくて普及しなかったのだ。


まあ私は結構好きだから今でも持ってはいるのだけれどもね。



「これは、面白いわね」


「絶対目をつけると思ってたぜ」



どうやら店長が狙っておいていたようだ。



「どういう構造しているのかしら?」


「最新技術の詰め込まれた旧式ハンドガンと同程度サイズのエネルギー銃だ。前まではご存知の通り銃弾の大量携帯ができなかったがこいつはなんか俺もよくわからないエネルギー物質を使用して弾を作っているらしい。射撃時の仕組みとしてはトリガーを引いた瞬間に一定量のエネルギーが銃口に集まりたしかプラスマイナスの電子だかなんだかを利用して射出するって感じだな。デメリットとしては射撃時のロスタイムがコンマ01程度あると言ったところだ」


「なるほど。かなり面白そうだけどカスタム性が皆無って感じなのね…一個もらうわ」



エネルギー弾とかロマンの塊じゃない!


これは流石に買う一択ね。



「そう言ってくれると思ってたぜ。一丁しか仕入れてなかったから賭けに勝ったわ。じゃあ会計300万な」


「クレジットで」



こういう買い物をしていると金銭感覚がバクりそうだがまあいいだろう。


銃以外は特段進展がなさそうだったのでいつものナイフを拠点宛に50本ほど仕入れて今日はおしまいだ。



「楽しかったわ。またくるわね」


「あいよ。待ってるぜ」



店を出て歩くこと一分ほど、何やら騎士団の人間がこちらに走ってきた。

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