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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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今この文章を読んでいる読者にも言っているのよ!

「そろそろよ。雪、いけるかしら?」


「Sure thing!」



まるでゴゴゴと効果音が見えてきそうな隕石が接近してきておりそれに対抗するかのように雪も胸を張って刀を構えている。


案外かっこいいわね後で私もやりたいわ。



「最近ぼこぼこにされてばかりだからここいらでかっこよく決めてやるわ!」



流れるように納刀して体をねじりつつ、重心を低くして構え始めたわ。


まさか居合切りをするというのかしら…隕石に?いや私自身何言っているかわからないけれども。


目をつぶって集中力を高めるかのような演出をしつつ…なんか涼しくなってきたかしら?



「熱き世界に収束を 見えない道にひっかけを 転ぶと思える低下に転換し即座に上がりて世を反す 陰りが抜けた世界に見つかり 私は斬りて 斬るを切る」



錯覚ではなく本当に冷気を発しながら、雪が抜刀を開始する。


それと同時に撃ち出されたかのように飛翔。



パキパキと透明な音を鳴らし、空間の分離を促しながら白すぎる刀身が光を返す。


綺麗。


横に流れる刀身が側面に触れた途端、微かなノイズと共に世界に光が広がり始め…


前が見えないわ、くっ。


別に私は超常現象を起こせるわけじゃないから眩しくなったら視覚を諦めるしかないわ。


加えて爆発による多大な振動が私の鼓膜を独占しているし破裂を防ぐため手も使用不可よ。


何秒ぐらいだっただろうか、特異的事象が発生した際に時刻を正しく測れないよう今回の爆発終了にかかったロスタイムは不明よ。



「ふう、こんなものね」


「いや、そのビジュで平然と話さないでね」



目の隙間、耳からはもちろんのこと口や鼻、額の一部分や腕からも血を流しながら何事もないかのように立っている。


まさに血で血を洗う血戦だったようね。



「さて、リベンジマッチも終わったし帰りましょうか。このデカブツの処理はどうするのかしら?」


「こ、こちらのほうで済ませますので!この度は危機を救っていただき誠にありがとうございました!」


「救ったといってもそんな大層なもんじゃないけれどね。むしろ零したというか…」


「雪?」


「いや、なんでもないわ!さあ、次こそカフェ行くわよ!」


「行くな帰れシャワー浴びて応急処置して布団にくたばっとけ」


「逃げるが勝ちよ!はーっはっは!!!」


「梛木」


「任されました」



あの損傷状態でどうすればあんなに動けるのかしら…


少々、というか気になりすぎる点があったけれど今日のところはかえってゆったりするわよ。


散らばっていた氷を拾い手に乗せる。


まるで何かを映し出すかのように透明度が低くなっていた。




「あー疲れた」



言葉ではそう発しているもの実際に疲労感が全身を巡っているのかと問われれば否となるだろうね。


床に寝っ転がりながら感覚の取得を確認。


よし、問題なしだな。


全てのプラグインが問題なくロードできたようだ。


確かに主要パーツが詰められた胴体部分にドッキング処理が施されてるようにも思えるよね。


つまり胴体はドッキングステーションであったかQED証明完了。



「アイスココアよ」


「サンガツ」



室温が二十八度とはいえ暑いことにかわりないな。


上半身のみを起き上がらせてコップを取り中身を体内に注入。


いいね、この味がほとんどしないインスタント感がいいんだよ。


冬場のホットココアと同様の感想をコピペの様に述べながらテーブルにコップを設置。



「初回から散々だったわね。何とか収束したけれど」


「全くだよ。地上に人が社会を形成しているし。まあ思ったよりもまともな集団でよかったけどね」


「後でエンジニアと技術部を探すとしましょうか。いる場所は何となくで分かっているわ」


「流石だね」



じゃあ明日出向くとしようかね。


今日は多分これ以上何も起きないだろうし。


時刻はすでに十八時を回っている、日の入り時刻まで一時間を切っているしね。


そういえばあの後雪はどうなったのだろうか。


まあ、特段私が思考回路を回す必要がある事項ではないんだけどね。



「この後はどうするのかしら?」


「どうする、ふむ…」



そういや相棒の異常性は何だろうか。


考えてみれば梛木も無無も雪、もか。


全員がおそらく保有しているであろう異常性が露見していない。


間違いなく持ってんだろ流れ的に。


だが無無以外全員がさっきの戦いで欲望を発動していたから少なくとも重要な感覚を破損ないし欠損するような事態は起きていないかと考えられるな。



「唐突だけどさ、相棒の異常性って何?」


「異常性?どういう意図かしら?」


「何かしら違和感のある変化はあるのかって意味かな」


「なるほど、その不完な改変が意図的に登場人物を対象として発生しているのではないかというわけだね」


「そそ」


「だったらあるわね。でも言語化が非常に難しいわね」


「つまり感覚面に作用する事象ってこと?」


「そうね、強いて言うなら……色が、抜けている?みたいな」


「灰が無になるというわけか」


「でもまだよくわかっていないわ。たぶん現在なら雪が自覚症状ありよ」


「どうだかね。案外芝居を打っただけかもしれないよ」


「そうね。演技派俳優ってことよ」


「それ聞く度に思うけど演技できないなら要らなくね?顔面欲しいだけなら肉体も要らないだろ」


「放送局がしばかれるわよ?」


まあ視聴率既に低いから…ん?



「え?雪?なんでってかいつの間に?」


「気が抜けてんじゃないかしら?魔力の練習がてら少しだけ波長を似せたのよ」


「今は抜けてないんだけどね。てか魔力習得できたんだ」


「札として残していただけよ。結果としてかなり良くなかったかしら?」


「そういう事してると朝月とキャラ被りするんじゃないかしら。まあそれは正直どうでもいいわよ」


「みなまで言わなくていいわ。内容は分かっているもの」



おお、なんかかっこよさそうなセリフ言ってんな。


でもこのパターンはダメな方じゃないのか?



「すごいわね。じゃあその内容はなにかしら?」


「いや言ってみたかっただけよ」


「そんなことだろうと思ったわ」



線がとんできた、俺のターンってやつだな。



「今私たちはおそらく全員に付与?発現?どっちでもいいけど持たせられているであろう異常性というか違和感について話していたんだよ。でさっき雪が終わり際になんか言っていたからあるんじゃないかと」


「なないわよ」


「なない?」


「異常性なんてもとより私たちとかの枠組みでなく全世界の人間が持ち合わせているものなのよ。だからそんなもの議論してもしょうがないわよ今この文章を読んでいる読者にも言っているのよ!」


「変なところに飛び火をさせないで頂戴。さっさと白状しないと血痕が増殖することになるのだけれども」


「すみません言います。言いますからそのナイフをお納めください!!!」



なんかここまでの展開を想定して動いていそうだなこいつ。



「言いますとは言ったものの私自身もそこまではっきりしているものではないのよ。というかはっきりしているならあの全員集まった場で話しているわよ雪眼の件もあるし」


「その場合は話してたんだね。私的にはミステリアキャラが同行とか言って話さないと思っていたが」


「流石に内容の重要度ぐらい判別することできるわよ」


「曖昧でもいいよ。何か気になる点をなんとなく話してくれればそれでいいよ」


「そうねぇ…うーん…そう、しつ、かしらね」


「喪失?」


「そう、でもおかしいのよ。別に世界の景色が変わったとか欲望が発動できないとかそういうわけじゃないわ。だからといって根本部分を形成する一要素を削減されたわけではないし」


「なるほど、とりあえず何かしら変化が発生しているのね。それが分かっただけで十分よ」


「ごめんなさいね。あんまり的確な情報を出せずに」


「まあ私が顕著すぎるってだけだから。相棒もそんな感じだし」



これで後は梛木と無無か。


二人とも街…都市の重要機関をになっているから時間とかあんまり取れない感じかな。


まあ舞い込んでくる仕事量が減少すればいいとしようかねぇ。


失うものを認識し 変化を遂げる増えぬ世界 減少に抗い上昇を行わせる行為が意味するのは 更なる喪失の増加なのだろうか あたらなる世界の始まりを 物語の再スタートを 歓迎して 読むとしようか

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