なんだっけ、無意識と浮遊とレムだったかな
ふっふっふ、説明しよう!
…いや特別な事象が追加で発生したわけじゃないからね。
パンと情報を摂取し終えた私はクローゼットを開けてナイフを取り出した。
あれ?何説明しようと思ったんだっけ?まあいいか。
ホルスターに装填していき、満タンになると今度は刀を抜く。
相変わらず綺麗な反射をしており鑑賞目的で配置を行っても問題がないレベルだ。
こういった鋭利な武具をみる度に欲望である流血趣向者、解剖癖が湧いてくるのだが今の私にはそれがない。
世界がリセットされ色々元通りになったのにこれが直らないということは十中八九作者ではない要因だろう。
もしかしたらそう予測を立てるだろうというブラフを噛ませているかもしれないがその場合は私が一段下ということで。
刀の確認まですんだので後は私の確認だなぁ。
流動的に意識を流し循環と充満を体内に付与させた。
はーい、三人称の完成でーす。
自身の意志で動いているはずなのにまるで私が背後から操作しているような気分だねえ。
ただこれは一種のプラシーボに過ぎない。
故に私の視界は眼球から送られてくる光の屈折の読み込みのみだ。
でも感覚的な視点としては背後にいる、後頭部付近ぐらいかな?
この現象に関してはプロがいるからあとで聞いてみるか。
先程までいた席に座り、何となく前をみる。
「よっ」
「うん、久しぶり…え!?」
「てんちょう!?いつの間にいたのかしら?」
「ええ反応あんがとさん。ちな読者にゆうておくと雪眼は驚いたんでなく驚くリアクションを取ったにすぎひん。人間であろうとするやっちゃの特徴やな。ああ、すまん。雪眼が聞きたいことあるっちゅうさかいきたで」
「あら、呼ばれてたのね」
「そそ」
「いや固有名詞は出していないんだけどね」
「にしてもまさかこれほどまで似るとはおもわへんで。雪梛とかわらんやんはっはっは」
「そうかな、まあしゃべり方ぐらいしか似る部分はないけど」
「おいおいホンマにゆうとんか?重複の話題はくどいさかいながしときはるが」
ん?…え?あ、そういうこと。
「さて本題や、三人称とはまた珍しいもん身につけよったな」
「三人称…ああ、大体わかったわ」
「その理解速度は指折りやな。実のところ私は完全習得しとらん」
「そうなんだ。じゃあ誰?」
「三次元の作者。あいつは過去の精神崩壊前に遊びで習得しとったで」
「まさかの人物すぎないかしら?どうするのよ」
ほらほら〜言われとるで〜
お前まじで…
最近私の出番増えすぎだろもうちょっと化身であるてんちょうがなんとかしろや。
あ、もう降りる駅つくで、はよいかんと。
毎回タイミング悪いんだよ!!!
ったく、どうすりゃいいんだよ…
「頼む、ここはお前の力が必要なんだ…!」
「そうよ!あなた以外いないのよ」
「せや!お前をこっちに呼び込めば」
パッチは送った、てんちょうは後で来い。
じゃあ梛雪と瑠奈と雪梛と香澄と…
特殊部隊呼ばないでね?
「おお、なんか知識が流れ込んできた」
「すごいわね。流石作者」
「いや、私ら全員作者やがな?」
同封されていたバックストーリーは破棄して内容の読み取りは完了かな。
正直なところ参考にするには状態が違いすぎるためいくばか掻い摘んで湾曲的一歩手前ぐらいまでの改変を行なわなければならないかなぁ。
とはいえ、こんな珍しい症状のデータがあるだけありがたいんだけどね。
「ほんじゃ、私はこの辺で」
「ありがとね」
まるで最初からいなかったかのように存在が霧散していきいなくなった…いなくなったよな。
じゃんじゃじゃ~んとかいって出てきたりしそう。
これ以上はこの思考内容がフラグになりかね無いのでこれ以上はやめておこう。
「二度目のリスタート、頑張りましょうか」
「リスタートというのは少々変化が過ぎるんだけどね」
立ち上がってリビングの扉を開ける。
踏みこむ際の重量感に差異は無いはずなのだが浮遊感が身体を支配していた。
これがあれか、浮遊とか言うやつか。
パッチいわく、三人称は複数のプラシーボが組み合わさることによって発動しているらしい。
なんだっけ、無意識と浮遊とレムだったかな。
内訳としては無意識とレムが行動を担っているらしい。
まるで呼吸をするかの様に選択と実行を行い続けるとか書いてあるけどやばすぎでしょ。
デメリットとして自身で実行するよりも緩慢となるため細かい動き、素早い動きはできないらしいけど。
浮遊は自身の体感重量を指定の値分軽減したと錯覚させるものらしい。
デフォルトで1.2倍の重量が引かれるらしい。
これにより現実感が薄れて三人称が発動…まあ仕組みとしては簡単だね。
「え…」
おっと、いつの間にか外…に…え?
おかしいな、私の目には繁栄した街が見えるんだが。
「…どこかしらここ」
「どこだ…」




