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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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みんなで特大魔物の肉を食おうぜ!

消していた火をつけなおしておおよそ三分の一進んでいるであろう駒を進めた。


今日も血を浴びて、見れて満足だなぁ。


相棒の新たなる一面も見られたから十分だ。


おそらくここからの帰路に待ち伏せはいないであろう。


まあいたとしてもまたシャワーを浴びるだけだけどね。


先ほどの事件的事象が私の頭の中に断片的にあるのでなんだか話しかけづらい…


無言のまま、しかし決して悪くない居心地の雰囲気で私たちは歩き続けた。


第一支部まであと少しというところで肉の塊が着弾していた。



「結構いい場所に飛ばしたね」


「そうね。私の実力が上がったからかしら?」



実際自然体を使用できることによって基礎力が上がっているのだ。


今回は私が肉を背負って既に見えているゲートに向かって歩き始めた。


ちょっとばかし肉の質が落ちているがまあ気にならない程度であろう。


少なくとも配送サービス利用時よりはいいはずだ。


あの配送サービス送ってくれるのはいいんだけどものをそのまま送るだけだからなぁ。


とか考えていたら既にゲートに入っていた。


相棒が操作をしているので私は背負っていた肉をゲート内部に一度おく。


操作している相棒の後ろ姿を眺めていたらいつのまにか動き出したようだ。


身体に重力がかかり上に上昇しているのがかすかに伝わってくる。



「さて、久々の休暇ね。ゆっくり休みましょうか」



そう言いながら相棒はこちらを向いてきた。


いつものかっこよさと狂気を感じるような無表情に見えたがどことなく暖かさが混じっているように感じた。


触れた瞬間は温かく感じるが即座に体温を奪っていくようなそんな何かを感じ取った。



「そうだね。また二人でどこか出かけようか」



王じきじきの休暇なので大都市に行っても問題はないであろう。


あそこは商業施設や娯楽施設がかなりあるため行けば1日は余裕で潰せるであろう。


ゲートの扉が開いてようやく第一支部に到着したようだ。


日が出始めて朝日が私たちを照らし赤い空が休みの始まりを演出しているようだ。


肉を背負い直して買い取り屋に直行をした。





中に入るとこんな早朝にも関わらず受付でいつもの人がニコニコと迎えてくれた。



「あらまた大量の肉を獲ってきたのね。あなたたちの肉がこちらに届いているのに。それはなんの肉かしら?」


「変異しかけの特大魔物。ここ最近の肉ならとびきりの一級品だよ」


「それはすごいわね!まああなたたちが持って帰ってきている時点でそこそこの肉だと思ってはいたけれども」



たしか最後の特大討伐は一年前ほどであろうか。


まあそんなにポンポン出てきたら今頃地上は終わっているのだけれどもね。



「この肉はどうするのかしら?またいつも通り買い取った方がいいのかしら?」


「いや、今日は第一支部で肉パーティをしましょう。余った分は全て買い取りで大都市にでも流してくれればいいわ」



確か前回も第一支部の全員を集めてわいわいやったのを覚えている。


まあ30人程度で全員が知り合いだからこそできるのだがな。



「わかったわ。じゃあ全員が起きてくるタイミングで支部内放送をかけておくわね」


「ええ、お願いするわ。じゃあ私たちはあの人をよんでくるわね」



人が少ないからかここは大抵全ての人間がなにかしらに特化している。


今から呼びにいくのは無論料理人だ。


そう思って店を出ると何故か目の前に出現してきたようだ。



「ふっふっふ。話しは聞こえなかったが大体は把握したぞ。あんな一級品を調理できるなんて料理人として腕がなるわね!」



どうやら私たちが帰ってきたのを見ていたらしい。



「よろしく頼むわね。ちなみにどのぐらいここで待機していたのかしら?」


「軽く見積もって…30分ぐらい?」


「やっぱり面白さには苦労がつきものだからね。じゃあ私たちは支部内放送施設行っているからよろしくね」



癖の強い人間が多いがここは相変わらず面白い場所だ。


そんなことを思いながら私たちは目的地に向かって歩き始めた。


既に日は上がっており秋にぴったりなカラッとした快晴に仕上がっていた。


ちらほらと起きてきている人がいてこの支部の朝の早さを知った。


かなり近かったのでもうついたようだ。



「ここに入るのは久しぶりだね。まだいるのかなあれは」


「いるんじゃないかしら?むしろいなかったらやばいわよ」



ここの放送施設には機械修理のエンジニアが常駐しているのだ。


大抵の電子機器からなにまで機械であればなんでも直してくれる。


まあその分ちょっと荒かったりするのだけれどもね。


扉を開けて薄暗い空間に電気をつけると案の定あいつがいた。



「久しぶりー。まだ元気してるのすごいね」


「ん?ああお前らか。現在私は肉体の一部を機械化して老化を遅らせているからな。今日はなにしにきたんだ?」


「特大魔物を殺したから肉パーティをしようと思って放送をかけるのよ。もちろんあなたもくるわよね?」


「またわいわいやる時がくるとはな。そんなもん参加しないわけにはいかないだろう」



インドア系に感じるかもしれないが実はこいつめちゃめちゃアウトドア派で機械いじり以外の時は常に外にいる。


まあ現在はなんかの研究をしているのか中に入りっぱなしだけどもね。


会話をそこそこに切り上げて相棒がマイクの電源をオンにした。



「あーあー、入っているね。みんなどうもー。今日は私と相棒で特大魔物をぶっ殺してきたからみんなでそいつの肉を食おうぜ!既に料理の作成を開始していて料金は無料だ。昼頃開催だから来たいやつは大広場に集合だ!じゃよろしく」



そう言って相棒はマイクの電源を落とした。


楽しみそうにしているがふと何かを思い出したかのようにこちらを向いてきた。


やっぱり血のついているこの子は可愛いわね…血?



「シャワー浴びないとよくないね」


「まだ時間はあるからさっさと行きましょう」



エンジニアに挨拶をしてから私たちは足早に拠点に帰っていった。

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