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殺したいほど愛してる  作者: 雪梛


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今ここに一つ、描いてもらおうか

ここ最近、とても多くのことが変化している。


それはあの子のこともそうだけれども私に対しても言えるでしょうね。



「行こうか。鉱石はそろっているんだっけ?」


「ああ、だから今回は資材置き場の作成をしていく」



どこか浮いているような感覚を全身に帯びさせながら亜空間を通って私たちの世界に帰ってくる。


入るとともに風が吹いてきて、私たちの現状を吹き飛ばしそうな感覚を与えてくれればと思ったり。


こういう考えがある時点で私も無視できないレベルの変化をしているわね。



「建設予定地についてはめどがついているからそこまで行くぞ。ここから約三キロの地点だ」


「あそこの平原かしら?」


「流石は無駄知識の雪だな」


「いや私じゃなくてもみんな知っているわよ?」



付近に魔物の気配はない。



「大丈夫?」


「え?何がかしら?」


「少々思いつめが過ぎるんじゃないのかって。雰囲気と歩幅がいつもと違うよ?」



全く気付かなかったわ…


だが確かにその意識が完全にないわけではなかった。


どこか追い詰められているかのような、何かに襲われているかのような、なんにせよそういった感じのものにとらわれている。


もちろん落ち着くべきというのは分っている、わかっているのだがそれができたら苦労しないという話。


だがこれは私に限った話ではないのだけれどもね。



「確かに少々考えすぎかもしれないわ。これは休息が必要ね」


「帰るなら私も行くよ?」


「いえ大丈夫。ここには動くセーフゾーンがいるもの」


「デッドゾーンかもしれないぜ?」


「死なば諸共よ!」



背後から抱きついてそのまま移動を継続する。


いくらか気が楽になった気がするわ。



「そうだ。倉庫の建設なんだが基本的に私が主軸で組まねばならない。木組みで組むからな。暇になるが大丈夫か?」


「任せなさい!私も建材を作るわ」


「やめろ絶対歪みまくった小屋ができるだろ」


「信用がなさすぎる」


「異常傾向を加味してもこの辺に上級はこないから亜空間にいるかもしれないわね」



そういえば建材はどうするのだろうか。


私の記憶通りなら別の場所に放置されているはずだけれど。


まあその辺は抜かりなくやるだろう。



「着いたぞ」



森を抜けた先に広がる平原、という雰囲気ではないがだだっ広い空間が視界を占領した。


やはりというべきだろうか、いつの間にか運ばれていた建材が一か所にまとめて放置されていた。



「先日の鉱石採集のおかげで作成できたから作業ロボを作っておいた。基本的にこいつに材料の作成もしてもらえるぞ」


「武器とかは?」


「やってくれるがもし作ってほしければ私に言ってくれ。謎技術がいっぱい詰まった武器を提供してやろう」


「こっちもすでに謎技術満載の刀を使っているんだけどね」



そういえばこれは雪梛たちが普段使いしている刀と同じでぶっ壊れない奴だったわね。


多分へんな技術によって作成されているのだろう。



「よし、じゃあ遊ぼうかしら。さあ禍雪!好きな奴を選ぶんじゃ」


「RPGかしら?だとしたら適当に選んで博士を殺して全部いただいていくわ」


「攻撃手段を手に入れた瞬間に殺してすべてもらうとか最悪すぎる」



ん?後方から二枚来ているわね。


残念ね、この世界の最大戦力が揃っているこの場に数ですら勝つことができないなんて。



「なんかヤバそうな気がするのは気のせいかしら?」


「気のせいじゃない?それか木星か」


「私を星にしないで?」


「いや、気のせいじゃないかもしれないぞ」



やめなさいよそんな小説みたいな…小説かここ。


立てられたフラグが成立してしまったのか見るからにヤバそうなやつがこちらに向かって歩いていた。


なんか見たことが…!



「あれ、魔王のコピー個体じゃないかしら?」


「え?」


「ほら、前に水晶球だかに力が込められたどうたらこうたら」


「だとしたら強化を加味すると全滅不可避じゃないかしら?」


「このリスタートした世界初めての強キャラかな。やれるだけやるしかないだろうねぇ」



流石に全滅かしら?


一定距離まで接近したのち止まったようだ。



「久しいな、其方らよ」


「しゃべれんのか…久しぶりね!魔王ちゃん」


「一名別から流れてきた旅人の成れの果てがいるがそこはあまり問題ではないか」



人型のシルエットにしか見えないから違和感が半端ないわね。


まるで黒いモヤに囚われた操られし者みたいな風貌だが普通に考えてこんな化け物が操られていたら世界崩壊待ったなしよね。



「おっと、こいつを解除し忘れていたか」



指を鳴らして腕を下ろすとともに下から闇が消えていった…なんかおかしくないかしら?



「え!?今のどうやったんだ!?」


「ほう、これに気づくとは流石エンジニアと禍雪と言ったところだな」



そっか、こいつも脳内読んでくるのか。



「もう今更過ぎるから言っておくが我は雪梛と少しばかし類似した波長を持つ生命体だ。だから…多少はあの技術を持っているんだよね」


「ふむ、言い方を考慮しなければ劣化版雪梛となる感じかな?…いや、あれには劣化がないからこの例えは無理があるけど」


「そんな感じかな?少なくともこの場の全員を相手どっても負けるどころか重症も負わないだろうね」


「そうでしょうね。戦いたくないもの」


「また面白いことを言うね」


「?」



どういう意図かしら?


別に私はバーサーカー系雪じゃないし一色願望のいかれ系梛木でもないわよ。


それとも誰かの状況と合わせ見たのかしら?



「さて、無論私がこのまま仲間になるルートもある、というか読者含め全員がそう思っただろう。だから私はそんな現状にイレギュラーを入れてみようかと思う」



え…



「さあ、抗ってみな。ダークかホワイトか、もしくはカラーレスなのか。単一カラーリングを持ち合わせることが叶わなかった少女たちの色を、今ここに一つ、描いてもらおうか」



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