ま、まさか!
「よし、木材はとりあえず必要分集まった。次は鉱石か」
「そんなものどこにあるのかしら?」
「概要を読んだ感じここのエンジニアは遠征はしないタイプだったんだよな。つまり鉱脈はすべて未開拓であるといえる」
「だとしたら空中都市はどうやって作成したというのかしら?」
「作者には物質形成能力があるだろ?どうせ仕組みは後から考える形で実装させたんだろうな。いや、最終的に作ったやつには仕組みが分からなかったといったほうが適切か」
「それはあれかな?三次元の作者のことを指しているのかな?」
「ああ。実際雪梛と香澄と朝月は確実に知っていただろうな」
どうやら本当にTextデータにアクセスして読んだらしい。
「そしたら空中都市の仕組みについて是非聞きたいわね。無論わかるのでしょう」
「そりゃ構わないが先に鉱石だけくれないか?」
「すぐに使うの?」
「それで材料が揃うからな。後は自動採集だ」
「タイクーンゲームみたいね。それかアイドルシリーズ」
「え?学園アイドル」
「マスタ○じゃない。ピッケルは一本しかないからさっさといくぞ」
珍しく本数が少ないな。
まあ多量に使う機会がないのだろうけれども。
それか生成法があるのか。
そんな疑問はとばしつつ、我々はアマゾンの奥地へと進んでいく…
「そんな場所に行かないでちょうだい」
「どんな生物いるか分からないしな」
「そこなの?てか普通に脳内を読まないでね」
おかしいな、作者の連中よりこいつのが怖くなってきた。
会話のように地上を駆け抜けて付近の洞窟に到着した。
「やっぱりか」
入口が閉められてんじゃん。
ということはエンジニアの予想通り未開拓である可能性が高いな。
わざわざ開けた穴を完全に修復したりしていない限り未開拓だろう…フラグじゃないからね?
「いくぜ!」
エンジニアがピッケルを持ってグルングルン回転を開始。
回転運動によって発生するエネルギーを増幅させつつちょっとずつ入り口に近づく。
「うおお、お、…お」
「ど、どうした?」
「吐きそう…」
「は?」
何やってんだこの小娘っておいこっちくんな私は戻し袋系女子じゃないんだぞ!
「あ!」
その瞬間にエンジニアの手から凄まじいエネルギーを有したピッケルが射出された。
事象の把握と共に脳の処理速度の高速化が行われてタキサイキア現象が発生して選択肢の模索が始まる。
ピッケルの回転方向は右ななだ、つまり私の視点から見て左上から右下にかけるライン状がデッドゾーン。
進行速度と私の行動受付の猶予を加味すると動かせるのは恐らく二箇所だな。
だってもう目前にピッケルの刃がきてんだもん。
この程度の状況が私にとって致命的か、いやない。
反語みたいなことしながらピッケルと同様に回転を開始。
ものすごくゆっくりと、視界と世界と時間が流れながら私も動いていく。
約半回転したところで先端が私の右肩を突いてきたが大丈夫だ、問題ない。
皮一枚とは言わず少しだけ刺されながらもエネルギーの供給を行いブーストじゃ!
そして完全に回りきってよし私の勝ちだはっはっは。
「ふう、死ぬかと思ったよ」
まるで衰えを知らぬがごとくピッケルがシュンシュンと飛んでいく。
「どこいくねーん」
「ふざけてる場合かしら?あれないとしんどいわよ多分」
「そこでこのかっこいい演出するためだけに作った装置が役立つんだよ」
なんだそれ…!
「ま、まさか!」
「ふっふっふ、気づいたようだな」
ボタンを押して戦闘態勢に入りエンジニアが構えている。
そうして五秒ほど待機すると前方から金属の反射によるキラリとした光が見えた。
「はっ!いいね」
うおお!かっけぇ!
飛来してきたピッケルの持ち手をみごとにキャッチしてそのまま勢いを殺すための地面に打ち込み、わかってんじゃん。
まさに漫画でありそうな飛来する武器キャッチだな。
「じゃあやるか。あんまり遊んでると日が暮れるしな」
「それはそうだがお前が言うなよ」
笑いながら入り口に近づくと一瞬にして大岩が砕けた…
はあ、何はともあれ無事に終わりそうだな。




