逃がすか貴様ぁ!!!
「はっはっは!かごは三ついただいたっていったぁ!?」
「ガキかお前は」
奪われたかごを回収していきおまけにもう一つだけもらっていく。
「待ちなさい!私の愛しのかごをどうする気かしら」
「その辺に置いとけばいいじゃない。大丈夫よ誰も気にしないわ」
「いや、私が気にするのだけれども…もういいわ。梛木のところにお邪魔するわ」
「いやです」
「いやです!?」
脱衣所だってのにうるさすぎるだろこいつ。
いっそのこといつぞやの布団の回みたいに巻きずしにしてやろうか…
「やかましくてかなわないから私は先に行かせてもらうよ」
「あなたの三歩後ろに続くわ」
「下がるなとなりに来い」
大和撫子るな。
引き戸を開けて中に入ると五人分のシャワーに一つのでかい浴槽がおかれていた。
すっげぇなぁ…でもこれどっからお湯引っ張ってんだ?
まあ亜空間だしその辺はどうでもいいか。
得体のしれないお湯を体に当てて付着している血とか体液を洗い流す。
そういやあの面白い石鹸はもうないのかな。
かつての技術部が作成した流血演出の石鹸を思い出したが流石にここにはないようだ。
「懐かしいわね。こういう感じで入浴するのは」
「そうだねぇ。確か前回は雪が仕込みをしていたから二人して気絶したんだっけ?」
「ええそうよ。あれは悲惨な事件だった」
「隣失礼します」
続いて梛木の参戦、雪は…まあいいか。
引き戸につっかえとかかませていない限り許容範囲内だ。
「雪はどうしたのかしら?」
「なんか素晴らしいことを思いついたわとか言って何かしていました」
「いやな予感しかしないんだけど」
さあて、洗い終えたしそろそろ入るとするか。
今のところ何事もなく進んでいるからいいぞ…
いつも縛らずにおろしている髪を上のほうでまとめ上げてから、ん?
なんだか視線を感じたのでなんとなく相棒のほうに目を向けるとおいなにスマホ構えてんだ!
「やったわ!いつのもストレートとは違うこの子の写真がおまけ付きで取れたわ!」
「裸体をおまけにするな!消せ消せ消せ消せ!!!」
バカバカバカバカ!
滑る地面を最適なステップで踏み抜き瞬時に犯罪者の元へたどり着く。
「はやって、あ!」
「よし回収!」
ロック解除して…
その瞬間、私の手からデバイスが落ちた。
「なあ禍雪、メッセージアプリってなんだぁ?」
「メッセージアプリは相手にいろいろ送信できるアプリよ」
「その相手からさ、保存して共有したわって来てんだが…」
「さて、私はそろそろ出ようかしら」
「逃がすか貴様ぁ!!!」
ぐちゃぐちゃな心境の中、私の足は既に地面を離れておりドロップキックが相棒の背中に向かっていた。
もういいこうなったら写真見たやつ全員殺してその状態の写真を友達の奴にばらまいてやる!
「あちょ、ええ!?」
不意に私の足がすり抜けたかと思うと腰辺りをがっちりつかまれてものすごい勢いで回転し始めた。
いた、ちょ、あ、え!?
「あほなんですか?」
なんか禍雪に押し倒されてんだけど…
すっかり頭が冷えてしまったのか、それともこの状況が再熱させてきたのか。
既に先ほどの状況を完全に忘れて顔を真っ赤にさせていた。
「さて、今度こそ入るわよ。あなたも体を冷やさないうちに」
「いやぁ、もう、あっついといいますかほてってるといいますか…」
なんでただの入浴でこんなイベントが毎度のごとく起きるんだよ…




