つまり死んだら死ぬというわけね。他に殺される前に殺そうかしら
おいおい一気に場の空気が冷めるぞ…
なんか相棒が雪とかの存在自体を忘れているんだが。
確かにいつも適当に扱っているのだが存在ごと忘れるほどいかれ野郎であるわけがない。
つまり記憶喪失、そしてそうなると私も起きているというわけか。
先ほどから相棒の言動が不審だったが、相棒からすれば私の言動が不審であったのか。
確か…そう、魔力だとか誤変換だとか。
その辺の記憶が無くなっているのだろう。
「いったん落ち着いて話そうかやめろ私をそんな目で見るなほかの女に現を抜かすかぁ!!!」
「冗談よ冗談。でも知らないのは本当。いったん手持ちの情報を整理するわよ」
怖いって、虚ろな目で見られてぞくぞくした私も大概だが…
「まずは、私が起きたところからね。あなたは気絶から目が覚めた感じかしら?」
「違うね。いつも通り移動していたら急に禍雪が倒れた感じ。もしかしてそこからおかしいの?」
「そうね。私たちは別の時間軸か世界線で雪梛と梛雪にボコされて気絶。これが記憶通りの情報よ」
「時間軸に世界線かよ。いよいよ小説っぽくなってきたな」
「多分予想ならあなたから作者関連の情報。私から仲間関連の情報が消えているのよ」
「ほう、じゃあ大都市は覚えている?」
「大都市?なにかしらそのハイテクそうな文明は」
「じゃあその通りだね。王として君臨していた無無の存在を覚えていないか」
小説の作者、文章を作っている人のことだよな。
となると時間軸や世界戦の話から…いや流石に世界を書いて構築している人なんて訳ないだろう。
もしいたとしたらそれぐらい訳ないだろうけども。
「早いよ。答えにたどり着くのが。そういったいらないところの予想は超えてこなくていいんだけど」
「来たわね元凶。この状況気持ちが悪すぎるから元に戻しなさい」
「もとよりその予定で来たんだよ。じゃあまたね」
なんか来たと思ったら指鳴らしてかえ、て…ああ!!!
思い出したぞビビったわ本当に!
そうだよなんか雪梛たちがリスタートだよとか言って指鳴らして気づいたらこっちにいたんだ。
「ああ、あいつらね。まあ最悪忘れてても問題なし」
「それは…そうだね」
てか難易度爆上がりしすぎじゃない?さっきの奴中級だよ?
もはや中級とかいう言い回しが正しいのかすら忘れたこの世界だが上級とか特大とか来たら死ねるんじゃないのか?
「おっと、いい感じに焼けているわね。はい」
「こりゃどうも」
私は肉をもらった、所持品の枠がいっぱいのようだ。
アイテムポーチには入らないなら胃袋というブラックポーチにぶち込めばいいもの。
何も振っていないプレーンの肉を食べて、懐かしいなぁ。
以前はこの味を毎日のように食べては戦っていたのが容易によみがえってくる。
「いいわね。ここは涼しいし景色も悪くないし」
「そういやデバイスは使用可能なの?」
「ああ、確認忘れてたわ」
そういって相棒がデバイスを取り出す。
夜の光がない空間で黒髪が風にあおられている…すばらしい。
黒い瞳がより暗さを強調しているがそれに対して露出している手などの白さがコントラストを色濃くしている。
その影響でより一層相棒の素晴らしさが強調されていると言えよう。
このままずっと見てたいなぁ…
「やっぱり使えないわ。でもメモだけ使用できるから文句を書いておくことはできそうね」
「ほうほう、ちょっと書いてみようよ」
かしてもらって試しに打ち込んでみる。
てんちょうはあほ。
おおすっげぇ本当に打ち込まれてんじゃん。
なんか飛び火していったてんちょうはおいておいて権限だけがはく奪された状態のようだ。
「つまり死んだら死ぬというわけね。他に殺される前に殺そうかしら」
「やめてね?そんな唐突な物語の終わりは認めないよ?」
まじで実行しそうでシャレにならんぞ…
まあこれほどの女に殺されるのであれば本望というもの…いや殺してから殺されたいから本望じゃない。
次の肉を取りながらそんなことを思う。
「雪たちが消えたということはとりあえずどうすればいいのかしらね。戦力が半減どころか激減よ?」
「まあ何でもいいんじゃない?いちゃらぶな百合でもやっていればいいんだよ」
「なわけ。まあとりあえず攻略をするとしようかしら」
あれ、珍しく乗ってこなかったな。
そういう話はいつもなんなら向こうからしてくるというのに今日は調子が悪いのだろうか。
まあ色々あったので今日もゆっくりしていきたいのだろう。
「んじゃ、とりあえず世界の帰還おめでとうということでカンパーイ」
「飲むものがないわよ。あなたが作ってくれるのかしら?」
「やめて攻めてこないで。細かいこと気にしているから疲れるんだよ」
引き際が肝心というのが私の過去の経験からの教訓だ。




