夢物語を、顕現させるときが来た
「まずは実際に出してみようか。百聞は一見に如かずだからね」
「私の解説を無に帰させないで欲しいわ…」
なぜか私たちの世界にいた全破壊雪梛が来ていて教えてくれるようだ。
マジで長かったあの解説…しかも何言ってるか全然わからねぇし…
とりあえずそういう小難しいことは相棒が把握してくれれば十分なんだよ!ブラックボックスを嬉々として抱え込む斬新なスタイルとなるのだよ!!!
「イメージ、イメージ…」
「寿限無寿限無…」
なんか変なこと言っている奴もいるがとりあえずやってみるか…
雪梛によるとこういうのは論理的な構造理解よりも感覚が重要らしい。
なので燃え滾るような思いもないし冷徹でもないし風のように流れるでもないし水のような柔軟さを持ち合わせていない私は何を出そうか。
ここで本当に感覚、もとい私の感情のようなものに身を任せると相棒に対する愛によってとんでもない禍々しい自身すら飲み込んでしまいそうなものを生み出してしまうかもしれない。
とはいってもやらないことには進まないから弾丸のイメージで出してみるか。
後方1メーターに氷の塊があるイメージ…サイズは10ミリの球体だ…
発動のトリガーが欲しいから指でも鳴らしてみるか!
パチンと乾いた音が鳴りどうだろうかと背後を見たらあれ?何もないんだが…
周りを見ると全員が同じように魔法の発動を失敗している、つまり何か共通の原因があるはずだ。
「ふむ、やっぱりか。概ね予想通りの結果だね」
朝月と雪梛以外がキョトンとしている中雪梛は一歩前に出てきた。
「前に話した内容だよ」
…え?それだけ?
続きがあると思って待っていたが雪梛はそのまま宙に座って興味深いの意味合いで面白そうにしていた。
「夢物語を、顕現させるときが来た」
「…!」
流石相棒もう事の真相に辿り着いたのか。
つまりこれは未知の情報を必要とする題材ではなく既知の組み合わせ、あるいは単純な見落としか。
過去に私たちは雪梛の情報について忘れていたことがあった、たぶん今回も類似ケースのはず。
「随分と気を持たせるね。リードの役割は私で十分だよ?」
「私は読者に対する配慮はしないんだよ…」
夢物語…魔法…現実非現実…ファンタジー!
なるほど、ようやく分かった、思い出したぜ!
「非現実であるアニメ、ゲームを現実にする。認識違いを正すというわけだな」
「その通り。ただそれは開かれた扉の入り口に配置されている」
認識の改変を行わなければならないというわけか…むずすぎないか?
「リアルを求め過ぎた弊害ね。まあゆったりやりましょうか」
背後から抱きつきながら相棒が伝えてくる。
確かに時間は永久的にあるし相棒が死なないなら急ぐ必要もないな。
最近の多忙に区切りがついたということにして長期滞在といこうじゃぁないか。
色付いている世界に入り、風や光が見えてきた。
他の世界経由で取り込んだ色に侵食されるか適合されるか。
区切りをつけた私たちは、新天地で色を出す。




