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ゴーストインザルーム  作者: 葦原 蒼紫


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第6話 接続断

 

 アカウントを削除してから、三日が経過していた。

 その間、私は一歩も外に出ることなく、万年床の上に丸まってひたすら眠り続けた。いや、眠るというよりは、意識のスイッチを強制的に切って、現実という名の致死量の苦痛から逃避し続けていたのだ。

 しかし、肉体は生きている限り、絶え間なくエネルギーを要求してくる。

 空腹はすでに痛いという段階を通り越し、内臓そのものが冷たく収縮して、胃液が自らの粘膜を溶かしているような鈍い灼熱感へと変わっていた。

 十二月の底冷えが、隙間風とともに六畳間を這い回る。

 私は寒さに耐えかねて身をよじり、重い瞼をこじ開けた。

 部屋の中は、昼間だというのに薄暗かった。

 大家の取り立てから身を隠すために、窓には段ボールとガムテープを目張りしている。そのせいで、この部屋は完全に外界と隔絶された、カビ臭い密閉空間と化していた。

 喉が渇いた。

 私は這うようにして万年床から抜け出し、キッチンのシンクへと向かった。

 流し台には、いつ食べたかもわからないコンビニ弁当の空き箱と、茶色く変色した割り箸が散乱し、酸っぱい腐敗臭を放っている。私はその惨状から目を逸らし、蛇口を捻った。

 細い水流が、ステンレスのシンクを叩く。

 備え付けのプラスチックのコップに水を汲み、一気に飲み干す。氷のように冷たい水が、空っぽの胃の腑に落ちていくのが生々しく感じられた。

 それだけで、激しい眩暈が襲ってきた。

 私はシンクの縁に両手をつき、必死に倒れるのをこらえた。

 このままでは、本当に餓死する。

 財布の中には、まだ三千円ほど残っているはずだ。それさえあれば、近くのコンビニで一番安い食パンとカップ麺をいくつか買うことができる。数日間の命を繋ぐことはできる。

 だが、外に出るのが恐ろしかった。

 ドアを開ければ、またあの大家が待ち構えていて、滞納している家賃を怒鳴り散らしながら取り立ててくるのではないか。あるいは、ポストの中に、あの芸能事務所の弁護士からの内容証明郵便が、私の破滅を告げる爆弾として投函されているのではないか。

 外界からのあらゆる刺激が、私にとっては物理的な暴力として感じられた。

 私はフラフラと部屋の中央に戻り、机の上に放置されたままのノートパソコンに触れた。

 真っ暗な画面。もう、ここに私の居場所はない。私を無敵の神にしてくれた玉座は、私が自らの手で粉々に打ち砕いたのだ。

 ふと、部屋の空気が妙に静かであることに気がついた。

 いつもなら、オンボロの冷蔵庫が低く唸るようなモーター音を立てているはずだ。それが、今は完全に沈黙している。

 嫌な予感がして、私は壁のスイッチを押した。

 カチッ、カチッ。

 蛍光灯は、何度スイッチを切り替えても点灯しなかった。

 ブレーカーが落ちたわけではない。

「……あ」

 乾いた声が漏れた。

 電気を止められたのだ。

 先々月分の電気料金の督促状が、赤い紙でポストに投函されていたのを思い出した。支払いの期限は、たしか昨日だったはずだ。

 私は慌てて、キッチンの小さなガスコンロのつまみを回した。

 チチチチッ、という虚しい火花の音がするだけで、青い炎は一向に上がらない。ガスも、電気と同じタイミングで供給を止められたのだ。

 崩れ落ちるように、私はその場にへたり込んだ。

 ライフラインの切断。

 それは、社会という巨大なシステムが、私という個体を明確に切り捨てたという、絶対的な宣告だった。

 ネットの海で、何万もの人間と繋がり、彼らの感情を自在に操っていたあの万能感。

 それは、コンセントに刺さった一本の細いケーブルから供給される、わずかな電力の上に成り立っていた、極めて脆弱な砂上の楼閣に過ぎなかったのだ。

 その電力を断たれた瞬間、私は世界から完全に孤立した。

 何者とも繋がっていない。誰にも私の声は届かない。私がここで凍えて餓死しようとも、社会の歯車は一秒の狂いもなく回り続ける。

 真冬のコンクリート造りのアパートは、暖房器具がなければ、外気とほとんど変わらない冷凍庫へと変貌する。

 私は寒さにガタガタと震えながら、万年床から毛布を引きずり出し、全身をすっぽりと覆い隠した。

 暗闇と、静寂と、飢えと、寒さ。

 それだけが、今の私を取り囲む世界のすべてだった。

 かつて、あの東京ドームの天井近くから、五万五千人の熱狂を冷ややかに見下ろしていた私の誇り高き精神は、今やこの泥にまみれた六畳間で、ただ物理的な生存本能のためだけに震えている。

「寒い……寒いよ……」

 誰もいない部屋で、私は毛布にくるまりながら、ただただ惨めな鳴き声を上げ続けた。

 私が自らの手で断ち切ったのは、インターネットという虚構の接続だけではない。

 社会のインフラ、他者との関わり、そして人間としての最低限の尊厳。そのすべての接続が、今、完全に絶たれたのだ。

 暗闇と寒さに支配された六畳間で、私は毛布にくるまりながら、ただひたすらに時間の経過を耐え忍んでいた。

 どれほど長く目を閉じていても、眠りは一向に訪れない。

 極限まで空っぽになった胃袋が、強酸性の胃液を分泌して自らの内壁を焼き、ギリギリという物理的な摩擦音を立てて脳に危険信号を送り続けているのだ。

「うぅ……っ」

 痛い。腹が千切れるように痛い。

 丸三日、固形物を口にしていない。その事実が、私の理性を根底から削り取っていく。

 かつてネットの海で、高尚な言葉を並べ立てて社会の倫理を説いていた私の脳髄は、今や食い物というたった一つの単語で完全に埋め尽くされていた。

 人間としての尊厳や、批評家としてのプライドなど、飢餓の前では何の役にも立たない薄っぺらいメッキに過ぎない。

 私は今、ただ生存の維持だけを強烈に求める、惨めな一匹の獣に成り下がっていた。

 財布の中には、三千円だけ残っている。

 それがあれば、腹を満たすことができる。近所のコンビニに行けば、一番安い菓子パンや、特売の弁当が買える。温かいおにぎりを、口いっぱいに頬張ることができる。

 想像しただけで、口内にドッと唾液が溢れ出した。

 しかし、外に出るためには、あの玄関のドアを開けなければならない。

 二ヶ月分の家賃を滞納している大家が、一階で目を光らせている。そして何より、一階の郵便受けには、あの芸能事務所の弁護士から送りつけられた、私を破滅させるための内容証明郵便が、確実に届いているはずなのだ。

 それらと直面する恐怖が、私の足を万年床に縫い付けていた。

 だが、夕闇が迫り、部屋の温度がさらに数度下がった時、ついに生存本能が恐怖を上回った。

 このままここで凍えて餓死するくらいなら、大家に怒鳴られようが、弁護士の書類を見ようが構わない。とにかく、何かを胃袋に詰め込まなければ、私は本当に狂って死んでしまう。

 私はガタガタと震える身体を引きずって立ち上がり、数日着の身着のままで悪臭を放っている服の上に、あの擦り切れたトレンチコートを羽織った。

 脂で束になった髪を無造作に後ろで結び、財布だけをコートのポケットにねじ込む。

 玄関の前に立ち、冷え切ったドアノブに手をかける。

 深呼吸を一つして、防犯チェーンを外し、鍵をゆっくりと回した。

 カチャリ、という金属音が、静まり返ったアパートの廊下に不必要に大きく響いた。

 ドアを細く開け、外の様子を窺う。

 冬の冷たい空気が、部屋の淀んだ空気を切り裂いて私の顔を打った。大家の気配はない。

 私は足音を殺し、錆びた鉄の階段を一段、また一段と慎重に下りていった。

 一階の大家の部屋の前を通り過ぎる時、心臓が口から飛び出しそうになるほど激しく脈打ったが、テレビの音が微かに漏れ聞こえてくるだけで、ドアが開くことはなかった。

 安堵の息を吐き出し、アパートの出口へ向かおうとした私の視界の端に、どうしても見たくなかったものが飛び込んできた。

 一階の壁に並んだ、錆びついた集合ポスト。

 私の部屋番号が書かれたその箱の口から、分厚い定形外の封筒が、入りきらずに無惨に顔を覗かせていたのだ。

 差出人の名前を確認するまでもない。

 数日前に受け取った意見照会書の次の段階。プロバイダから私の個人情報が開示され、弁護士が直接私の元へ送りつけてきた、莫大な損害賠償を請求する内容証明郵便に決まっている。

 足が竦んだ。

 その封筒は、まるで私を地獄へ引きずり込むための白い手のように見えた。

 だが、胃袋の激痛が私を現実に引き戻す。

 今はどうでもいい。あんな紙切れを食べても腹は膨れない。私は目を背け、ポストの前を逃げるように通り過ぎて、冬の冷たいアスファルトの上へと飛び出した。

 数日ぶりに浴びる外の世界は、私にとってあまりにも眩しく、そして残酷だった。

 すでに日は落ちかけ、街灯がオレンジ色の光を放ち始めている。

 すれ違う人々は皆、暖かいコートに身を包み、友人や家族と談笑しながら、あるいはスマートフォンの画面を見つめながら、それぞれの日常という軌道の上を正確に歩いていた。

 私がネットの世界で巨大な炎上を引き起こし、アイドルを糾弾し、そして法的な暴力によって社会から抹殺されようとしていることなど、この世界の誰一人として知らないし、興味もない。

 私が一人で勝手に神になり、勝手に地獄へ落ちていくだけの、ひどく個人的で滑稽な一人芝居。

 社会の歯車は、私という極小のバグが取り除かれたことで、むしろ昨日よりもスムーズに、何事もなかったかのように回り続けているのだ。

 その圧倒的な無関心と、自分自身の存在の軽さに目眩を覚えながら、私は駅前のコンビニエンスストアへと転がり込んだ。

 自動ドアが開いた瞬間、店内に充満するフライヤーの油の匂いと、おでんの出汁の匂いが、私の顔面を強烈に殴りつけた。

「いらっしゃいませ!」という店員の明るい声が、耳障りなノイズとなって脳髄に響く。

 私はフラフラとした足取りで、一直線にパンのコーナーへと向かった。

 視界が白く明滅する中、とにかく一番安くて、一番カロリーの高いものを選び出す。百円のコッペパン、砂糖がたっぷりとかかったドーナツ、そして一番大きなサイズのカップ焼きそば。

 それらを腕に抱え込み、レジへと向かう。

 レジに立っていたのは、あのスーパーで私を蔑んでいた結衣と同じような、十代の若いアルバイトの女性だった。

 彼女は、脂ぎった髪を振り乱し、眼を血走らせ、ひどい悪臭を放ちながら大量の炭水化物を抱え込んでいる私を見て、一瞬だけギョッとしたように顔を強張らせた。

「……お、お会計、四百八十円になります」

 彼女の声には、明らかな嫌悪感と怯えが混じっていた。

 かつての私なら、その視線に強烈な屈辱を感じ、心の中で彼女の知性の低さを罵倒し、ネット上で不当な扱いを受けた労働者としての正義を振りかざしていただろう。

 だが、今の私にはそんな気力は一ミリも残されていなかった。

 私は震える手でポケットから千円札を一枚取り出し、カルトンに乱暴に投げ入れた。

 お釣りの五百二十円とレシートをひったくるように受け取り、買った商品を素手で抱え込んだまま、逃げるようにコンビニを飛び出した。

「ありがとうございましたー……」

 背後から聞こえる戸惑ったような声すらも、私を責め立てる社会の刃に思えた。

 私は冷たい夜風の中を、獲物を咥えた飢えた犬のように、周囲を警戒しながらアパートへと走った。

 部屋に戻るなり、私は電気も点かない暗闇の中で、靴を脱ぐのももどかしく床に座り込んだ。

 コッペパンの薄いビニール袋を歯で引き裂き、中身を直接口に放り込む。

 パサパサとした安物のパン生地と、人工的な甘さのマーガリンが、乾ききった口腔内の水分を奪っていく。ひどく不味かった。だが、胃袋はそれを最高のご馳走であるかのように歓喜して受け入れ、私は涙と鼻水を垂らしながら、咽せるのも構わずに貪り食った。

「ぐっ……げほっ、うぅっ」

 暗闇の六畳間に、私の獣のような咀嚼音と、嗚咽だけが響き渡る。

 甘いドーナツを胃に流し込み、ようやく強烈な飢餓感が少しだけ和らいだ時、私は自分が置かれている状況の圧倒的な惨めさに、ついに声を上げて泣き崩れた。

 私は、何と戦っていたのだろうか。

 傲慢なアイドルか。搾取する資本主義か。それとも、私を見下す社会そのものか。

 いや、違う。私はただ、誰かに認められたかっただけなのだ。

 現実世界で誰からも必要とされず、底辺で使い捨てられる自分の人生を直視できず、インターネットという安全な場所で正義の神を演じることで、自分には価値があると思い込みたかっただけなのだ。

 その浅ましい承認欲求の代償が、これだ。

 電気もガスも止められ、家賃を滞納し、弁護士から莫大な賠償金を請求され、暗闇の中で百円のパンを涙を流しながら貪り食っている、このひどく醜い肉体の塊。

 パンの袋を握りしめたまま、私は床に突っ伏した。

 もう、どこにも行く場所はない。

 あのポストに刺さった内容証明郵便が、明日には私の首を完全に締め上げるだろう。

 私は現実の泥濘の中で、このまま誰にも知られることなく、完全に社会から抹殺されるのだ。

 真っ暗な部屋の中で、私のすすり泣きは、いつまでも夜の静寂に吸い込まれ続けていた。

 翌朝。

 私は、自分のすぐ耳元でカサリと鳴ったビニール袋の音で目を覚ました。

 全身の関節が鉛のように重く、そして痛い。

 万年床の上ではなく、冷え切ったフローリングの床に突っ伏したまま、私は気絶するように眠っていたらしい。顔のすぐ横には、昨夜貪り食った百円のコッペパンの空き袋が、無惨に引き裂かれた状態で転がっていた。

 窓の隙間から差し込む光の白さからして、午前十時を回っている頃だろうか。

 電気もガスも止まった部屋は、外の気温と完全に同化し、吐く息が微かに白く濁るほどの冷気に満ちていた。

 強烈な飢餓感は、昨夜の安物の炭水化物によって一時的に麻痺させられていたが、代わりに猛烈な自己嫌悪と、現実の重圧が再び私の全身を締め上げ始めた。

 どうすればいい。

 今日を生き延びたとして、明日はどうする。一週間後は。

 あのポストに刺さった内容証明郵便を無視し続ければ、いずれ裁判所からの呼び出し状が届き、最終的には口座を差し押さえられる。だが、差し押さえられるような預金すら、私にはもう存在しないのだ。

 私は床に這いつくばったまま、ただ虚空を見つめ、干からびた虫のように微弱な呼吸を繰り返していた。

 もはや、立ち上がる気力すら湧いてこない。このまま緩やかに体温を失い、誰にも気づかれずにこのカビ臭い部屋の床と同化してしまえれば、どんなに楽だろうか。

 コン、コン、コン。

 静寂を切り裂くように、ドアをノックする音が響いた。

 ビクッ、と肩が跳ねる。

 大家の乱暴な蹴りや、怒鳴り声ではない。ひどく規則正しく、冷静で、事務的なノックの音だった。

 そして、昨日の郵便局員のようなお届け物ですという声掛けもない。ただ、静かに、中にいる人間の反応を窺うような、不気味なほどの沈黙がノックの後に続いた。

 コン、コン、コン。

 再び、正確なリズムでドアが叩かれる。

 私は息を殺し、床にへたり込んだまま、玄関の鉄扉を睨みつけた。

「……山田さん。山田結子さん。いらっしゃいますね」

 ドアの向こうから聞こえてきたのは、低く、落ち着いた大人の男の声だった。

 私の心臓が、肋骨の裏側でドクンと嫌な音を立てて跳ね上がった。

 山田結子。

 それは、私がネットの海に沈め、捨て去ったはずの、惨めで冴えない三十代の非正規労働者である私の本名だった。

 スーパーの店長から怒鳴られ、物流倉庫で使い捨てにされ、誰からも名前を呼ばれることのなかったこの肉体の正式名称。

「電気のメーターが止まっているのは確認していますが、昨夜、コンビニエンスストアを利用されて帰宅されたのをこちらで確認しています。ドアを開けてください」

 男の言葉に、私は全身の血の気が引いていくのを感じた。

 昨夜のコンビニ。誰かが見ていたのか。監視されていたのか。

 ガタガタと震える膝に鞭を打ち、私は壁伝いに立ち上がった。

 逃げ道はない。相手は大家ではない。そして、単なる弁護士の使いでもないような、絶対的な公権力の匂いが、その静かな声のトーンから漂っていた。

 私は震える手で防犯チェーンをかけたまま、ドアの鍵を回し、数センチだけ隙間を開けた。

 隙間の向こうに立っていたのは、ダークスーツを着た二人の男だった。

 三十代後半くらいの、体格のいい男と、その後ろに控える少し若い男。二人とも、表情の筋肉をピタリと固定したような、冷徹で事務的な目をしていた。

「山田結子さんですね」

 先頭の男が、感情の全くこもっていない声で確認し、内ポケットから黒い手帳のようなものを取り出して、私の目の前でパッと開いた。

 そこに燦然と輝いていたのは、金色の桜の代紋だった。

「警視庁の者です」

 その単語が鼓膜を震わせた瞬間、私の脳内の思考回路は完全に焼き切れ、真っ白になった。

「あなたに、偽計業務妨害および名誉毀損の容疑で、家宅捜索令状が出ています。チェーンを外して、中に入れてください」

 警察。家宅捜索。令状。

 テレビのニュースの中でしか聞いたことのない、現実感のない単語の羅列が、冷たい冬の空気とともに私の顔面を強烈に打ち据える。

 民事訴訟だけではなかったのだ。

 あの巨大な芸能事務所は、私がNONELのドーム公演の価値を貶め、スポンサー企業に抗議を扇動した行為を、明確な犯罪行為として警察に被害届を出していたのだ。彼らにとって、私はもはや単なる迷惑なアンチではなく、実力行使で排除すべき犯罪者として認定されていた。

「……あ、あ……」

 私の喉からは、ヒキガエルが潰されたような、情けない空気が漏れるだけだった。

「山田さん。チェーンを外してください。応じない場合は、強制的に開錠することになります」

 男の言葉は静かだったが、そこには逆らうことの一切許されない、圧倒的な暴力と権力の裏付けがあった。

 私はガタガタと震える手で、ドアのチェーンを外した。

 ガチャリ、と重い鉄の扉が開き、外界の眩しい光が、六畳間の暗がりへと容赦なく雪崩れ込んできた。

「失礼します」

 二人の刑事は、靴を脱いでフローリングに上がり込んだ。

 彼らは、コンビニ弁当の空き箱が散乱し、酸っぱい腐敗臭が充満する私の部屋を見渡しても、顔をしかめることすらしなかった。ただ、極めて事務的な手つきで、部屋の写真を撮り、書類を読み上げ始めた。

 私は壁際に追い詰められたネズミのようにうずくまり、ただガタガタと震えながら彼らの作業を見ていることしかできなかった。

「これが、該当の端末ですね」

 若い方の刑事が、机の上に放置されていたノートパソコンと、万年床に転がっていたスマートフォンを指差した。

「……はい」

 私は、蚊の鳴くような声で答えるのが精一杯だった。

 刑事は無表情のまま、ゴム手袋をはめた手で私のパソコンを持ち上げた。

 ネットの海で、何万という軍勢を動かし、社会を裁く高潔な神の玉座。私がこの狂った世界で唯一持っていた絶対的な力が、今、ただの薄汚れた証拠品として、無骨な透明のプラスチック袋の中へと無造作に放り込まれていく。

 カシャッ。

 袋の口が密閉される音が、私のGhost In the Roomとしての完全な死を告げる、弔鐘のように響いた。

「山田さん。令状に基づき、これらの端末を押収します。それから、本件についてお聞きしたいことがありますので、署まで任意同行をお願いできますか」

 任意同行。

 それは事実上の、逮捕へのカウントダウンだった。

「……私、は」

 私は、乾ききった唇を震わせ、目の前に立つスーツの男を見上げた。

「私は……間違ったことは、書いていません。彼らが、ファンを騙して、傲慢に……」

 自分が何を言っているのか、もうわからなかった。

 ただ、すべてを奪われ、社会から抹殺されようとしているこの土壇場に及んでなお、私の脳髄にこびりついた正義の自己正当化という呪いが、惨めな言い訳となって口からこぼれ落ちていた。

 刑事は、私を見下ろした。

 その目には、怒りも、憎しみも、同情もなかった。

 あのネット上の信者たちが見せた狂熱や、アンチたちの燃え盛る怒りとは全く違う。

 ただ、社会のルールを逸脱した哀れで不気味な異常者を、マニュアル通りに処理するための、絶対的な無関心と冷酷さだけがそこにあった。

「その主張は、取調室で聞かせていただきます。さあ、上着を着てください」

 私は抗うことをやめた。

 抵抗する気力も、論理も、すでに私の中には一滴も残されていなかった。

 数日着の身着のままで悪臭を放つ服の上に、擦り切れたトレンチコートを羽織る。

 刑事に促され、私は自分の部屋の敷居を跨いだ。

 アパートの外に出ると、冬の冷たく、透き通った青空が広がっていた。

 パトカーは、少し離れた大通りに停められているらしかった。私は二人の刑事に前後を挟まれるようにして、白昼の住宅街を歩き始めた。

 ふと視線を感じて顔を上げると、アパートの二階の通路や、向かいの家の窓から、近所の住人たちが好奇の目でこちらを覗き込んでいるのが見えた。

 一階の大家も、腕を組んで忌々しそうに私を睨みつけている。

「あそこの部屋の人、警察に連れて行かれるみたいよ」

「やっぱりね。いつも一人で、挨拶も返さないし、なんか気味が悪かったのよ」

 ヒソヒソという囁き声が、冬の乾燥した空気を伝って、私の耳に直接突き刺さってきた。

 ネットの匿名という仮面を剥がれ、物理的な肉体を引きずり出された幽霊の最期。

 それは、高潔な殉教者などでは決してなく、社会のゴミとして隣人たちから蔑まれ、後ろ指を指されながら連行されていく、どこまでも惨めで滑稽な光景だった。

 私はうつむき、トレンチコートのポケットの中で、ささくれ立った指をきつく握りしめた。

 太陽の光が、ひどく眩しく、そして痛かった。

 パトカーの後部座席から引きずり出され、私は無機質なコンクリート造りの警察署へと連行された。

 署内の空気は、冬の寒空よりもさらに冷たく、そして消毒液と古い紙の匂いが混ざり合った、圧倒的な現実の重さで満ちていた。すれ違う制服警官たちは、私のような薄汚れた三十代の女を一瞥することもなく、それぞれの業務を淡々とこなしている。

 私は窓のない狭い取調室に入れられ、パイプ椅子に座らされた。

 目の前には灰色のスチールデスクがあり、その向こう側に、先ほど私のアパートに踏み込んできた三十代後半の刑事が腰を下ろした。少し若い方の刑事は、ドアの前に立って静かに私を見下ろしている。

「さて、山田結子さん。改めてお聞きします」

 向かいの刑事が、分厚いファイルを開きながら口を開いた。彼の声には、やはり感情の起伏が一切ない。私を人間としてではなく、処理すべき一つの事案として扱っているのだ。

「あなたが、あるSNSにおいてGhost In the Roomというアカウントを運用し、アイドルグループNONELおよびその所属事務所、関係企業に対する書き込みを行っていたということで間違いありませんね。押収したパソコンとスマートフォンのログ、およびプロバイダからの開示情報と完全に一致しています」

 私は、膝の上で組んだ両手をきつく握りしめた。

 ささくれ立った指先から微かに血が滲むが、痛みは感じない。

「……はい」

 掠れた声で肯定すると、刑事はファイルの中から数枚のA4用紙を取り出し、私の目の前のデスクに並べた。

 それは、私が得意げにタイピングし、何万もの人間を熱狂させたあのポストの数々だった。ドーム公演での捏造レポート、メンバーの家族のSNSのスクリーンショット、そしてスポンサー企業への抗議を呼びかける扇動的な長文。

「これらの書き込みにより、NONELの所属事務所は多大なる業務妨害を受けました。ファンクラブへの問い合わせや抗議の電話が殺到し、通常の業務が完全にストップする事態に陥っています。さらに、あなたが名指しで批判し、不買運動を扇動した飲料メーカーの窓口にも、数万件に及ぶクレームが寄せられました」

 刑事の指が、私が社会のバグだの腐敗したシステムだのと書き連ねたテキストを、無慈悲にトントンと叩く。

「事務所側は、あなたの書き込みが悪質なデマであり、タレントの名誉を著しく毀損し、かつ企業活動を物理的に妨害する犯罪行為であるとして、正式に被害届と告訴状を提出しています。これについて、何か言い分はありますか」

 言い分。

 その言葉を聞いて、私の中にわずかに残っていた批評家としての自尊心が、最後の悪あがきのように鎌首をもたげた。

「……デマなんかじゃ、ありません」

 私は震える顔を上げ、刑事の目を睨み返そうとした。

「私は、実際にドーム公演に行きました。そこで、彼らが口パクをして、一部の客を差別し、裏方スタッフに横柄な態度をとっているのを、この目で見たんです! 私は一人の消費者として、エンターテインメントの腐敗を告発しただけです。公益性があります!」

 言い切った瞬間、自分の言葉がひどく空虚に、そして惨めに響いた。

 ネットの海では、この薄っぺらい論理が八万人の大衆を熱狂させる魔法の呪文だった。しかし、この窓のない取調室で、法律の専門家を相手に口にすると、それはただの支離滅裂な言い訳にしか聞こえなかった。

 刑事は全く動じなかった。

 ただ、ファイルから別の数枚の紙を取り出し、私の目の前にすっと差し出した。

「あなたがドーム公演で目撃したと主張する事象についてですが、事務所側から明確な反証資料が提出されています」

 刑事の言葉に、私の息が止まった。

「まず、口パクの件ですが、当日の音響スタッフの証言およびミキサーの記録データから、対象の楽曲がすべて生歌唱であったことが証明されています。次に、裏方スタッフへの威圧的な態度について。該当の時刻、ステージ袖で翠弦氏と接触したスタッフの証言書がここにあります。彼はマイクの不調を報告され、タオルを手渡されただけだと供述しています。威圧的な言動など一切なかったと」

 次々と突きつけられる、冷徹な事実の数々。

 私が暗闇の見切れ席から悪意のフィルターを通して捏造し、針小棒大に書き立てた妄想が、強固な物理的証拠によって完膚なきまでに粉砕されていく。

「さらに、緋月氏の親族のアカウントを特定し、拡散した件について。あなたが家族特権やファンからの搾取と断定した時計や食事の写真は、親族の配偶者の正当な収入によるものであるという証拠が提出されています。緋月氏の収入から流用された事実は一切ありません」

 私は、言葉を失った。

 反論の余地など一ミリもなかった。私が真実だと思い込み、正義の旗印として掲げていたものは、すべてが私の歪んだルサンチマンが生み出した、完全な虚構だったのだ。

「山田さん。あなたは公益性と言いましたが、これは公益性でも正当な批評でもありません。根拠のない憶測と悪意で、他人の人生と企業の経済活動を破壊しようとした、極めて悪質なネットリンチの主導です」

 刑事の言葉が、鋭いナイフとなって私の胸を抉る。

「あなたの扇動によって、彼らの親族は職場を特定され、無言電話や嫌がらせの手紙に悩まされ、平穏な生活を完全に奪われました。スポンサー企業は対応に追われ、数千万円規模の損害が発生していると試算されています。あなたが軽い気持ちで、あるいは自分の正義感に酔ってスマートフォンの画面をタップした結果が、これです」

 数千万円規模の損害。親族への嫌がらせ。

 私が自分の鬱屈した現実から逃避し、承認欲求を満たすために遊んでいたゲームの代償が、そこにあった。

 私はただ、誰かを引きずり下ろすことで、自分が高い場所にいると錯覚したかっただけだ。

 スーパーの店長に怒鳴られ、時給千円で使い捨てにされる自分の人生が惨めで、許せなくて、その怒りの矛先を、最も光り輝いている彼らに向けただけなのだ。

 だが、現実は私の個人的な不幸など一切考慮してくれない。

 私が放った呪いは、巨大な質量を持った犯罪行為として、私自身の頭上にすべて跳ね返ってきたのだ。

「……お金なんて、ありません」

 私は、ポツリと呟いた。

 もう、嘘をつくことも、見栄を張ることもできなかった。

「私、派遣もクビになって、家賃も払えなくて……電気もガスも止められてるんです。賠償金なんて、払えるわけないじゃないですか……!」

 最後は、半ば泣き叫ぶような声になっていた。

 私は両手で顔を覆い、取調室の冷たい机の上に突っ伏した。

 彼らは何億円も稼いでいるくせに。私がこんなに苦しんでいるのに、どうして私からすべてを奪おうとするのだ。

 そんな理不尽な被害妄想がまだ頭の片隅にこびりついていたが、それを口に出せば、自分がさらに醜く狂った人間に見られることくらいは、辛うじて理解できた。

 刑事は、泣き崩れる私を静かに見下ろしたまま、冷酷なまでに事務的な宣告を下した。

「山田さん。賠償金を払えるかどうかは、民事裁判で争うことであり、我々警察の管轄ではありません。我々が取り扱うのは、あなたの行為が刑事罰に問われる犯罪であるという事実だけです。これから、偽計業務妨害および名誉毀損の容疑で、本格的な取り調べを開始します」

 その言葉は、私の人生という物語の、完全なゲームオーバーを告げるものだった。

 逃げ道はない。

 ネットの玉座は消滅し、現実のアパートにも戻れない。

 私を待っているのは、前科者という消えない烙印と、一生かかっても返せない莫大な借金、そして社会からの永遠の拒絶だけだ。

 私は机に突っ伏したまま、ただ嗚咽を漏らし続けた。

 取調室の蛍光灯の光が、剥き出しになった私の醜い肉体を、どこまでも容赦なく白く照らし出していた。

 あの窓のない取調室での絶望から、半年が経過していた。

 警察での過酷な取り調べを経て、私は名誉毀損および偽計業務妨害の容疑で書類送検された。初犯であることと、私が社会的・経済的に完全に破滅状態にあることが考慮されたのか、結果としては略式起訴による罰金刑で済んだ。

 しかし、刑事罰が確定したというその事実こそが、あの巨大な芸能事務所の弁護団が、私を民事裁判で完全にすり潰すための最強の武器となった。

 内容証明郵便、そして裁判所からの訴状。

 私には弁護士を雇う金はおろか、裁判所へ足を運ぶための交通費すら事欠く有様だったため、まともな反論すらできずに欠席裁判となり、事務所側の請求がほぼ全面的に認められた。

 損害賠償命令、総額八百万円。

 それが、私がネットの海で正義の神を気取り、他人の人生を無責任に燃やして遊んだ代償だった。

 悪意に基づく不法行為による損害賠償は、自己破産をしたところで免責されることはない。つまり私は、この先の人生において、稼いでも稼いでも、その大半をあの私が憎悪してやまない傲慢なアイドルたちの口座へと吸い上げられ続けるという、絶対的な奴隷契約を結ばされたのだ。

 二月下旬の、骨の髄まで凍りつくような冷たい雨が降る夜。

 私は、都心のオフィス街にある巨大な雑居ビルの裏口から、ゴミ袋を両手に提げて這い出してきた。

 スーパーも物流倉庫もクビになり、前科と莫大な借金を背負った三十代の女を雇ってくれるまともな職場など、この社会には存在しなかった。深夜のビル清掃。誰とも言葉を交わす必要がなく、ただ他人が汚したトイレや床を這いつくばって磨き続けるだけの、社会の最底辺の単純労働。

 それが、今の私の唯一の居場所だった。

「……はぁ、はぁ」

 息を吐くたびに、白い蒸気が雨に溶けていく。

 擦り切れたトレンチコートはとうの昔に質屋に入れたため、今の私は清掃会社のロゴが入った薄っぺらい防寒着を羽織っているだけだ。冷たい雨が容赦なく体温を奪っていく。

 ゴミ捨て場に重い袋を投げ入れ、私はふらつく足取りで駅へと向かった。

 深夜の繁華街は、冷たい雨の中でもネオンが毒々しく瞬き、傘を差した若者たちや酔客が行き交っていた。

 私は彼らの視界に入らないよう、建物の壁に張り付くようにして歩いた。誰かと目が合うのが恐ろしかった。すれ違うすべての人間が、私を八百万円の借金を背負った前科者の底辺女として見下し、嘲笑っているような気がしてならなかったのだ。

 駅前の大きな交差点で信号待ちをしている時だった。

 ふと、私の頭上から、鼓膜を震わせるような巨大な音楽と、黄色い歓声が降ってきた。

 顔を上げると、交差点のビルに設置された巨大な屋外ビジョンが、まばゆい極彩色の光を放っていた。

『NONEL、自身最大規模となる全国スタジアムツアー大成功! そして待望のニューシングル、本日リリース!』

 画面の中には、あの五人の男たちがいた。

 雨に打たれてずぶ濡れになりながら、私はその場に釘付けになった。

 センターで歌う緋月は、半年前のドーム公演の時よりもさらに洗練され、自信に満ち溢れ、まるで世界そのものを統べる王のように傲慢で美しい笑顔を振りまいていた。

 彼らの衣装はより豪華になり、背後のセットには莫大な資本が投下されているのが一目でわかった。

 彼らは、私が身を焦がして放ったあの業火など、まるで最初から存在しなかったかのように、あるいはそれをただの些細な通り雨だったとでも言うかのように、より高く、より眩い場所へと飛翔していたのだ。

 交差点ですれ違う若い女たちが、巨大ビジョンを見上げてキャアキャアと歓声を上げ、スマートフォンを一斉に掲げて写真を撮っている。

「緋月くん、マジで尊い……!」

「スタジアム、絶対全公演行く!」

 彼女たちの手には、数千円、数万円という金が、彼らへの供物として握りしめられているのだろう。そしてその金の一部は、あの憎き姉の高級寿司へと化けるのかもしれない。

 搾取のシステムは何も変わっていない。社会のバグも、不条理も、権力勾配も、何一つ是正されてなどいなかった。

 私という一個のノイズが、法律という暴力によって物理的に排除されただけで、この狂った世界は、一秒の狂いもなく完璧に回り続けていたのだ。

 私は、雨に濡れた自分のささくれ立った両手を見つめた。

 この手でキーボードを叩き、八万人の軍勢を動かし、社会を正しく導いていると信じていたあの全能感。

 それは一体、何だったのだろうか。

 ただの、惨めなルサンチマンの排泄行為だったのだ。

 現実で誰にも愛されず、誰にも認められない孤独な女が、暗い部屋の中で正義という名の安酒をあおり、泥酔して暴れていたに過ぎない。

 信号が青に変わり、人波がどっと前へ進み始めた。

 私は立ち尽くしたまま、行き交う人々に次々と肩をぶつけられた。

「ちょっと、邪魔なんだけど」

「チッ、なんだこの女」

 舌打ちと、冷ややかな視線。

 しかし、誰も私にそれ以上の関心を払うことはない。彼らにとって、私はただの道端の邪魔な石ころであり、一秒後には記憶から完全に消え去る無価値な存在だ。

 私は、ネットの海を漂うGhost In the Roomという幽霊だった。

 誰も私の素顔を知らず、安全な暗闇の中から、世界を俯瞰して石を投げている無敵の幽霊。

 だが、権力という光を浴びせられ、ネットの接続を断たれ、現実の世界に強制的に受肉させられた今、私は本当の意味で透明人間になってしまったのだ。

 どれだけ悲鳴を上げても、どれだけ社会の不条理を呪っても、私の声は誰の耳にも届かない。

 インターネットという拡声器を失った私は、この巨大な都市の片隅で、ただ借金を返すための機械として、静かにすり減って死んでいくだけの塵芥だ。

 私はふらつく足取りで歩き出し、ネオンの光が届かない、暗く冷たい路地裏へと吸い込まれていった。

 私の背後では、巨大ビジョンから流れるNONELの煌びやかなポップチューンと、彼女たちを消費する大衆の熱狂的な歓声が、いつまでも、いつまでもこの狂った世界を祝福するように鳴り響き続けていた。


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