攫われる
劇への乱入者
君塚と「初代平原国王と聖女ヤドヴィガ」の華やかな劇の観覧は確かに新倉とソビエト軍にとって君塚悠里誘拐の絶好のタイミングだった。
だが新倉は祭りの裏で先遣として出動させたスペツナズ部隊との通信が途絶した事から彼らが君塚の防諜部隊によって完全に撃破された事を悟り、激しい憤怒と共に増援部隊を自ら率いて劇場の中心へと強行突入する事を決めた。
戦力の逐次投入と言う軍事において悪手の中の悪手だったが、もし「君塚誘拐」という最終目標さえ達成出来れば後の犠牲は全てチャラになる。
そう判断した新倉は王都ズラトポルの潜伏アジトに残されていた兵力全ての緊急動員を命じた。
「同志諸君! これが最後の、そして最大の機会である!! もしこれを逃せば我らの世界革命は果たされず、あの近代の鋼鉄の大洪水に飲み込まれて消え去ってしまう。だがもし奴の首を獲るか捕縛出来れば全て状況は良くなる! そうだとも! 私達は泥沼の戦争を回避し、恒久的かつ普遍的な平和な世界をもたらす為にここに居るのだ!! 後一歩進もう!!!」
狂信的な演説を言い終わると同時にアジトの巨大な倉庫内で極秘裏に組み立てていたMi-24VハインドとMi-8ヒップが合計45機程ギフトにより作られたコンテナの中から出され、それらへと重武装のスペツナズ兵士達が素早く分乗するよう命令が出された。
これらのコンテナは新倉のギフトにより本国を経由せず『軍隊創造』で生み出された物であり、通常の国境警備や街道の検問ではこれらの物資の流入を止めることは平原の国には物理的に不可能だったのだ。
兵士達は整然と整列しながら武装の再点検を実施し作戦行動の準備を怠らない。
当の新倉本人も彼らと同じく防弾ベストやハーネスで武装している。しかし彼女がハインドの格納ハッチが開きそれぞれ搭乗しようとしたまさにその瞬間である。
銀色の閃光が轟音と共に一機のハインドを横から一閃し、鋼鉄の機体を真っ二つに両断した。
聖剣を手にし、それを倉庫のコンクリートの地面に突き立てながらその悪鬼達へ冷たい瞳で睥睨する銀髪に純白の司教服を身に纏った戦乙女。
摂政・君塚悠里の『元弟』にして平原の国のファンタジーチート対策枠である平原の国聖女教正教会総司教、君塚透その人である。
「っ! 思ってたより早かったじゃないか、平原の国・聖女教総司教!!」
「ごきげんよう、卑劣な犯罪者諸君。今日は祭囃子も聞こえる良き月見日和であるのにこの様な物騒な物を揃えて、しかもゴロツキどもも纏めてさ。兄さんに何か御用かな?」
「言わずともわかっているだろうに……。私達はこれから世界革命の為に、貴様の兄の悠里をお連れし、我らの崇高な賛同者に成っていただく! これなら、お許しくださるかね?」
「無理に決まってんだろ、ばーか。身の程弁えろよ、三下ヤクザ」
透が冷たく言い終わると同時にもう一振り、聖剣の剣圧が3機のヘリコプターのローターを易々と叩き切る。
物陰からスペツナズ部隊の猛烈なAKの十字砲火を浴びせられる透だったが、それらを大剣で弾き、いなし続け、瞬間移動の如き高速移動で接近した後、そのまま次々と肉片へと鏖殺していく。
彼女の美しい額には汗一つ無く、涼し気な顔で司教服や銀色の髪の毛を敵の返り血で赤く染め兄を手に掛けようとする狼藉者の首を容赦なく刈り取っていく透。
そして、その一方的に蹂躙されている赤軍兵士達は「新倉だけでもせめて飛び立たせよう」と必死の遅滞戦闘を行い残りのヘリコプター隊を飛ばせる為の決死の時間稼ぎに徹する。
「はぁぁっ!!この弾幕がウザったらしいことこの上ないなっ!! 兄さんの無感情でシステマチックな兵隊とは違って狂信的でうるさいし気持ち悪い!!!」
「同志書記長を逃がすんだ!! ここで死ねば革命の戦士として永遠に名を残せるぞ同志達よ!!」
「化け物め! これ以上近寄るんじゃねぇ!!」
「酷いな〜化け物なんて。どういう教育受けてれば、か弱い女の子にそんな暴言吐けるのかな〜、本気で傷付くよ」
次々と地上の兵士達を斬り捨てていくがその犠牲の隙を突き、新倉の兵士を乗せたヘリ部隊の一部は離陸し既に上空へと離れようとしていた。
ハインドの兵士達は「これで逃げ切れる」と安堵し新倉もあの銀髪の化け物からの攻撃に怯えなくても良いと思った。
だが新倉への攻撃網は終わっていなかった。
「申し訳ございませんが、これも我が主のためなので暫く地上に引っ張られてくださいませ」
「!? 同志書記長! 機体が何かに下から引っ張られて、まるで投げ縄をかけられた牛のように!!!」
「……おのれ、一体何重に備えているんだ全く!! 君塚悠里は一体どれ程我らへの備えを厳重にしていたのだ!?」
新倉が乗っていたMi-8のテイルローターの基部を暗闇から伸びた『つむぎの鋼鉄の糸で編まれたロープ』が蛇のように締め上げ、地上へと縫い留めて離さない。
「クソッ、バカ力め……! エンジン出力最大何だぞ!? メイド風情がどうやって――」
「もう良い。シモネンコ中尉、後は私に任せろ」
「書記長!? いかがされるのですか」
「こんな科学の敗北を意味するファンタジーチートに頼りたくはなかったが、やむを得ん」
パイロットが計器の警告音の中で絶望しながら叫んでいる中、新倉は大きなため息をついてそれから今まで使っていた旧式のカラシニコフを投げ捨てた。
その瞬間、彼女から余裕を含んだ微笑が完全に捨て去られ狂気と憎悪に包まれた目つきに変わる。
そして新倉はすぐさまハインドのハッチから身を乗り出し、つむぎの繋ぎ留めているロープに対抗しようとするが、透はその隙を見逃さず、剣をヘリコプターへ向けて跳躍の姿勢を取る。
「今です透様! あの狂女にとどめを刺してください!!」
「わかってる!! ありがとうつむぎちゃん!!」
だが底知れぬ「切り札」を切るのは新倉の方が先だった。
「起きろ、私の血肉よ。赤き火花を散らせ――『革命の炎これより燃ゆる(プラミャ・レヴォリューツィイ)』」
新倉がそう唱えた途端ズラトポル郊外であるその倉庫地区に闇の帳が濃厚に鉛のように重く降りていく感覚に透達は襲われた。
そして彼女の周囲の空間が歪み、亜空間に繋がるポータル伝いから『かつて新倉が殺し、吸収した無数の深紅の兵士達』が文字通り天から湧き出るように降りてきて空中で透やつむぎへ向けて一斉射撃を開始してくる。
「んなっ! 何処からこのバカみたいな兵力を持ってきた!?」
「透様!! くっ、新倉は何故これだけの異常な戦力を有していながら最初に打たなかったの!?」
「それよりつむぎちゃん、ロープ! ロープが集中砲火で撃たれているよ!!」
「ぐっ! ですが、そんな簡単に切らせはしません。この糸には防弾性能が極めて高い特殊繊維を組み込んでいるのですから!!」
ロープから透は飛び降りて、つむぎを庇う様に大剣を高速で回転させ、自らと彼女の身体を弾幕から覆う様にして守っていた。
「貴様らが呑気に龍の国であの神堂に抱かれて辱められている間にこちらは野ネズミの様に逃げ回っていたとでも? 馬鹿なことを。私も私なりに『自衛』していたのさ。まぁ、最も望んだ形ではなかったがね」
その手にいつの間にか握られた血濡れた禍々しい意匠のAK-47の銃身を握り締めながら新倉は侮蔑の視線を彼女達へ向けていた。
彼女は龍の国で神堂存命時に彼と直接対峙していた事が有った。
その際神堂のチートである「女性支配」のギフトで危うく屈伏させられそうに成ったが、その場でこのAK-47の姿を模したギフトで周囲の味方ごと全てを射殺しそのステータスで難を逃れて何とか逃げ延びた過去がある。
それ以来、彼女は「自立出来ない存在」、そして「強者に嬲られ辱められるような弱い女性」には、絶対の死という介錯しか与えないと心に誓っていた。
「苦汁を飲み干してこうやって世界の敵として孤立しても尚戦えるのは私が誰にも依存しない『自立した人間』だからさ! 貴様らの様な哀れで誰かの庇護に頼らなくては生きられない! そんな哀れな『女性らしい女性』!! それではダメだ!!! 私は違うから戦える!! これが力! これが自由!! これが平等の社会を目指す第一歩なのだよ! ふはははは! はっはっはっはっ!!」
「悪趣味な奴……。頼れる奴が一人もいない、哀れで痛々しいおばさんの強がりな戯言だと思えばムカッ腹も収まるけど。それはそれとして私の愛する兄さんを消すって言うなら……私、貴女をここで塵も残さず消すから」
「誰かに頼れる強さを知らない方に他者の生き方を決めつけられるのは無性に腹が立ちますね。私は君塚悠里の様な偉大な方が居りましたから、逃げたり頼れたり、そして心から守り帰る場所が出来た。貴女には帰る場所や愛してくれる人がいるのですか? 新倉さん」
「聞こえているぞ!! 私の出した兵士の銃口から直接反論を聞かせてやる!!」
図星を突かれた新倉はヘリコプターの中から怒りの咆哮を上げる。二人の戦乙女は次々と湧き出るゾンビ兵士達を血祭りにしながらテイルローターへ結び付けたロープへ必死にしがみついている。
だが降り注ぐ兵士達は自身の命を全く惜しまずロープへ火力を集中し、中にはロープの上に引っ掛かった者が居てそれらが上によじ登りナイフで直接切り裂こうとしている。
「私は私が正義であり、悪である! 私が決めた事が私の革命であり、解放であり、断罪なのだ!! 貴様らのような弱者に何がわかる! 何が理解出来るっ……!!」
「ぐっ……! 兵士が無限に降り注いで来るから倒して防ぎきらないといけないし、本当に面倒くさい……!」
「ああもう! 透様に守られているから良いもののっ!! あいつのゾンビ兵士がロープにどんどん纏わりついて!!」
だが、新倉の兵士達がロープを半分以上切り終えたその辺りで地上に墜落して奇跡的に生存していた赤軍の生身のスペツナズ兵士達が意識を取り戻して二人に猛攻撃を仕掛ける。
上空のゾンビ兵と地上のスペツナズの波状の大攻勢に耐えられず、つむぎの手からとうとうロープが滑り、離れてしまった。
「あっ! 申し訳ございません透様、ロープが!!」
「良いよっ! 私がバリアで何とかっ、きゃっ!! ううっ!!!」
地上から手榴弾を投げられて二人が爆風で身動きが取れない間にヘリコプターは出力を上げて高度を取る。
透がすかさず全方向に魔法障壁を展開して防いでいたが至近距離での衝撃までは完全に消し切れず、バリア内部の二人は蹌踉めいてしまった。
そして、新倉のヘリコプターは追撃不可能な高度になる程夜空へと離れてしまう。
「くっ、逃げられたか! 仕方ない、今は目の前の兵士達の処理が優先かな!!」
「申し訳ございません透様! 私がもっと力が有れば!!」
「今は良いよつむぎちゃん! 反省会はまだ先の話!! それより、美羽ちゃんたちは!?」
「問題ございません! もう既に市街地の防衛配置に着いているものかと!!」
「なら良かった! そろそろバリア解除するから、そしたら反撃に行くよ!!」
「かしこまりました!!」
「あのクソ女の置き土産は綺麗に片付けないとねっ」
バリアが解かれた瞬間に飛び出た二人は巧みな戦闘技術で次々と敵兵士達を殺害していく。
つむぎは咄嗟に出した金属製のワイヤーで敵を細かく切り刻んでコンテナごと兵士を大雑把に片付けながら血の道を切り開いて、そして大剣を振るいやすく成ったタイミングで透がそのエリアを広範囲の魔法と大剣で掃討していった。
次々と深紅の軍服に身を包んだ死骸――新倉のギフトにより取り込まれ、そして物言わぬ死んでいる兵士となった不気味な者達――を透は光の魔法で浄化しながら始末していった。
「何で新倉、こんなに強いチート能力有ったのにあの時神堂相手に負けたんだろっ! こんなの何でも有りじゃん!! あーもう、コイツらは不死の呪いかかってるっぽいし!!!」
「あの時は確か戦闘部門の下級妃複数名と上級妃の月白姉妹、そして強力な飛竜も数体が神堂によって動員されていました。やはりあの時はあちらの『物量』も少なく、たまたまあの男のチートと質が勝っていただけだと思われます」
「ぐっ、てか何で私もその時神堂の『剣』として拘束されて使われてた筈なのにつむぎちゃんそんなに詳しいのさ」
「私もあの時下級妃として従軍させられておりましたから! 洗脳状態でも敵の戦力は良く見ておりました!!」
「成る程ね! ……それにしてもこんなバケモノみたいな兵隊を兄さんの祭りの所へ向かわせる訳にはいかない……!!」
そんな中、王都周辺から飛び立ったヘリコプター隊を暗闇から静かに観察・補足している国内軍の一団が居た。
「こちらコウモリ1-6。確認した。どうやら君塚総司教の最初の防衛ラインは上空を突破された。これから我々『第2防衛ライン』で奴らを抑え込むぞ」
そう言い終えると国内軍防空隊の隊員は最新型の9K338『イグラ-S』携帯式防空ミサイルを構えて向かってくるMi-8とMi-24の編隊を赤外線シーカーの照準内に収める。
「ロック完了!」
「ロック完了! バックブラストに注意、後方から退避せよ!!」
速やかに後方にバックブラストが発生して危害が加わらない様に、他の隊員が離れる。
「発射!!」
シュゴォォォッ! という音と共に6本の白い航跡がヘリへと向けて飛んでいく。
だが、新倉側のパイロットも無能ではない。
即座にフレアを大量にばら撒いて対抗し、激しい回避機動を取る。
「ぐおわっ! ったく、どうして我々の進路が敵に完全に割れているんだ!? 誰も私を裏切っていないし平原の国のレーダー巡回も対策していた筈なのに!!」
「分かりませんが、奴、若しくは奴の防諜部隊が先読みしていたとしか……くそっ、回避ぃ!!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
「ご無礼して申し訳ございません同志!!」
乱高下でキャビン内がシェイクされながらも何とか新倉の乗るヘリコプターは直撃の回避に成功し、降下しながらフェスティバル会場へ向けて強引に進んでいく。
その間、2機程のハインドが本隊と分かれてミサイルを撃ってきたMANPADS部隊の潜むビルへ向かい、30mm機関砲とロケット弾による猛烈な制圧射撃を行った。
「くっ、ヘリに制圧射撃を受けている! 撤退だ、コウモリ1-6、撤退する!! すまない同志よ、撃墜できず、役に立てなかった」
「こちらHQ、了解。こちらから摂政閣下に直ちに直通で通達し避難していただく。そちらも死なないよう速やかに撤退しろ。役に立てなかったならせめて無駄な死人は出すな。国内軍では死者を無用に出す指揮官は不要だ」
「了解! 感謝する!! よし、全員さっさと撤退だ、荷物を纏めろ!!」
ハインドのロケット弾が撃ち込まれるより数秒早く部隊は屋上からロープでラペリング降下して脱出し素早く戦域から離脱して命拾いした。
ソビエト空軍のハインドは無人の建造物を粉砕し続けたが、結果的にMANPADS部隊を無力化し新倉を安全に通すという目標を達成した。
一方、フェスティバル会場。
「同志閣下。司令部から緊急連絡です。敵の防空網を突破したヘリ部隊がこちらへ急行しているそうです」
「まじか。なら仕方ない、祭りは終わりだ。……レーナ、殿下たちの護衛を任せられるか?」
「閣下だけをここに残せと? 嫌です。それでは私が護衛任務を放棄し、見捨てた事に成ります。それに……」
「それに……?」
「もしここで死ぬなら同志閣下だけを死なせるのでは無く、私が盾として死に同志閣下が生き残るのです。それが私の誇りです」
フェスティバル会場の喧騒の中で君塚はレーナと緊迫した会話をしていて劇を見ていたナディアやニケ、アナスタシアは突如の異常事態に困惑していたが、会話の内容の半分程から「敵の強襲」であることは彼女達もすぐに理解していた。
「分かった。なら二手に分けよう」
「同志閣下と私。そして同志ナディアとお嬢様方に分けられるおつもりで?」
「レーナ、流石だ。どうして分かった」
「ロシアの女をなめないでください。あなたのような傲慢で意地っ張りな男の考えなんて丸わかりなんですよ。それに、そんな男に守られるだけの情けない女ではあの過酷なソビエト時代では明日も得られませんから」
新倉の部隊が上空に到着してしまうよりも先に、フェスティバルの劇場を君塚等は後にした。
国内軍の戦闘機部隊は「市民への被害やパニック」を考慮して市街地上空での迎撃を回避しつつ、味方のヘリコプター部隊(Mi-28NMやMi-35M)、そしてランセット等の自爆ドローン部隊が急行して敵テロリストをピンポイントで撃破する為に送られている。
「ナディア、アナスタシア殿下とニケのことを任せられるかい?」
「お任せください閣下! 命に変えても必ずや安全圏までお護り果たします!!」
別れようとした時、ニケが君塚の袖を強く掴んで引き留める。
「ねぇ、待って! 悠里!!」
「ニケ……」
「……死なないでね。アンタを勝たせる為にアタシは担当官を辞めさせられたんだから。アンタには生きて勝つ責任があるんだからね!!」
「大丈夫さ、生きて帰れる。約束しよう」
「絶対、約束だからね! もし、もし守れなかったら……アタシ……アタシ……!!」
「同志閣下! 敵のローター音が迫ってます!!」
「すまないニケ、まだ俺は死ぬ気はないさ。だからまた屋敷で会おう!!」
ヘリの重低音のエンジン音が遠くの夜空から近づいてくると二手に分かれて走り逃げ始める。
ナディア達は市街地に潜んでいた国内軍の私服警備兵達に連れられて装甲護送車両へと向かい、君塚は懐からPL-15拳銃を抜き構えながら要人用極秘の地下脱出路へと向かう。
市街地はサイレンが鳴り響く中避難誘導が始まり、市民たちが兵士達の誘導により次々とシェルターへ避難させられている事を横目に新倉は上空のヘリコプターからサーチライトで地下道へと走る君塚の姿を見つけるとヘリのドアハッチを乱暴に開放させた。
「見つけたぞ君塚悠里!! ようやく直接お会い出来るとはなぁ!!!」
窓ガラスが割れん限りの大声で最大の標的である君塚を発見した事へ歓喜の狂声を上げ、持っていたAK-47の黒光りする銃口を君塚の背中へ向ける。
「俺は、お前のような狂人には会いたくなかったがな!!」
「同志閣下、伏せて!!」
君塚を庇おうとレーナがA-545アサルトライフルを構えようとしたその瞬間。
遠くで旋回していたハインドから放たれた80mm無誘導ロケット弾が君塚たちのすぐ近くに停まっていた車に命中し、大爆発を起こした。
その凄まじい爆風と閃光に吹き飛ばされ君塚とレーナの二人は地面に叩きつけられ無情にも意識を刈り取られた。
だが勝利への道のりは遠く




