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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第二章

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戦争と平和

ふとした他愛ない1日の始まり

朝、1日の始まりを示す陽の光が差し込み目が覚めると君塚は寝苦しさを感じた。

それもそのはずで以前はナディアが添い寝しているだけだったが今は桂木・雨宮両名も加わり、

右腕にはナディアのしなやかな肢体。

左腕には桂木つむぎの豊満な感触。

そして腹の上には小柄な雨宮美羽が猫のように丸くなって乗っている。

三人から漂う甘く華やかな香りに包まれて君塚は理性が揺らぎかけたものの彼女達の記憶について再確認してそれから彼女達の当てている胸を認識しないように努めた。

(……落ち着け、俺。彼女たちは俺の庇護下にある使用人だ。決して、断じて、『そういう関係』ではない!!)

君塚は必死に煩悩を振り払いつつ自分に言い聞かせ彼女たちのしっとりとした柔らかな感触を脳内からシャットアウトしようと試みる。

第三者から見れば美少女を侍らせたハーレム王そのものだが、君塚にとってこれは「福利厚生の暴走」でしかない。


確かに君塚を第三者から見たら周囲に自身を慕う巨乳の美少女を侍らせている眼福な光景かもしれないが、君塚はあくまで彼女達の庇護者にして雇用主であり、『そのような行為』は求めてはいなかったので3人を起こした。

「おい、皆起きてくれ。流石に重いし、暑いんだが」

声をかけたものの彼女たちは起きるどころかより一層密着してくる。

ナディアを退かそうとすれば「んぅ……」と艶めかしい声を上げて身をよじり、美羽を降ろそうとすれば顔を紅潮させてしがみつき、つむぎに至っては無言で抱き枕のように君塚の腕をホールドしてくる。


そんな幸せな朝を迎えた君塚は三人を何とかおこして女性陣をそれぞれの自室まで送り、服を着替えさせて料理の得意な桂木とその補助をする雨宮両名が作った手料理を朝食として全員で食べた。

手作りの温かい料理と、賑やかな食卓。

それらはかつて歪んだ家庭環境に流されて苦労した彼女達への君塚から贈れる最高のご褒美だった。


雨宮は最近目の周りの隈が無くなり眠気が無く成ったそうで、桂木は最近は主の好みを聞き取り合わせていこうと努力している。


その後制服に着替えた君塚はナディアを伴い司令部に向かって歩き桂木と雨宮は君塚のメイドとして彼の帰る場所を守り始めた。


君塚はそのまま司令部の自室に入ると早速大量の書類、そして報告書がやって来ている事にうんざりした。

「…仕方ないとはいえ、あれから今日だぞ。一週間でこの量に成るとか神堂とか言う奴は意外と暇だったのか?」

「そのようでございますね、閣下」

龍の国の軍事的挑発が頻発化しており王国軍も迎撃はしているものの戦列歩兵では敵転生者達の散発的な攻勢には対応出来ず、少なくとも1日に3箇所程国境沿いにある龍の国の難民キャンプが焼かれている状況で難民達を更に平原の国の王都ズラトポル寄りの地域に寄せて行くしか無かった。

そして一部の難民達は祖国への復帰運動を起こし始めていたため彼らに軍隊としての規律を叩き込む為に平原の国で軍事教練を開始して彼らを反政府軍として組織出来るように鍛え上げていった。


「しかしそれよりも面倒な事が起きているしな…なんだよこの『海軍追加』の通知は。海軍と言ってもオーサ級ミサイル艇12隻と改クリヴァク-I型フリゲート2隻、そしてキロ型潜水艦3隻までは良い、常識的な戦力だ。だがこのソヴレメンヌイ級駆逐艦1隻とタイフーン型原子力潜水艦1隻はなんだ?俺を過労死させる気か?何か一隻変なのが混ざっているせいで俺は明日から世界一危険な男の称号を神堂から剥奪しなきゃならんのか??しかもポイント勝手に消費されてるし」


世界最大の原子力潜水艦タイフーン級。

SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を20基も搭載可能な冷戦の悪夢そのものだ。

もしロシア連邦が君塚の存在を知れば間違い無く装備の譲渡を大統領が土下座しながら懇願してくるだろう。


「閣下…私にはあまり詳しくはわからないのですがそれ程まで厄介な代物なのでしょうか?」

「ああ、まぁ…よほど扱いをしくじらなければまぁ抑止力として最高の代物さ。多分」

「はぁ。多分でございますか」

ナディアに説明しても多分理解するのは厳しいだろうから取り敢えず誤魔化して置いたが、いきなり戦略面でプレゼンス爆上げ装備が来るとは想定外でありコストも重くポイントの収支が増えたのに増えたのに再びトントン状態だった。

ついでに艦隊の指揮・統率・運営に関しては君塚は完全にわからないので艦隊運営に詳しい提督が必要だった。


「…どうしよっか、またニケのお世話に成りそうだなこれ…」

【どしたん?辛そうだね話し聞こっか、うんうんそれは君塚っちが悪いんだよね??】

「しばくぞ」

ニケ担当官が来ました。二人の掛け合いはいつも通りしばくぞから始まりました。


【にゃばは☆いやー最近君塚っちのハーレム形成物語を見るのが好きでさ〜。で、将軍ガチャタイム?ならいつでも良いよ☆】

「そりゃそうだろ、一枚最近手に入ったしな。」

桂木・雨宮両名を撃破した際の報酬であり彼女達の願いを折った結果得られたチケットなのであまり君塚は快く思っていなかったものの背に腹は代えられないのでチケットを投入してレバーをガコンと言う重く鈍い音と共に引いた。


そしてピコーンと言う音と共に引いたのは─


『SSR提督 ニコライ・クズネツォフ提督』


「…また当たりか、なんと言うかその、あれだ。」

【うん、アタシも思うんだけどさ】

【「これ他の転生者ソ連系の将軍そこまで引いてねぇな(無いわね)?」】


「同志君塚殿!お会い出来て光栄です!!艦隊運営なら私にお任せください!」


クズネツォフ提督はえらくご機嫌な様子であった。


「あ、ああ私も同志クズネツォフ君に会えて光栄だよ。何せ今いきなり艦隊が出来てね、艦隊運営の出来る人材が必要なんだ」

「おお、ならお任せください同志!私も伊達に提督を勤めている訳では無いので大船に乗った気持ちでお任せください!!」


ご機嫌なクズネツォフ提督の為に艦隊用の軍港を建設し彼に艦隊戦力を全て預けて君塚はハイテンションに『フジツボ掃除』の任務に当てられるであろう提督の後ろ姿を見送った。


「確かに分かるが、もう一人の軍隊創造持ちはソ連系ならジューコフさえ抑えときゃ何とか成るとそう思ってんのかね。」

【まぁそうなんじゃね?有名な将軍様なんでしょ?】

「んまぁ、そうだな。取り敢えず有能な将軍だよ、間違い無い。だがそいつは日本人なら日本軍の名将達を呼んでるかもな、日本人で周りを固めて思想とか文化レベルで統一したいだろうし」

【そーかも】


そんな中ヤドヴィガは君塚を呼んだ。

ヤドヴィガが見過ごす事が出来ないとある事情が君塚には存在していた。

「君塚様、今日はお伝えしたいことがございます。」

「はい殿下、何なりと仰せくださいませ。この君塚が派兵されるべき場所をお伝えください。」


ヤドヴィガは首を横に振った、君塚はどうやら今日は何か別の用件が有るようだと思いそのまま沈黙した。


「君塚様。貴方はまだウサギ小屋のような手狭な官舎で寝泊まりされていると伺っておりますが、流石に摂政なのにこのまま見窄らしい家に住まわれるなら平原の国の品位を疑われかねません。私の方で既に用意しましたのでそちらへ転居してください」

「で、殿下…?しかし」「良いから引っ越してください。私の大切な人を、あんな狭い場所に住まわせる恥知らずな女と言う汚名を着せたいのですか?」

ヤドヴィガは君塚の発言を強く遮った。


「平原の国にはもっと良い邸宅はございますから、今なら借金苦で手放された家屋敷とか再開発で建設された新築の邸宅も君塚様なら選び放題では?それに今ならどうせ手狭に成ってるでしょうから。…しかもあんなふしだらな女たちと毎夜肌を寄せ合って住まわせるなんて!そんな淫らな行いなどこの女王たる私が許しません!!」

「…かしこまりました殿下。ならばこの君塚直ちに転居し陛下の摂政として恥じぬよう相応しい住まいを見つけます故暫しお待ちくださいませ。」

「ふふん、よろしくってよ」

ヤドヴィガはそれこそ人生で最も自慢げな表情を浮かべながら満足げに頷いた。


やむなく君塚は大所帯に成った事でやむなく転居せざるを得ず、ヤドヴィガにも催促されたので故アレクサンデルの所有していた邸宅を買い取りそこに住まう事にした。


「美羽!私はこっちの椅子とかソファーとか後は書類棚持ってくからそっちの机お友達に乗せて運んで!」

「う、うん分かったよつむぎちゃん。ええとこっちの机と後はえ~と取り敢えず沢山出して…あとはあのベッドは蜘蛛さん出して運ばないと…」

桂木と雨宮のメイドコンビがギフトを行使した巧みな連携により無事運び終えて壮大な引っ越しは1日で終わった。

二人は装いを下級妃特有の扇情的な服からヴィクトリアン様式の袖やスカートの裾が長いクラシカルなメイド服に着替えており彼女達の胸ポケットには君塚の顔が刺繍がされており二人の身分を表す証明に成っていた。


雇われた日に君塚に離宮の警備兵を殺した件で恨んでないか聞いた桂木は君塚に

「君達の立場なら俺もあんな事をしている。あのアホ王族達を解放しろってその崇拝していた神堂から指示が出たなら、下級妃という一兵卒の立場で歯向かうとか出来ねぇよ」

と理解を示した上で気にしていない事を伝えていた。


君塚はそこまで殺し合いには気に掛けておらず寧ろ人殺しをせず生き延びている転生者が居たら会いたいとさえ思う程殺す事への忌避感が今大会での足かせに成るであろうから不可能と思っていた。


所でメイドコンビの片割れである雨宮美羽は大型の魔獣は創造できないが小型なら多数創造し使役できる。

なので君塚は彼女に監視の為にネズミの魔獣をズラトポル中にばら撒くように指示した。


そして雨宮から報告を受ける君塚。

「ご主人様…その、ご主人様の考えていた通りでしたぁ。り、龍の国から刺客が来ていますぅ、私もよく知る下級妃の方々ですぅ」

「ご苦労さん雨宮。今度また何か欲しいものが有れば言ってくれ。すぐ用意するからさ、詳細はまた後で桂木と共に報告書を書いて出しておいてくれ」

「あ、ありがとうございます。それでは失礼します。」


慌ててお辞儀する雨宮に対して可愛らしさ君塚は一人になりコーヒーを飲んで独り言を呟いた。


「さて…ネズミ捕りの時間だ。都会のドブネズミどもに田舎のネズミの流儀を教えてやろう」

或いは嵐の前触れ

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