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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???  作者: 入舟三叉


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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???:66

 そうして、納品物のお披露目会をしていると、気付けば日はすっかりと暮れていて。

「あっ!もうこんな時間。晩御飯作らないとだし、僕は先に帰るね!」

最初は葵が紹介を始めたものの、途中からはほとんど夏帆が喋っていた。

本来は葵が喋るところなんだろうけど、モデルのこだわりポイントとか、こういう動きをすると危ないとか、差分の使い方とかだいたい全部夏帆が喋っていたし。

それでも、どちらかというと口下手な葵が無理して喋るよりは良いんだろうかと、来てもらえたのはありがたかった。

パタパタと帰り支度をしていくのをみんなで玄関まで見送っていくと。

「陽介くん。両手に花だね。大変なのはこれからなのかもねぇ。」

そう言って、爆弾だけ残して夏帆は去っていった。


 一人分減って、少しは圧迫感が減った部屋の中に戻っていくと、葵がまた説明を始めた。

とりあえず、今日はYoutube上での動作まで確認したいようで、次々とテスト配信に向けての設定が進んでいく。

私も手順や操作を覚えておかないとなと、その様子を真剣に見ているとコツコツと私の肩に絵里の腕が触れる。

気になって絵里の方を見ると、ニヤニヤと笑っていて、今まで見ていた画面の方を指差してくる。

それで、また画面に視線を移すのだが、しばらくするとまた肩に腕が触れてきて、そちらを見ると画面を見ろと指を差される。

もう、構って欲しいのかなんなのか。

そんなやり取りを何回かやっていると、用意は整ったようで遥が呼ばれてカメラの前に立った。


 「もう少し左。そう、そこです。画面を見ながら、映りを調整していただいて。」

葵が指示すると、遥は体を動かしながら位置を確認していく。

画面の中の遥がグルっと上体を回して、葵の方に手で丸を作ると葵が合図を出す。

「それではテスト配信をやりますので、スマホで送ったリンクを開いてください。リンクを知らない人は視聴できないので、声が入っても大丈夫ですよ。」

そう言うと、開始のボタンがクリックされ、テスト配信が始まっていく。


 待機中画面が表示され、かわいらしいアニメーションが流れたのだが、アニメーション?

短いループでグルグル回っているのだが、さっきの素材集の紹介でこんなのなかったような...。

葵がまた操作をすると、画面は大きく変わり、配信っぽい背景や枠が出てきて、中央に遥の姿が浮かび上がる。

そこまで行くと一段落ついたのか、葵がベッドに座っていた私の隣に腰を下ろす。

カメラの画角に入らないようにするためなのか、少し背を曲げてこちらに座る位置を寄せてくるのだが、狭いのもあって太もも同士が触れる。

もう少し端に寄った方が良いかと、逆方向に詰めようとすると今度は絵里の肩に触れる。

絵里が少しずれると、また葵が寄ってくる。

徐々にベッドの端に詰まっていったのだが、それ以上は進めないのか絵里が止まってくっついたままになると、逆側も密着して挟まれる格好になった。


 両手に花。

確かにそうなのだが、上に下にと違う高さを左右から圧迫されて、身体を斜めに傾けながら、手元のスマホの配信画面を眺めている。

これはどうしたらいいんだろうかと、右も左も向けずにただ画面を眺めていると、右から声が飛ぶ。

「遥さん。モーションと声は少しタイミングがズレるので、喋りながら体を動かしてみてください。」

遥がそれに答えて、音と動きが合うように試していると、今度は左から声が飛ぶ。

「いいじゃんいいじゃん。どこまで映るのかなぁ?カメラから外れるくらい、手を上げたりしてみてよ。」

次は画面の縁に手が届くような感じで、上に四隅にと左右に位置を変えながら腕を伸ばしていく。

「すごいですね。私の身体がほんとうに画面の中にあるみたい。」


 しばらく音声のモニタリングもしながら、あれこれとやっていると絵里が言った。

「前後はどのくらい行けるんだろう?アップで寄ったり、3Dだったら出来るんじゃないの?」

それに葵はあまり綺麗ではない笑い声を上げながら答える。

「ふふぅ。バッチリですよ。トラッキングが効くところまでは寄れますし、遠くはかなり行けます。」

私を挟んで会話をするので、少し首を引いたりしていると遥が答える。

「やってみましょうか。もう少し、こう...。」

遥が顔だけカメラの方に近づけていっていると、それは起こった。


 変な体勢を取ってしまったからか、前につんのめるようにこけそうになって、遥は目の前に腕を伸ばす。

だが、そこにはPCのディスプレイしかないわけで、手を付こうとすると画面に触れるしかないのだが。

その手は止まるわけでもすり抜けるわけでもなく、画面の中へと吸い込まれていった。

そして、画面の中では配信画面が押し倒されるように、斜めを向いている。

急いで手元の方を見ると、こちらでも同じように斜めになっていて、潰れたような枠の中には遥の後頭部が映っていた。

「遥、大丈夫!?落ちついて、ゆっくり体を戻して。配信画面は掴んだままで、そうそう、その辺で手を放して...。」

そうして、遥の手は無事にディスプレイから抜け、なんとか元に戻ると。

「すみません、バランスを崩してしまったみたいで。元の位置に戻したつもりなんですが、画面は大丈夫ですか?」

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