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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???  作者: 入舟三叉


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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???:47

 少し刺激的な出来事があったりしながらも、月日は流れて一月が過ぎた頃。

配信アプリの通知が、また一通届く。

"リワードのお知らせ"

先月、初めて巨額の報酬を得てびっくりしたが、その後はどうなのだろうか。

バズって数日は高額の投げ銭が飛び交っていたが、しばらくすると落ち着いていたような気もする。

それでいて、視聴者数も右肩上がりに増えていったし、スターが飛ぶ回数も増えてはいたので、恐る恐る期待をしながらその通知を開けていく。



"今月のリワード:1,799,021ポイント"



約180万円。

先月の数字も驚いたが、その倍以上に増えていた。

遥は自分では使えないし、世話になっているからと収益は好きに使ってくれと言ってくれていたが、ほとんど手つかずのままだった。

自分の金ではない気がしていたし、せいぜい5万円くらいならちょっと贅沢しようかとも思うが、100万円使えと言われても何も思い浮かばない。


 何か遥のためになるものを買おうかとも思ったが、日頃遥が要求してくるものなんて、コンビニで買えるお菓子や飲み物くらいで、それも結局口にするのは私だった。

一人で悩んでいても良い案はなかったので、遥に直接聞いてみても、それもそれであまり解決にはならず。


「えっ?私が欲しいものですか?そうですねぇ、絵里みたいにコスメとか服とかは嬉しいですけど、私は使ったり着たりできませんし。」


そんな感じで遥は遥で欲がなく、溜まっていく大金を持て余していた。


 そこから数日後、私は先輩に相談することにした。

その前に店長や田辺さんにもそれとなく、お金があったら欲しいものを聞いたりしていたのだが、あまり役に立たず。

詳しい事情を話せないのも原因ではあるが、釣り具が欲しいとか、滞納している家賃を払いたいだとか、そういう答えを欲しかったわけではなくて。

大金を持っていることを知られると、店長は辞めないか心配するだろうし、田辺さんは貸してくれと言いそうだったので、聞かれないようにバイト帰りに先輩を誘って近くの居酒屋へと来ていた。


 店へ入って乾杯をして、簡単なつまみが運ばれてくると、さっそく話を切り出した。

「配信で入った収益で、遥のために何か買いたいんですけど、良いものが思いつかなくて。先輩だったら何を買います?」

それを聞いた先輩は笑って返した。

「なんだろうなぁ?俺も幽霊の知り合いなんて他にいないからな。」

いたらびっくりするが、そんな話をしても頭がおかしいと思われるだけで。

その頭がおかしい現状に悩んでいると、先輩はスマホを弄って何かを探し出した。

しばらくすると、私に画面を見せてきた。

「これなんて良いんじゃないか?今使ってるiPadは中古で買った安物なんだろ?」

画面には最新のiPad Proが映っていた。

確かにこれは良いかもしれない。

高価ではあるが今なら余裕で買えるし、数少ない遥が使えるものなのに、なぜ今まで思いつかなかったんだろうか。

「ありがとうございます!先輩に相談してよかった。遥もきっと喜んでくれるはず。」


 感謝を伝えていると、先輩はまたスマホで何かを探し出す。

他に何があるんだろうかと、その様子を眺めていると、先ほどと同じように画面を見せてきた。

「こういうのはどうよ?」

先輩が見せた画面にはサングラス?が映っていた。

横に書かれた、説明文を読んでいくと。

「AIグラス?」

さっきのiPadとは違って、これは遥は使えないと思うのだが、どういうことなのだろうか?

よくわからずに首を傾げていると、先輩が説明してくれた。

「どこにいるのかカメラを通さないとわからないだろ?でも、これがあれば手にスマホ持たなくても、普通にそこにいるように見えるんじゃないか?」

なるほど!

これはこれで、遥との暮らしが便利になりそうだった。

家の中だとあまり困らなくなってきてはいたが、たまにいっしょに外出する時なんかはスマホ片手にキョロキョロするしかなくて。

不審者のようで人目が気になっていたのだが、これなら自然だし楽になる。

「さすが先輩!でも、どうして思いついたんですか?自分でもいろいろ考えてたけど思いつかなかったのに。」

先輩はその問いに、何かを思い出しながら答えた。

「たぶん、陽介が慣れてきちゃったんじゃないか?あるものでそれなりに出来るから、不便に感じてなかったんだろ。そういうのは外から見た方が気づくもんだよ。」


 改めて感謝を伝え、そろそろ店を出ようかと伝票を掴む。

会計に行こうとすると、先輩は千円札を何枚か差し出してきた。

「誘ったのは自分だし、余裕はあるんで今日は奢りますよ。」

私はそれを断ろうとしたが、先輩はそのまま紙幣を押し付けてくる。

「いいから受け取れって。先輩面くらいはさせてくれよ。」

こういう時の先輩は引かない。

押し問答をしてもしょうがないので、支払いの半分よりは多いそれを受け取り、私は言った。

「そのうち、他でお礼はさせてもらいますからね?」

その言葉に先輩は笑って返す。

「そうだな、楽しみに待ってるよ。」

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