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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???  作者: 入舟三叉


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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???:31

 先輩と別れて、少し涼しくなってきた夜道を歩いて帰って、家のドアを開ける。

「おかえりなさい、陽介さん。今日は遅かったけど、大丈夫ですか?」

私が声を掛ける前に、遥の声が聞こえてきた。

「ただいま。先輩と仕事帰りにちょっと飲んできただけだから、大丈夫だよ。」

そう返すと、遥は「むぅ」と少し唸って言う。

「それなら良いんですけど、心配になるので遅くなる時は先に連絡しておいてほしいです。」

まぁ、家で待っている家族のようなものなので、確かに連絡はしておいた方が良いかもしれない。

最近はSiriを使ってメッセージを送ることもできるようになったし、連絡は取れるようにしておいた方が良いだろう。

「ごめん、遥。それじゃ、メッセージ送れるように連絡先入れておこうか。」


 そこまで話して違和感を覚えた。

そういえば、遥は絵里と連絡先を交換して、メッセージを送り合っていたような...。

自分のスマホを片手に、遥用のiPadを操作していく。

送ったメッセージから、連絡先を登録しようとアプリを開くと既に大量のメッセージが。


遥:絵里!絵里!陽介さんが帰ってこないんだけど、いっしょにいる?

絵里:先に帰ったからわかんないけど、どうしたの?

遥:いつもだったら、このくらいの時間には帰ってくるんですけど、今日はまだ帰ってこなくて。

絵里:店長か浜野さんと飲みにでも行ってるんじゃない?

遥:そうなんですか?でも、家を出る時はそんなこと言ってなかったし。

絵里:たまに誘われて飲みに行ってるみたいだし、歩いて帰れる距離だから、そのうち帰ってくるでしょ。

遥:でも、もしかしたら交通事故に遭ってたり、何かあって家に帰ってこれないのかも。

絵里:心配しすぎでしょ遥(笑)

遥:絵里から陽介さんに連絡を取れないんですか?無事なことだけでもわかれば。

絵里:小柳さんの連絡先知らないからなぁ。店の電話は入れてるけど、他の人も連絡先知らないし。

遥:なんでですか!絵里は陽介さんがどうなってもいいんですか!?

絵里:いや、そういう話じゃないじゃん(笑)でも、小柳さんとも今度連絡先交換しとこうかな。遥に会うにも、いきなり来ても小柳さん困るだろうし。

遥:えっ!?また来てくれるんですか?

絵里:うん。この前は急だったから、何にも持ってきてなかったけど、次はお泊りセット持ってくるよ(笑)

遥:本当ですか!?楽しみです!いつ来てくれるんですか?

絵里:どうしようかなぁ。バイト帰りに行けるからいつでも良いんだけど、次の日が休みの時かな?


 自分が知らない裏で、何やら話が勝手に進んでいた。

連絡先交換?お泊り?また来るの...?

それに、心配してたはずなのに、いつの間にか話が変わっていってるし。

とりあえず、見なかったことにしてメッセージアプリに自分の連絡先を登録し、互いに送受信できることを確認する。

「できたよ遥。次からは遅くなる時は連絡するね。」

そう伝えると、さっそく遥はSiriに呼びかける。

「Hey Siri。陽介さんにメッセージを送って。」

"はい。内容をお願いします。"

電子音声が答えると、遥は続けて言う。

「忘れちゃダメですよ。って送って。」

"メッセージを送信しました。"

その声がするのとほとんど同時に自分のスマホが鳴る。


遥:忘れちゃダメですよ。


目の前に居るんだから、別にメッセージで送らなくてもいいだろうに。

スマホの通知に苦笑していると、遥はその様子を見て。

「笑いごとじゃないんですよ?遅くなる時は、連絡するのを忘れたらダメですからね?」


 実家を出てからは、こんなやり取りもなくなったなと、少し母の顔が懐かしくなる。

しばらく帰省してなかったし、たまには家族の顔を見に帰るのも悪くないかもしれない。

そんなことを考えていると、最近の日常に引き戻された。

「陽介さん、もう二時ですよ?そろそろ配信始めないと、連続配信切れちゃいますし、寝るの遅くなっちゃいますよ?」

遥にそう言われ、配信の準備を手早く進める。

遥が自分で配信の操作ができれば良いのだが、そう都合よくはいかず、どうしても複雑な操作は人の手を借りないといけなかった。


 ポチポチと画面を押していき、あとは配信開始のボタンを押すだけ。

「遥、準備はいい?」

声を掛けると、ディスプレイに映った遥が親指を立てる。

そうして今夜も遥の配信が始まっていった。

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