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うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???  作者: 入舟三叉


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18/30

うちに住み着いた幽霊が、人気配信者になってチャンネル登録者100万人???:18

 夜もすっかり更けきった午前二時。

昨日と同じように、配信の設定をしていき、後は配信開始のボタンを押すだけ。

「遥、準備はいい?」

そう問いかけると、遥はニッコリ笑い、親指を立てて答えた。


 配信画面を点けると、間もなくチャットが動く。


システム:甘音 マカロン さんが入室しました。


「あっ、甘音さんいらっしゃいませ!」


甘音 マカロン:お邪魔します(笑)ヒカリちゃんが配信始めるの待ってたよ。自分の配信しながら、そっちの方が気になっちゃってた(笑)


「ありがとうございます。私にとっては、甘音さんは先輩というか先生というか。来ていただけるだけでもありがたいです。」


システム:甘音 マカロン さんがハートを贈りました


「えっと、甘音さんハートありがとうございます。」


甘音 マカロン:そうそう。ちゃんと覚えてたね(笑)えらいえらい。


「えへへ。ありがとうございます。それで、気になってたんですが、連続配信って、どういう意味なんですか?」


甘音 マカロン:一時間以上配信する日が続くとポイント貰えるんだよ。ちょっとしか貰えないんだけど、長く続けてれば最低換金額くらいにはなるから、ログインボーナスみたいな?


「そうなんですね。甘音先生、勉強になります。」


 そんな感じで、遥は自然に質問をして、甘音さんは丁寧に教えてくれる。

マニュアルやQAには一通り目を通したが、実際にやってる人に聞くのがわかりやすい。

せっかくなので、もっといろいろ聞くように、キーボードを叩いて遥に指示を出した。


「左上に出てる数字って何なんですか?たまにちょっと増えますけど。」


甘音 マカロン:あー、それね。見に来てる人数とか、ハートとかで増えるやつ。月間のポイント数でランクが決まって、還元率が変わるのよ。


「ランク?還元率?何か貰えたりするんですか?」


甘音 マカロン:良い質問だね、ヒカリくん(笑)さっきの連続配信のポイントとか、ギフト送ってもらったらポイントが溜まっていくんだけど、ランクによっていくらに換えられるかが変わるのよ。


甘音 マカロン:さっき、私の配信に来てくれてたカグラさんはAランクだから、ポイントを換金する時に7割くらいになるんだけど、私やヒカリさんみたいなDランクだと3割くらいにしかならないのよ。


甘音 マカロン:とにかく頑張って、たくさん見に来てもらって、ギフト送って貰ったらお金稼げるってこと。まともな金額貰えるのは一握りだけどね。


「配信しててお金貰えるんですか!?すごいですね!」


甘音 マカロン:まぁ、私くらいだと一ヶ月毎日配信しても千円にもならないんだけどね。ギガスターとか飛ばないと、まとまったポイント溜まらないし。


「ギガスター?それが貰えたら、ポイントもたくさん貰えるんですか?」


遥がそう聞くと、画面上に小さい星がキラキラと飛んでいった。


システム:甘音 マカロン さんがプチスターを贈りました。


「わぁ!きれい!これがスター?さっきのギガスターの小さいものですか?」


甘音 マカロン:良い反応ありがとう(笑)これは、プチだから1ポイントね。いろいろあるんだけど、一番大きいのがギガスターで3万ポイント。


「そうなんですね。どうやったらスターを贈れるんですか?」


甘音 マカロン:左下のギフトボタンから選んで送れるよ。プチとかミニくらいだったら、無料で貰えるポイントで送れるけど、ギガとか送る人はガッツリ課金してだねぇ。


 なるほど。

遥と甘音さんの会話を聞いていて、私もだんだん仕組みが理解できてきた。

スパチャやサブスクみたいに視聴者に課金してもらって、その還元率が視聴者数などのランクで変わると。

そんなことを考えていると、遥と甘音さんの会話が進んでいく。


甘音 マカロン:だから、大きいスター投げてくれる人にはしっかり感謝しないといけないのよ。安くはないお金を払って、応援してくれてるってことだから。


「そうなんですね...。私がそんなに想ってもらえるかはわからないけど、頑張らないといけないですね。」


甘音 マカロン:私はギガスター貰ったことないんだけどね(笑)でも、誕生日とか一周年とかで大きいのくれる人もいるし、頑張んないとね!


 甘音さんすごく良い人だなぁ、なんて思いながら聞いていると、ふとチャット欄が動く。


システム:群馬からの入国者 さんが入室しました。


それに気づいた遥の目は輝き、握った手がブンブンと動き出す。


「こんばんは!黄泉乃 ヒカリです!見に来てくださって、ありがとうございます!」

そう、元気よく遥が挨拶をすると、静かにコメントが返ってきた。


群馬からの入国者:ごめんなさい。ポイ活なのでお構いなく。


遥が頭の上にハテナマークを並べていると、甘音さんが説明してくれた。


甘音 マカロン:最近始めたからわかんないよね。一定時間、いろんな人の配信見たらポイント貰えるのよ。10分くらいしたらいなくなるから、あんまり気にしなくていいよ。


「そうだったんですね!それでも、たくさんの中から選んで来てくださって、とても嬉しいです。」


そうして、いくらか遥が甘音さんに教えてもらっているやり取りが続いていると、流れが変わる。


群馬からの入国者:ポイ活で来たんですけど、めっちゃ良いですね。フォローしときます。


システム:群馬からの入国者 さんがフォローしました。


「フォロー?ありがとうございます!...?」


遥がよく分からないのか、あやふやな返事をしていると、甘音さんのチャットが入る。


甘音 マカロン:フォローは、次に見に来やすくなるようにブックマークしておくってことだよ。最推しかは別として、ファンにはなってくれたってこと。まぁ、うちのヒカリは他のヤツにはあげないけどね(笑)


群馬からの入国者:www


群馬からの入国者:手厳しいですねw甘音さんには目を付けられないように、そのうち見に来ますね。


システム:群馬からの入国者 さんが退室しました。


言い終わると、新たな視聴者はスッと消えていった。

2だった視聴者数がまた1に戻る。


甘音 マカロン:私もそろそろ落ちるね~。配信時間も一時間超えてて、継続取れてるから無理しないようにね~。


「ありがとうございます甘音さん。今日もいろいろ教えていただきありがとうございました。」


甘音 マカロン:こちらこそありがと~。またね~。


システム:甘音 マカロン さんが退室しました。


 パタパタと人がいなくなり、視聴者数はゼロになっていた。

"そろそろ終わりにする?"

私がディスプレイに文字を打ち込むと、遥はコクンと頷いた。

配信停止のボタンを押して、アプリのトップ画面が表示されると、気になっていたことがあったので、プロフィールのボタンを押した。


フォロワー:3


その表示を押すと、三つの名前が並んでいた。


甘音 マカロン

天才アーティスト

群馬からの入国者


配信中ではなかったが、甘音さんと先輩がフォローしてくれていた。

私と遥の二人で始めたつもりだったが、支えてくれて、応援してくれる人がいる。

「遥。嬉しいね。俺たちは一人じゃないんだなって。」

私がそう言うと、遥は静かに。

だが、力強く答えた。


「はい。嬉しいです。でも、一人じゃなくて、二人ですよ。」

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