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戦後処理2(ギルド)

テンプレなんて知らないわ〜。


「なんで、、俺がこんな事に、、、」


涙をこらえながら暗い路地裏でうずくまる少年。

城から追い出され、民からは石やゴミを投げつけられ、前なら楽に払っていた輩達から暴力を振るわれ、そしてからがら逃げ切った時には無一文。

泥やゴミだらけになった服を毛布がわりにして雨が降り注ぐ夜をしのごうとする。

握りしめた拳、少し前なら今頃ふかふかのベッドで寝ていたはずなのに。

自分の今の情けなさと弱さにとうとうダムが決壊する。

溢れ出る涙。

その瞳の奥には深い怨嗟と後悔、怒りが詰まっていた。


ーーースベテハアイツノセイダーーー


その様子を上空から覗く一つの影。

黒いとんがり帽子。黒いマントで身体を隠しているからだろうか、性別がわからない。

それは男とも女とも言えない声で


「クゥフフフ。面白くなってきました。これが『偽善者』の成れの果てですか。これからが楽しみです。」


と呟いて闇夜に紛れ、消えていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


Hi, My name is yukichi


どうもユキチさんです。

今私はとても忙しいのです。

朝っぱらからギルドからの指名依頼でSランク級。超巨大な頭に王冠の様な飾りがあることが特徴のカマキリ『エンプレスマンティス』を倒しに行っているのだから。


何が悲しくてこの島の岸辺まで飛んで行かなきゃならないんだよ。と悪態を吐く。

この島は大体ひし形の形をしているのだ。そこにウロボロスとインドラが互いに半分づつ領土を持ち、いがみ合っているわけだ。左にウロボロス、右にインドラ、となっていて上の方に『魔の大陸』と呼ばれている地がある。

曰くリーチが出現したのもここだったりする。

魔族達が生息していてこちらとはとても高い、、、高すぎる山を挟んで平和を保っている。しかもその山も馬鹿みたいに続いていてぐるっと囲んでいる形になっている。さらに山が構成されている物質の主成分が人類には掘削できないレベルで硬い。

いや、私とかならできないことはないけど貫通までに何年掛かることやら。


ととと、話は終わりにして、そろそろ着きそうだ。

私の眼前には木一本が8mほどとしても20mは軽く超える巨体のカマキリが森の中で暴れていた。


情報と全くあってないやないかい。


と愚痴る。

情報によれば体長は10mほどだったはずなんだけどなあ。

と《詳細鑑定》を使う。


ハイ・エンプレス・マンティス

lv268

HP800000

MP60000


ん?

おいおい、何があったんだとうろたえてしまう。

進化したにしてはレベルが高すぎるし、目撃情報とも差がありすぎることから何かおかしい、と腕を組む。

うんうんとしばらく唸ってみたがさっぱりだ。

後でルナさんになんとかしてもらおう。と決めてさっさと討伐に入る。


「《龍人化》《TS》《創造魔法:ハンプティダンプティ・階段から落ちた・ハンプティダンプティ・動かない・ハンプティダンプティ・みんなで必死に直そうと・ハンプティは・戻らない。: 詠唱、万物ヲ壊ス(みんなこわれちゃえ)!》》」


相手から距離が結構あるため気づかれてはいないだろうと大規模魔法を使う。

長い詠唱の末、膨大な光を発して発動する。

瞬間、ピシリとガラスにヒビが入った時の様な音がする。


成功を確認した私はさっさと回収へと向かうため、翼を広げ加速する。

と、カマキリから2mほどの大きさの頭部が首の関節と離れ、ずるりと滑り落ちる。

ズドン!と大きな音を立てて頭が落ちた。


しかし以前身体は鎌を振り回している。

これでは近づけないなあ、と思案する。

流石に頭落としたんだししばらくすれば死ぬだろうと勝手に決めつける。

そして素早くランダムに襲いかかってくる鎌をすり抜けて落ちた頭部に駆け寄り、抱えて飛び立つ。


背後では以前木がなぎ倒されたりしているが気にしない気にしない。

達成感と大量にMPを消費した疲労感に苛まれながらギルドへと討伐部位の頭を届けに向かった。




「はい、、、、確認が取れました。依頼、ありがとうございました。こちらが報酬になります。」


頭をギルドの受付に叩きつけて確認班に確認を取らせる。その後受付嬢さんがジャラジャラと音を立てながら袋をテーブルの上に積み上げていく。

周りの冒険者達から羨望の視線が浴びせられる。

ふふん、悪くはないな。と若干得意げになる見た目幼女。


約束通りの報酬。白金貨20枚を受け取ってさっさとギルドを出る。

いや、出ようとした。が正しいかな?

外へ行こうとした私の前にスキンヘッドに刺青をした大男とモヒカン野郎と細長い野郎が立ちはだかった。

どこの世紀末だよ、と言わんばかりの服装と装備。

そんな奴らが話しかけてきた。


「嬢ちゃん。貧乏な俺らに少しそれを分けてくれよ。」


と袋を指しつつニヤニヤと。

お付きの二人も私が沈黙しているからか舐めた態度をとる。


「悪いことは言わねぇから。さっさとしな!」


「ボスぅ、こいつ、ビビっちまっていますゼェ。」


しかし頑なに動こうとしない私に痺れを切らしたのかボスと呼ばれた男の腕が袋に伸びていく。


「なんだ?何も言わねぇならもらっちまうぞ?」


そしてその指が袋に触れた瞬間。


プシュッ


ポトリと床に小さな何かが落ちた。

呆けていた男が突然叫び出す。


「お、俺の指がァ!」


「どうしたんですかい!ボス!」


付きの男が突然の事に慌てながらも状況を把握しようとしている。

その中、男がぼたぼたと血を垂らす手を庇いこちらを睨む。


「て、テメェ!何しやがった!」


しかし、その声にも反応せずに男が動いた事で空いた隙間から外へぬらりと出て行く。

その態度についに怒ったのか腰にかけてあった斧を抜き出して私に振り下ろす。


「こんの、ガキがぁぁぁぁ!」


直撃した。と見ていた誰もが思った瞬間。大男に異変が起きる。

突然武器を放り出し腹を抱えてうずくまる。少しだけ見えた男の表情は口を魚の様にパクパクとさせて瞳孔が完全に開ききっていた。

お付きの人が突然の様子にまたもや駆け寄り必死に声をかけて大丈夫か確認するも一切返事がなく。

やがて男が気を失ったのかフッと力が抜けて崩れ落ちる。


その様子をバックに指先だけを《龍人化》で強化させたユキチがスタスタと立ち去った。


後にこれを元に『ルナちゃんとユキチとやらには手を出すな』やら『ルナちゃんカッコいい』やら噂がさらに増えるのだが、また別の話である。







世紀末野郎どもはヒャッハーしてて欲しかった。

ハイ・エンプレス・マンティス、S+に該当する突然変異種。森で他の生物を狩っていたところ、第三者の影響で突然変異を起こした模様。

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