一転攻勢(絶望)
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ご容赦頂ければ幸いです。
「《クローン×100》!」
キョウスケがまたクローンを大量に展開してくる。
むう、正直面倒だ。まあ、ステータスは劣化版だし楽に捌けるだろう。
「キヒッ!《大地魔法:アーススパイク》!」
お、魔法を使う余裕まで出て来たか、さすがは私と言ったところだろう。
「なんじゃ、お主、自画自賛など悲しいのう。」
隣でルナがプププと笑ってくるが無視しておこう。
流石にウザすぎて直視したくない。
地面から大量の巨大な土の棘が私の周りを囲む様に突き出してくる。
それに突っ込んで行くクローンたち。
「うわっ!?」
ザシュ
「ちっ!1号、、、うわぁ!!」
ザシュ
「くそっ!切っても切っても生えて来やが、、、グハァっ!」
ドシュッ
「ちっ、100程度じゃやっぱり足止めにしか出来ないか、、、どうする。」
キョウスケが何かボソボソと顎に手を当てながら考え込んでいる。
戦いの最中にそれはダメだろう。
私だってそれを見て突っ込んでいったじゃないか。
「キシッ!!」
凄まじい速度で針の間から私が飛び出して行く。
そのすぐ先はキョウスケが、、、
「オラッ!」
ドゴッ
とか思ったら横からキョウスケが飛び蹴りを横腹に当ててくる。
無防備なところに強烈な一撃が入る。が、《凶戦士化》のお陰で跳ね上がった筋力値と体力値によってダメージは軽減される。
「アギィッ!?」
私が地面をゴロゴロと転がっていく。おお、流石に考えているね。
地面にうつ伏せになっていた私がよろよろと立ち上がる。流石に今のは軽減したとはいえダメージは大きいのだろう。見るからに辛そうだ。
「まだまだ耐えきるか、、今のは結構いい一撃だったんだが、、」
キョウスケが自分の膝を見る。
まるで鋼鉄でも生身で蹴ったかの様に腫れていた。
まだ痛みが引かないため移動に支障をきたすことは間違いないだろうと判断する。
と、そこで考えている振りをしていたクローンに労いの言葉をかけて、あの方法を使う。
「《クローン×100》、やれ!」
100体のみを作り出し、命令する。すると、
『《クローン×100》!』
100が10000になる。
それは皆同じ顔の軍団という奇妙な光景だった。
それを見て、キョウスケは軽く頷くと、指示を出す。
「ユキチに対して総攻撃!手加減は一切なしだ!すまんが。行ってくれ!」
『おう!』
一斉に返事を返していく。
そして突撃を実行する。
10000にも及ぶ軍団が弱っているユキチに対して殺到していく。
「くらえ!」
先頭の1人が剣を振りかぶり、俯いているユキチに容赦なく叩きつける。が
「キシッ!!」
バキッ
「う、うわああああああああ!!」
ユキチがガバッと顔を起き上がらせ、剣を持っている腕を掴み、砕いた。
すぐに手を離す。地面でうずくまるクローンを見ながら
生々しい音と感触を思い出し、少し笑顔を深めながら血の様に赤い眼で後続を見る。
その間にも囲んで来たクローンが攻撃を仕掛けてくるが、全て
「くらえ!」
バキュッ
頭蓋骨を片手で砕かれ沈黙したり
「みんなの仇!」
グチュァ
もう片手で反対から来たクローンの腹を貫通させる。
「お、、、おっ、、おぇえぇえ」
びしゃびしゃびしゃ
血混じりの吐瀉物が飛び散るが気にしないで本体に向かってどんどん進んでいく。
その顔は、血まみれの手を握ったりして確かめながらも恍惚に染まった艶かしい笑顔だった。
それに恐怖を感じて足を止めてしまうクローン達。
しかしそれがいけなかったのだろう。
「《創造魔法:無限の宝庫》」
頭上に巨大な魔法陣が展開される。直径300mは超えるレベルの大きなものだ。
やばいなあ、、あれは、、
同じ《創造魔法》使いとしてわかってしまう魔法の内容。
それを見て流石の私も冷や汗を垂らした。
「な、、なんだ、、あれは、、」
魔法陣から大量の金銀で出来た宝が降ってくる。
そして、真下の目標が潰される。
どんどん落ちてくるそれは唯一ユキチの周辺を除いて全ての範囲にランダムで落ちてくる。
圧倒的大質量のそれの前にクローン達は成すすべがなかった。
グシャッ
ゴスッ
バキィッ
メリッ
肉塊になったものもいれば顔の一部が陥没して鼻や耳から血を吹き出している者。
巨大な金の柱によって下敷きになって潰れた者。王座や金の装飾、銀の置物。様々なものが高高度から降り注ぐ。
それは一種の神からの恵みであり、制裁でもあった。
範囲外にいた兵士たちも何人かが金銀につられて近寄ってくるが、入った瞬間にはすぐに肉塊や不気味なオブジェと成り下がっていく。
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
「くっ!」
クローンをさらに展開して降ってくるものに対して対象をしていくキョウスケ。その顔には焦りの色と疲労の色が見て取れた。
そして、その目の前に悪夢が到来する。
「キヒッ、キヒヒヒヒヒヒヒ、、、キシッ♪」
歩き、近づきながらユキチが笑う。それはここが地獄だというのを忘れてしまいそうなものだった。
それほどまでに艶やかで、可愛らしいく、吸い込まれそうな笑顔だったからだ。
しかし、その本来なら白色のはずの部分も真っ赤に染まっている眼を見て正気に戻る。
そして地獄が終わったことを知る。
「もう、降ってきて居ないのか?」
その独り言に対する答えは
「キヒッ♪」
眼を閉じてニパッと笑っただけだった。
薄ら寒いものを感じた俺は後ろにバックステップをしながら移動する。
すると、
「《【ここは天国はたまた地獄見ようによっては全てが、まぎれもない真実】》」
ユキチが突然歌い出した。
嫌な予感がしたため体制を変え、急いで距離を取り続ける。
そして5秒ほど経った時にそれは起こった。
「《【神の天啓】》」
美しく、透き通るような声が聞こえたと思った。
そのすぐ後に目の前が眩しく発光した。
思わず眼を閉じてしまった。
そして再びめをあけた時に目の前の光景を見て絶句した。
なぜなら
ユキチのいた半径500mの範囲の平原が、無毛の大地、砂漠とかしていたからだった。
しかも、クローンの死体やまだ生きていたクローン達も見当たらない。
そしてその中心には当人が笑いながら立ってこちらを見ていた。
俺はこの光景にただただ言葉を失って呆然とするだけだった。
圧倒的な力の差の前に
直径1kmが砂漠化とかまさに化けもんですね。
ちなみにリーチ君はこれ以上のことを行なっているからなお怖い。




