そして時は動き出す。
はい、回想終了。いつも通りに戻ります。
「それで、あとは敵兵っぽい人たちをなぎ払って来てみるとサン達の姿が見えたから咄嗟に助けたと言うわけだよ。」
私の目の前にいる大魔王、、リーチはそう締めくくった。
私はここで一言。
「長すぎんだよ。ヴォケが。」
なに!?なんで12話ぐらい使っちゃってんの!?作者の身にもなってみろよ!辛いだろう!!
突然の私らしくない言葉に若干周りが引いているが気にしない。気にしてはいけない。機嫌が悪そうな顔をしつつリーチを見る。
こいつ、背が高くなったとか言っているけどそもそも種族が変わったから種族ボーナスとかも入っているんじゃないか?魔力とか筋力とか聞く限りではそうとしか思えない。、、、ああ、、何と羨ましい。
「それで、これからリーチはどうするんだ?この帝国に住むのか?」
サンが尋ねる。疑問に思って居たのかな?サンの眼には仲間が増えたことによる期待が入っているように見える。
これに対しリーチは
「それなんだけどね。実際どうしようか迷っているんだけど、、どうすればいいかな?」
と私に顔を向けて問うてくる。いや、そんなこと言われましても、、、少し困ったような顔をして黙っておく。
暫しの沈黙に耐えれなくなったのかグラニスが答える。
「そ、、そうじゃ、資金は渡すしリーチにも冒険者になってもらうのはどうじゃ?あれなら別に種族とか関係ないじゃろ?、な?、、な?」
と何故か焦りながら早口で答えた。話を聞く限りリーチとは少々気まずい関係にあるようだし、面倒ごとになる前に返しておこうかな〜と思った時。
「そういえばグラニスさん?何で貴女は急に転移させたんですか?少しぐらい準備をさせてくれても良かったのではありませんか?」
と怖い笑顔でリーチがグラニスに尋ねて来た。あ、これ、少しキレてる感じかな〜。と思わせる喋り方もして居た。
「そ、、、それについてはの?少しサプライズというものをしたくてな?「誤魔化しは良いです。本音を?」は、、、はい。少しでも早く会えたら良いなぁ。という良心からやったのじゃが、、、まさか戦場のど真ん中になっているとは思っても居なかったのじゃよ。。。」
途中でリーチが遮った途端に『しゅん』となってトボトボと答えた。その様子に嘘をついている感じはしなかったため。本心なんだろう。というか、、リーチ、、、こぇええ。威圧が半端ないです。やばいよやばいよ。
「まぁ、そこらへんにしたらどうだ。グラニスも反省しているようだし。」
とオウガが締める。さすが元リーダー。一気に話をすり替えようとしている。リーチも切り替えたようでこちらに向き直る。
「それで、だ。俺たちには戦争に参加しているんだが。リーチは関係がない。ならばリーチはここで待機してもらっても良いか?」
オウガがそう切り出して来た。ちょっと、それはまずいよ。と思った。
本人に対してお前はまだ信用ならん、あと、関係が無いからこっちの事情に手を出すな。と言っているようなものだ。
これに対してリーチは。
「うん、別にいいよ。それで、少しこの町を見ていてもいいかい?」
あっさり流した、、、それも涼しそうな顔で。ふう。緊張させやがって。
サンも隣で少し疲れた顔をして居た。当然だわさ。
「あの、、、妾を送ってもらえんかの?」
グラニスがこっちを見てくる。流石に自力で帰れってのは酷だよね。仕方がないので送ってあげる。
「わかったよ。《無詠唱化:転移》」
光に包まれてグラニスが消える。これで良しっと。無詠唱化っていつもよりMPを多く使うし、威力もないけどすぐに詠唱が完了するのがいいところ。手早く、確実に。
「それで、戦争の件だが。どうするんだ。時間がもう無いぞ。まだ整備も終わって居ない。ユキチよ。」
オウガが真面目な顔で見てくる。周りで話を聞いていた面子もこっちを盗み見ているようだ。
まぁ、一番何とかできそうなのって私しかいないわけだし、、早めに切り札をきっておきますか。
「よし、じゃあ、こうしよう。ダンジョンの魔物と戦わせるのでいいかな。」
私のそのつぶやきにオウガ達がハッとする。
「そうか!ユキチのダンジョンなら。」
「魔物が仲間として使える。しかも戦力としては大きい。」
「うん、良い案だと僕は思うね。」
それぞれ納得がいったようだ。私の持っている羊達を使えば兵の消費が少なく抑えられるかもしれない。
まあ、私用で作った魔物もあるし、それも使っていけばいいでしょう。実験実験〜♪
「そういえば、尋ねたい事があるんだ。、、ある人からもらったものなんだけど、、これってなんなの?」
といってリーチが取り出したのは卵型のような、多面体のようななにかが入った箱だった。ほかの二人は、知らない。とばかりに首を振っているが、私には心当たりがあった。
「え!、、、それって、、、《輝くトラペゾへドロン》じゃないか!?」
咄嗟に叫んでしまった。記憶にあるあれならば大変なことになりかねない。あれは昔に文明を一つ滅ぼした兵器の核に使われていたもの。即座に封印するべきだ。と動こうとすると。
「にゃあ、呼ばれてにゃくても登場するにゃ。ニャルラさんだよ。」
突然辺りが暗くなる。多分結界か神域みたいなものだろうと判断しておく。神域っていうのは神様だけが作れる結界の上位互換的なやつで対象以外は入れない。壊れない。消されない。自分の思うがままの世界が作れる。などさまざまな効果があるものだ。
現れたのはホットパンツに薄手のパーカーを着た美少女だった。違和感としてはお尻には猫尻尾が、頭には猫耳が生えていることかな。
その少女が唐突に中心。つまりは私とリーチの間に割って入って来た。見覚えがある。
「君は邪神かい?」
そう尋ねると、ご名答。と言わんばかりの黒い笑みで返して来た。
「君達は、、、そこの二人が神で、、、あとは普通かにやぁ。」
とすぐに見抜いて来た。オウガは一丁の銃を構えて警戒している。サンもエクスカリバーの鞘に手をかけている。
「まぁまぁ、そういう事はしにゃいで、話あおうじゃにゃいか。」
と言ってくる。その表情は猫のような笑みを浮かべていた。感情が読みにくい。
「まぁ、いいだろう。それで?要件は?」
オウガがどっしりと座って尋ねる。お、、おう。切り替えが早すぎるよ。
私とサンも遅れて坐り直す。リーチも続く。真ん中で立っているナルラさんはそのままだ。
「ちょ〜〜っとこの子の事を頼んだにゃっていうだけにゃよ。」
とリーチを指して簡潔に述べて来た。
「それで、見返りは?」
オウガがすぐに返す。タダ働きはごめんだと言いたそうな顔で。いや、リーチって仲間でしょ。内心でツッコミを入れる。
「いや、この子も君たちのにゃかまでしょ。」
と同じことをナルラさんも言った。
「いや、、まぁ、、、それなりのものはあげるけどにやぁ。どうしようかにゃあ。あれ以上のものってにゃいしにやあ。」
とうんうんと唸っているが何かほんとうにくれるのだろうか。ええ、、、ありがたいですわぁ。
暫し待つこと数分。
「よし、これにするにゃ!」
と言って空間庫から取り出したものは、、
気になりますね。まぁ、もちろんクトゥルフ関係なんですけどね。




