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【書籍化】転生聖女は友情エンドを目指す! ~腐女子なのに乙女ゲームの世界に転生しちゃいましたが親友キャラとイチャイチャ百合しながら悪役令嬢と派閥抗争してます~  作者: 川獺右端
第九章 ファルンガルドへの巡礼

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1606/1611

第1595話 旧サイズ領で昼食を食べる

 地上ディスプレイにはいつまでもこちらを見上げて手を振っている魔族さんたちが見えている。

 私は蒼穹の覇者号の高度を上げる。


「ごはんごはんごはん~」


 アダベルが袖机をペコペコ叩きながらそう言った。


「旧サイズの首都にでもいこうか」

「おお、トールとティルダの故郷か、行こう行こう」

「エイダさん、旧サイズの首都は判りますか」

【古い地図に表記がありました。サイズグランドになります】


 そうか、ビアンカさまの時代はサイズ王国は健在だったからマップデータが残っているのね。

 ポロンと音がして航路データがマップ画面に出た。

 よし、行こう。

 私は操舵輪を回した。


 中高度飛行をすると下の景色を見ながら飛べる。

 旧サイズは北だけあって、けっこう景色が寒々しいね。

 小麦の生産がギリギリかな。


「なんか寂しい国だなあ」

「寒いとどうしてもね」

「ジーンも寒いが、サイズはもっと寒いだろうよな」

「あんた達は行った事あるの?」

「ワシは何回か行ったぞ、寒い国じゃて」


 ハイノ爺さんは諜報系だからサイズの首都に行った事があるらしい。

 五本指の他のメンバーは行った事なさそうだ。


 街道をなぞるように上空をしばらく飛ぶと、サイズグランドの街が見えてきた。

 結構大きいんだけど、なんだか煤けているね。


 街の中央広場に着陸させた。


「さあ、何が美味しいかなっ」

「お料理屋さんをさがしましょう」


 ヒルダさんと、五本指と、アダベルを伴って、私は飛空艇を下りた。

 というか、もの凄く人が集まって来ているね。


「どちらさまですか?」

「聖心教会の司祭、マコト・キンボールです」

「おお、これは聖女さま!」

「なんてこと、こんな北まで」

「ありがたやありがたや」

「アップルトン守護竜もいるぞっ!」


 アダベルが胸を張った。


「おお、アダベルさま」

「それは珍しい」


 髭のおじさんがお辞儀をしてきた。


「行政官のルジェクと申します。現在領主のディーマーさまは帝都でして、代わりに私が御用を承ります」

「ディーマーは帝都なのね、ちょっと魔国絡みで飛んできたのだけど、食事がしたいのよ、サイズ料理のレストランはないかしら」

「俺の店に来てくれ、聖女さま」

「んにゃ、俺の店こそ真のサイズ料理だ、是非俺の店に」

「私の店に来てくださいよ、聖女さま」


 飲食店系の野次馬の客引きが始まった。


「ルジェクさんのお勧めは」

「レネーの店がよろしいかと、老舗ですよ」

「やったぜっ! サービスするからよっ聖女さん」

「ああ、いいなあ、聖女さんを接待出来るなんてよう」

「聖女さま、トール王子とティルダ王女はお元気ですか?」

「そうだそうだ、あのお二人を聖女さまが助けなすったって評判になってまさあね」

「トールもティルダも元気だ、毎日私と遊んでいるぞっ!」

「守護竜さまと遊んでなさるので?」

「あれまあ、なんという事かね、ありがたいねえ」


 やっぱり旧サイズの首都だから、みんなトール王子とティルダ王女の事が心配なんだな。


 とりあえず、膨れ上がった野次馬の中をレネーさんのお店まで移動した。

 みんな熱狂しているなあ。


 レネーさんのお店は風格のある建築の小洒落たレストランだった。

 お客さんが満席だったが、レネーさんが聖女さんのために席を開けろと号令をかけたら魔法のように席があいた。


「みんな、聖女さんが大好きなんでさあ」

「ありがとう嬉しいわ」

「ちょっと待ってくださいよ、腕を振るってご馳走を作りますんで」

「ありがとうございます」

「うむ、ご馳走を作れ」


 大きいテーブルにアダベルと五本指とヒルダさんと並んで座った。


「やあ、人気があるね、聖女さん」

「やっぱりサイズの遺児を保護したってのがでかいんだろうなあ」

「ご馳走が楽しみだ」

「良い匂いの店ですわね」

「ポッポー」


 とりあえず、という感じに、ワインとチーズ、ハム、ソーセージが出た。

 あと、五本指にはエールも出ていた。


「うまいうまい」


 アダベルがソーセージを頬張った。

 北の方なので、ニンニクが入ったちょっと辛い感じのソーセージだね。

 なんだか、すぐ焼き物や煮物が出て来た。

 肉のパイ包み焼きとか、そんな時間で出てくるものじゃなさそうだが、お客さんの注文を回して貰ってるっぽいね。


「先に注文していたお客さんに悪いわよ」

「いいんだいいんだ」

「いいっていいって、俺の注文なんかは後でいいよ、今は、喰いなっせ」

「おお、喰うぞ、ありがとう」

「ありがとうは俺達の方だよ、あんたが皇弟からトール王子とティルダ王女を助け出してくれたって聞いてさ、甲蟲騎士団も傘下に入れてくれたって聞いてさ、本当に、涙がでるほど嬉しかったんだよ」

「そうだそうだっ、サイズ万歳!!」

「サイズ万歳!!」


 店の外にも野次馬が押し掛け、近所の酒屋から酒やエールを買って、路上で飲み始め、サイズの国歌を歌い始めた。


 ジーン人らしい、行政官のルジェクさんも目をつぶって、やれやれと首をふっていた。


 ああ、なんだか香辛料が強いけど、サイズ料理は美味しいな。


「そのうちトール王子とティルダ王女をサイズグランドへ連れてきても良いですか?」

「うーん、革命が起こりかねないので、もう少し待っていただきたいですね」

「民衆のエネルギーは途轍もないからのう」

「そうですね、ですがディーマーさまががんばっておりますので、お二人の公式訪問もそう遠い事ではないかもしれません」


 ルジェクさんがそう言うと、店の中のサイズ人のみんなが爆発するような歓声を上げた。 

 ああ、早くここへトール王子とティルダ王女を連れてきてあげたいね。

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 なかなか良いところですなぁ…。いつか二人を連れてきてあげたいですね。
子供達のお土産にサイズのお菓子沢山買わないとな
サイズの遺児が飛行船を乗り回す未来が早く来て欲しいね。
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