第1591話 朝から夏のやり残しを思い出す
お、おっ?
マメちゃんがベッドの上で大暴れして起きたのだが、一瞬どこにいるのか判らなかった。
良く見ると女子寮だった。
そうかそうか、昨日まで巡礼だったからなあ。
暴れるマメちゃんをとっ捕まえてぐりぐりと可愛がった。
あ。
思いだした。
ガドラガ教会に居る魔族どもを魔国に捨てにいかねば。
午前中にちゃっと行って捨ててくるかな。
夏休みの最後なのに、面倒臭いわね。
そういや、ランニングの付き合いもあるのだな。
私はハシゴを下りてチェストから体操服を出し、パジャマを脱いで着替えた。
「ぐぬぬ」
コリンナちゃんが唸りながらベッドから立ち上がり寝間着から体操服に着替えた。
「ランニングに行こう」
「うむ」
コリンナちゃんが力強くうなずいた。
二人で寮の玄関まで行くと、カロルが体操服姿で待っていた。
「ごくろうごくろう」
「コリンナ、自信満々ね」
「まあねえ」
「お、言ったね」
私たちはグラウンドを目指して駆け始めた。
お、コリンナちゃん、なかなか良いフォームだな。
そのまま彼女は速度を落とさず、五周を駆け抜けた。
「おお」
「おお」
「へへんっ」
おお、夏に体力を伸ばしたなあ。
諸島での特訓で結構、足ができあがっていたが、剣術組の二週間のしごきで開花したようだ。
「すごいわ、コリンナ」
「ランニング開眼だ」
「ふっふーん」
コリンナちゃんは誇らしそうだ。
武術場の一階倉庫から地下へと入って、地下道通って蒼穹の覇者号に乗り込む。
三人で並んでシャワーを浴びる。
ああ、運動の後のシャワーは良いねえ。
新しい下着を履いて、夏服を着込む。
ああ、さっぱりした。
螺旋階段を上がってラウンジに入る。
ダルシーがお茶をみんなに出してくれた。
いやあ、懐かしい感じだ。
「今日は夏休み最後の日だからゆっくりするの?」
「私は新集会室で剣術組に夏休みの宿題をさせる」
「まだやってないのか」
「剣術組だから、なんでA組にいるのかわからん」
「カーチスと、メリッサさんと、マリリンも呼びましょうよ」
「そうだな。マコトは宿題は?」
「巡礼前に終わらせたよ。あと、ガドラガの魔族どもを魔国に捨てに行くという宿題が残っているのを思いだした」
「あっ」
「カロルはみんなの宿題を見てあげて、こっちは私だけで大丈夫よ」
「危ないわ、人質に取られて魔国にさらわれるわよ」
「うん、私でもそうする。アダベルを連れていけ」
「あ、そうか」
「守護竜さまなら魔族も反乱は起こせないかもね、良いアイデアだわコリンナ」
「そうしよう。あと、ポセイさんも呼ぶか」
「そうね、あのゴーレムは強そうだわ」
ホルボス基地に行くと、いらない学者さんが付いてきそうだが、まあ、良いか。
「まずは朝ご飯ね」
「んだんだ」
「今日も頑張ろう」
聖女派閥は全体的に夏休みの宿題の消化だな。
地下道を通り、女子寮地階からエレベーターで一階に。
カロルが居るとエレベーターが使えるのが良いね。
エレベーターホールでみんなを待って、集まったので食堂に入る。
「今日は何にするかい?」
「そうだねえ、ナッツポリッジかな」
「おっけー」
エドラさんが注文を聞いて、ポリッジにナッツを足してくれた。
美味そう美味そう。
朝のポリッジも久しぶりだな。
お茶をカップに注いでからテーブルにトレイを運んで皆を待つ。
皆が揃った。
「いただきます」
「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」
パクリ。
これこれ、これが学園の朝の味よ。
「おいしいねえ」
「朝の味よね」
カロルはいつも通り塩ポリッジで副食はハムエッグだね。
「今日、新しい集会室で、私とカロルが夏休みの宿題相談室をします」
「コリンナ大明神」
「助かるみょん」
「私も少々課題が残っていますわ」
「私もですわ」
「領袖は何をしますか?」
ヒルダさんが聞いて来た。
「アダベルと一緒にガドラガ教会に捕まえてある魔族どもを魔国に捨てにいきますよ」
「では、私もそちらに付き合いましょう」
「いいの?」
「ええ、領袖とアダベルさまでは、お人好しなので騙されかねません」
「そんなに騙され易くは無いよ」
「念の為ですわ」
まあ暗闘系のヒルダさんが一緒なら心強いけどね。
「危険ですわね、気を付けて行ってらっしゃいませ」
メリッサさんが気遣ってくれた。
「ポセイさんも積んで行くから大丈夫よ」
「あの方もですのね、では安心ですわ」
君のポセイさんへの謎の信頼はなんなのだ。
「付いていってやりたいが、宿題が間に合わなくなるのでダメなのだ」
「ごめんみょんな」
「いや、気にするな、というか、君たちは成績良いのだから宿題はちゃんとやっときなさいよ」
「剣術修行に忙しかった」
「そうだみょん」
やれやれ、やつらは剣術組だぜ。
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