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【書籍化】転生聖女は友情エンドを目指す! ~腐女子なのに乙女ゲームの世界に転生しちゃいましたが親友キャラとイチャイチャ百合しながら悪役令嬢と派閥抗争してます~  作者: 川獺右端
第九章 ファルンガルドへの巡礼

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第1588話 ゆりゆり先輩を迎え入れ王都に戻る

 子供とアダベルが、オープンテラスで山のようにクッキーを食い散らかしたあと、使用人さん達に大荷物を持たせたゆりゆり先輩が現れた。

 ミーシャさんも一緒だな。


「お待たせいたしましたわ」

「クッキーが美味しかったからゆるす」

「ゆるすよゆるすよ」


 子供はお菓子が食べられたらなんでも良いのか。


「荷物は後部貨物室に入れてください」

「ありがとう、助かりますわ」

「なんで忘れてたんだい、ユリーシャ先輩」


 ゆりゆり先輩は明後日の方向を見た。


「例年なら一週間前に領を出ないと王都に着かなかったのですわ、で、今年は飛空艇だから、明後日で間に合うと思いましたの」

「明後日は始業式ですよ」

「式とか出なくてもよろしいのよ。おほほ」


 ゆりゆり先輩は、わりと適当様だな。


 エイダさんに連絡して、後部ハッチを開けてもらい、使用人さん達にゆりゆり先輩の荷物を入れてもらった。

 私たちもお茶を飲み干し席を立った。


「久々の飛空艇ですわね。特等船室を使ってもよろしくって?」

「良いですよ」


 ゆりゆり先輩はスイートルームが好きだな。

 他の派閥員とアダベルと子供はメイン操縦室が好きだが。


 私は艇長席によじのぼった。

 さて発進準備だ。


「エイダさん、次は王都です」

【了解しました、航路をマップ画面に表示いたします】


 ファンファンと独特の飛行音を立てて蒼穹の覇者号は離陸した。


 快速で蒼穹の覇者号は飛行し、一時間半ほどで前方に王都が見えて来た。


 南方から王都に侵入し、大神殿の練兵場に着陸させた。

 聖騎士さんたちがこちらを見上げて歓声をあげてくれた。


 マジックハンドでアダベルの籠を甲板から持ち上げ、テントの奧に押し込んだ。

 アダベルと子供達は船を下りて孤児院の方に駆けていった。


 後部ハッチを開けて、聖騎士さんを呼んで、ワイン樽を下ろして貰う。

 ダルシーも重拳で樽の移動を手伝っているな。


 ワイン樽を全部下ろし、ブロウライトのソーセージ、ハム、干し肉などを半分持って行ってもらった。

 もう半分は収納袋に入れておこう。


 貨物室はゆりゆり先輩の荷物だけになった。

 よしよし。

 ハムソーセージの残りは食堂に渡そうかな。

 あまり持っていてもアダベルに囓られるだけだしね。


 リンダさんが来て挨拶をしてきた。


「お帰りなさいマコト様、巡礼の旅はどうでしたか」

「なかなか楽しかったわ、偉い尼さんを仕込んでいたわね」

「ええ、ヴィヴィアンヌさまの派閥の人と近づいておくと、後々便利ですからね」


 なかなか生臭い話であった。

 まあでも、おばさん尼さんたちも、ヴィヴィアンヌさまも良い人だったけどね。

 アントンはあの派閥でゆっくりと信仰生活に慣れて行くだろう。


「ワイン樽とハムソーセージありがとうございます」

「沢山持っていてもしょうがないからね」


 甲板からヒューイが降りて来て後部貨物室に入った。

 彼の姿を見て思いだした。

 収納袋から『変身の鏡』を三つ取りだして、リンダさんに返した。


「ありがとうございます。いつでもお貸ししますから言ってくださいね」

「来年の夏かなあ」


 今年の冬の『人工聖女作戦』に使うかもだな。

 あっちの事件もまだ動かせない感じだ。


「じゃあ、またね、リンダさん」

「マコト様が王都に帰られて大変嬉しゅうございます。ではまた明日」


 リンダさんに挨拶をして飛空艇のタラップを上がった。


 さて、学園に戻ろう。

 子供達は孤児院に任せておけばよかろうなのだ。


 蒼穹の覇者号を離陸させて学園を飛び越し、貴族街へと向かう。

 リチャード兄さんとモンチーをブロウライト家のタウンハウスで下ろした。


「ありがとう、またよろしくね」

「はい、次は冬ですか」

「そうだね、冬の帰省になるね。いつも冬の旅は命が危なかったんだけど、蒼穹の覇者号なら何でも無いと思う」


 リチャード兄さんはにこやかに笑い、モンチーと一緒に下りていった。

 蒼穹の覇者号をついっと離陸させて、懐かしのビアンカ基地にバックで格納する。

 地下基地よ、私は帰ってきた。


 おっとヒューイを下ろすのを忘れた。


(ハッチ開けるから勝手に帰る?)

《勝手に行く》


 まあ、パスカル部長がいれば厩舎に入れて世話をしてくれるだろう。


「エイダさん、後部ハッチを開けて」

【了解しました】


 ハッチを開けると、ヒューイが勝手に出て来て、ハッチの開いた通路を走っていった。


 ゆりゆり先輩とミーシャさんがスイートから出て来て、タラップを下りた。

 私とカロルも一緒に下りる。

 カーチス兄ちゃんとエルザさん、あとメリッサさんも降りて来た。

 メリッサさんのメイドのカリーナさんも下りてきたね。


 後部ハッチでゆりゆり先輩とミーシャさんが荷物を前に沈黙していた。


「去年は馬車に人足がおりましたね」

「飛空艇は経験が薄いのでこまりますわね」

「ユリーシャ先輩、収納袋は?」

「もはや一杯ですわ。あふれた物がこれですの」

「私の収納袋に空きがありますから、運びましょう」

「あら、やってくださる? カロリーヌさま」

「いいですよ」


 カロルの収納袋は巨大だからいいなあ。

 世界で二番目に大きい収納袋らしい。


 カロルはひょいひょいと、ゆりゆり先輩の物資を格納していった。

 あっというまに無くなった。


「助かりますわ」

「いえいえ」


 カロルはゆりゆり先輩に笑顔をむけた。

 彼女はエレベーターが使えるからな。


 さあ、女子寮に帰ろう。

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― 新着の感想 ―
ゆりゆり先輩はどんだけ荷物持ち歩いてるんだろう?流石に家具とかは持ってないだろうし寮の部屋にも荷物は置いてそうなのに。
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