チートスキルはとても有能です
翌日、ユキが目を覚ましたのは昼過ぎだった。
風呂に入り、汚れを落としてから薬草の仕分けを始めた。
「手あたり次第採っちゃったからな、種類ごとにまとめて保管しておこう」
倉庫から空き瓶をもってきて薬草を分ける。
「いくつか鑑定してないものもあるな」
<鑑定:ヒーリンングマッシュ 傷、毒、やけど、あらゆる薬の原料となる>
「なんにでも効くってことは、それぞれの薬草と合わせても使えそうね」
<鑑定:ケルト草 痺れに効く薬草>
「痺れか、毒とは違うのよね。雷魔法をくらうとなるのかな」
鑑定をすませ、瓶に分け終えるとポーションづくりに取り掛かった。
「まずは傷薬のポーションをつくろう」
ユキは瓶の中からカイン草とヒーリンングマッシュを取り出し、身体に取り込む。
身体の中で生成したポーションを空き瓶に移し、鑑定をかける。
<鑑定:上級ポーション あらゆる傷を治すことができるポーション>
「中級飛ばして上級⁉ヒーリンングマッシュって貴重なキノコなのかな」
次は、ボノ草を複数個取り込む。
<鑑定:やけどの中級ポーション ある程度のやけどは治せる>
「一種類だと中級が限界ね」
次々と薬草を取り込み様々なポーションを作る。
<鑑定:沈熱の中級ポーション 発熱をおさえる>
<鑑定:鎮痛の初級ポーション 頭痛や腹痛を抑える>
<鑑定:中級ポーション ある程度の傷を治せる>
「ふぅ~、さすがに疲れたわ。これだけあれば何かあっても大丈夫でしょ。それぞれ一個ずつはアイテムボックスに入れておいて、あとは倉庫にしまっておこう」
作ったポーションと残りの薬草を倉庫に収納し、一息つこうと暖かいお茶をいれる。
「疲れた~、ポーション生成って意外と疲れるのよね」
お茶をすすりながらリラックスする。
「ホーンラビットとキンググリズリーどうしようかな、解体して肉と素材に分けておいた方がいいよね」
いつもの聞きなじみのある声が響く。
<スキル:解体を獲得しました>
「来ると思っていたわ」
突然のスキル獲得にも慣れてきて動じなくなったユキはステータス画面を開きスキルを確認する。
<スキル:解体 魔物を解体する際、どこから解体するべきかわかる>
「解体するべき場所がわかるの?文字だけじゃイメージしにくいわね、さっそく捌いてみますか!」
意気揚々と立ち上がったがあることに気づく。
「ちょっとまって、解体する場所がないわ。この家じゃ、狭くてホーンラビットは解体できてもキンググリズリーまでは解体できない」
頭を抱え、もう一度座りなおす。
「この家で一番広いのはキッチンだけど、キンググリズリーは大きすぎて出したら解体どころではなくな
るし、倉庫はせますぎるし、どうしよう」
悩んだユキはあることに気づく。
「そういえば、倉庫の隣にもう一つ大きな建物があったわよね。ここに来てから一度も入ってないけど、
中はどうなっているのかな」
立ち上がり、倉庫の隣の建物に向かう。
家よりも大きく、天井の高い建物の大きなドアを開けてみる。
「うそでしょ!」
その建物の中は解体場となっていた。
キンググリズリーが余裕で乗っかるほどの大きな机に、壁には解体道具までかかっていた。
「ラッキーだわ!なんでもっと早くここを見に来なかったんだろう。悩んでいたのが馬鹿らしいじゃん」
ユキは解体場を探す手間が省けて喜こんでいた。
「あら、でも解体道具はサビてて使えなさそうね、ショートソードはグリズリーを倒したときに欠けてし
またったし、どうしよう」
またまた脳内で声が響く。
<スキル:鍛冶を獲得しました>
「来たわね!鍛冶スキル!どうやって使えばいいの?」
<スキル:鍛冶 武器・工具の修繕、鉱物を取り込めば新しく生成することもできる>
「一日に二つもスキルを獲得できるなんてラッキーね!早速工具の修繕にうつりましょう」
壁にかかっていた工具を取り外し、鑑定をかける。
<鑑定:錆びたボーニングナイフ 肉を骨から剥がす作業に特化したナイフ。錆びていて使えない>
<鑑定:錆びたスキナー 獣肉の解体の際、皮を傷をつけずに剝ぐためのナイフ。錆びていて使えない>
「工具によってそれぞれ使い道が違うのね、ホーンラビットくらいの小型の魔獣用の小さなナイフから、
キンググリズリーくらいの大型の魔獣用の大型のナイフまである」
工具は錆ていてこのままでは使えそうにない。
「まずは工具の修繕ね」
工具の錆をとるためには鉱物だった。
「工具の元となる鉱物を探さなきゃ、いきなり鉄とかは掘り出せないから、廃墟に使われている釘や金具
を再利用しよう!」
村にでて廃墟から、釘や金具をかき集める。
籠いっぱいに釘や金具、鉄でできていそうなものをかき集めた。
「これだけあれば全て修繕できるはず」
解体場にもどり、小型のナイフと集めてきた金具を体に取り込んだ。
身体から黄色い光があふれ、光とともに工具が新品同様の姿で生み出された。
「できたわ!」
<鑑定:新品のボーニングナイフ 切れ味が増している>
「この調子でどんどん修繕していこう!」
残りの工具もすべて修繕し、残った釘や金具などは倉庫に納めに行った。
「これで準備が整ったわ!さっそく解体をはじめましょう!」
ユキは、アイテムボックスからホーンラビットを取り出し解体台にのせた。
「血抜きはすませておいたから、すぐに解体できるわ」
ユキは解体スキルを使った。
「すごい!解体すべき場所が光って見える」
解体する場所に光の線が入り、どの順番で解体すべきかがわかるようになっていた。
光の線にそって解体を進めていき、あっという間にホーンラビットを解体し終えた。
「初めて解体したけど意外と簡単ね、角や皮も何かにつかえるかもしれないからとっておきましょう」
空き瓶に角や皮を詰め、倉庫へ収納。
肉は、森で採ってきた大きな葉にくるみ、蔓で縛ってアイテムボックスへいれた。
ユキは解体に夢中で気づかなかったが、すっかり日は沈み、月が真上までのぼっていた。
「いつの間にか夜になっちゃったみたいね、さすがに疲れたし、キンググリズリー解体は明日にしよう」
ー翌日ー
ユキは朝早くから解体場にいた。
「さあ始めるわよ!」
意気揚々と腕まくりをし、キンググリズリーを解体台の上に出す。
キンググリズリーの体長は3メートル近くあり、踏み台がないと解体できない。
ユキは牙や爪、皮などを丁寧に解体しながら進めていく。
「なんだろう、これ。宝石?」
<鑑定:魔石 魔力を持つ石。Bランク以上の魔物がたまに持っている。高く売れる>
「魔石か、高く売れるんなら取っておいた方がいいよね」
小袋の中に入れ、アイテムボックスに収納する。
ホーンラビットとは違い、キンググリズリーは大きく、皮も硬い。
キンググリズリーを解体し終えた頃には、お昼を過ぎていた。
「完璧ね!これだけ肉があればしばらくは困らなそうだし、生活も安定しそうだわ」
素材は倉庫へ、肉は腐らないようアイテムボックスに収納した。
一息つくためにキッチンにいき、ホーンラビットの肉を焼いてみることにした。
フライパンに油をひき、ホーンラビットの胸肉を焼いた。
調味料はないが、チカゴの実でソースを作り、焼いた肉にかける。
「できたわ!~ホーンラビットステーキ・チカゴソースを添えて~って感じかな」
ナイフで一口サイズに切り取り、口に含んだ。
「おいしい!油ののったホーンラビットの肉にチカゴのさっぱりしたソースが絡んでとってもおいしい」
朝から何も食べずに解体していたユキは、ホーンラビットのステーキをペロリとたいらげた。
「幸せ~。解体も採取も大変だけど、頑張ったあとの料理は格別においしいわ!」
ユキは幸せそうに笑いながら、一息ついた。
ユキの鑑定日記
ヒーリンングマッシュ:傷、毒、やけど、あらゆる薬の原料となる
ケルト草:痺れに効く薬草
上級ポーション:あらゆる傷を治すことができるポーション
中級ポーション:ある程度の傷を治せる
やけどの中級ポーション:ある程度のやけどは治せる
沈熱の中級ポーション:発熱をおさえる
鎮痛の初級ポーション:頭痛や腹痛を抑える
ボーニングナイフ:肉を骨から剥がす作業に特化したナイフ
スキナー:獣肉の解体の際、皮を傷をつけずに剝ぐためのナイフ
魔石 魔力を持つ石。Bランク以上の魔物がたまに持っている。高く売れる




