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七階層まで一気にGO‼

三人は休憩場を出て第五階層のボス部屋を探す。

「う~ん、おかしいわね」

ユキは首をかしげている。

「どうかしたのか?」

「この階は1~3階層と同じ造りをしてるのに、トラップが全然ないのよ」

ユキはサーチでトラップを確認するが一つも引っかからない。

「いいじゃねぇか、トラップ避けんのめんどいしよ~」

「それだけじゃないの、ここを真っ直ぐ進めばボス部屋よ」

「そんなに近いのか、まるで招かれているみたいだな」

「そういうフロアなんだろ?早くたどり着けるようにわざと単純な造りにしてあんだよ」

三人はすぐに五階層のボス部屋にたどり着いた。

「おっ!すぐに入れるみたいだぜ!さっさと倒しに行こう!」

フェイトフルはすぐにボス部屋に入ろうとする。

「なにか嫌な予感がする、気を引き締めよう」

アーネストの言葉で三人は気を引き締め、ボス部屋の中に入る。

第五回層のボス部屋の中は今までのボス部屋とは違い、天井が高く、まるで地下闘技場のようだった。

「嫌な予感的中だな」

急に地面が揺れ始め、地面の土レンガが積み上がり始める。

「なっなんだ!こりゃ!」

「ゴーレムだ!厄介なのに当たったな」

<鑑定:ゴーレム 土でできた体に霊が宿った魔物>

「ゴーレムは大きさによってランクが変わるんだ。この大きさはAランクと言ったところか」

「Aランク⁉まだ第五階層なのにもうそんなに強い魔物が出るなんて」

「いや、これは隠し部屋ってやつだろう。ボスを倒せば五階層からランダムな階層まで飛ばされると聞い

 た」

うおおおおおおおーーー!!!!

ゴーレムは大きな唸り声をあげ、襲い掛かってくる。

「避けろ!」

ドーン

三人は振り下ろされたゴーレムの大きな拳を避ける。

<ファイアー=ボール>

ユキはゴーレムに魔法をぶつけるが、全く効いていない。

「ゴーレムに魔法は効かない!硬いからだを砕き、中にある核を壊すんだ!」

三人は物理攻撃でゴーレムの体を砕こうとするが、硬くてヒビも入らない。

「かってーな!手がしびれるぜ!」

「これはゴーレムを砕くより前に、俺達の骨が砕けそうだな」

アーネストとフェイトフルは打撃を繰り返す。

(相手は土人形、だったら)

<ウォーターショット>

ユキの放った水魔法がゴーレムの腕に当たる。

「うおー‼‼」

アーネストがすかさず濡れたゴーレムの腕をこん棒で叩く。

バキッ

鈍い音を立ててゴーレムの腕にヒビが入った。

「効いた!」

「ユキ!水魔法かけまくれ!」

<ウォーター=ボルト>

ゴーレムは水の渦にのまれ、全身が水浸しになる。

「今よ!」

ユキの合図でアーネストとフェイトフルがゴーレムの体を叩き割った。

ゴーレムも体が砕け、核が露になる。

ユキはショートソードに光魔法をまとわせ、ゴーレムの核めがけて飛びかかる。

<ライトニング=ソード>

ショートソードは核に突き刺さり、核は粉々に砕け散った。

ゴーレムの体はガラガラと音を立てて崩れ落ちた。

「はぁ~、疲れたぜ」

「今までで一番厄介な敵だったな」

ゴーレムの崩れた体が消え、宝箱が出てきた。

「これは期待できそうね」

ゆっくりと宝箱を開ける。

「これは、ハンマー?」

<鑑定:ロックハンマー 一振りでどんな岩も砕くと言われているハンマー>

「これがあれば今後ゴーレムが出てきても楽に倒せそうね」

「これは俺が持とう。打撃武器の扱いは得意なんだ」

ロックハンマーはアーネストが持つことになった。

「さあ、次の階に行きましょう」

三人はワープの魔法陣の中に入り、ランダムな階層にワープする。

青い光に包まれてワープした先は暗い洞窟だった。

「暗くて良く見えないわね」

ユキは火魔法をつかってあたりを明るくした。

「おい、これを見てみろ。どうやらここが目的の七階層みたいだぞ」

ユキはあたりを炎で明るく照らしよく確認すると、洞窟の壁がキラキラと輝いていた。

「凄いぜ!これ全部鉱石か!」

フェイトフルはとても興奮している。

<鑑定:鉄鉱石 武器や工具などの加工によく用いられる鉱石>

「これね、この赤色の鉱石を沢山採って帰りましょう。アーネスト、お願い」

アーネストはロックハンマーを使って、鉄鉱石の壁を破壊した。

破壊され小さくなった鉄鉱石をフェイトフルとユキでかき集め、アイテムボックスにしまう。

「なあなあユキ、この金色の石なんだ?めっちゃキレイだぜ!」

集めるのに飽きたフェイトフルが別の鉱石を見つけた。

<鑑定:金鉱石 おもに装飾などに使われる。鉱石の中でも価値が高く、高値で取引される>

「金鉱石ね、これもとっておきましょうか。アーネスト!」

「ああ!」

アーネストは金鉱石の壁を砕いていく。

三人が鉱石採取に夢中になっていると、背後から何かが近づいてくる。

「おい!アーネスト!後ろ!」

アーネストに大きな影が襲い掛かる。

間一髪ハンマーで弾き、避けることができた。

「なんだ、この大きなトカゲは」

<鑑定:アイアンリザード 鉱石を好んで食べるトカゲの魔物。鉄鉱石を多く含んだ姿>

「金色のもいるぜ!」

<鑑定:ゴールデンリザード アイアンリザードの亜種。金鉱石を多く含んだ姿>

「あの硬そうな鱗に刃物は通りそうにないわね」

「俺が倒そう。ユキ援護を頼む」

「了解」

ユキはアーネストに敵が集中しないように魔法で援護する。

アーネストはロックハンマーでアイアンリザードを一匹ずつ砕いていく。

ガウッ!

一匹のアイアンリザードがユキの背後から襲い掛かる。

「ユキ!」

フェイトフルがアイアンリザードの尻尾を掴み投げ飛ばす。

「おりゃー!アーネスト!」

アーネストはロックハンマーを構え、バットを振るようにアイアンリザードを叩きつけた。

グェーーーー!!

アイアンリザードは鈍い音と共に、苦しそうな声をあげて地面に倒れた。

「ふぅー、これで終わりか」

「結構倒したな」

アイアンリザードたちはダンジョンに吸収され、その跡から布の小袋が現れた。

「なんだろう、これ」

袋の中からは宝石や魔石が出てきた。

「ガーネットにトルマリン、これは魔石ね」

「おーい、こっちにもあるぞー!」

どうやら五階層よりも下の階層は、魔物を倒すとドロップ品が出るらしい。

「宝石は高く売れるだろうし、思わぬ副産物だったわね」

全ての小袋を回収する。

「鉱石も十分集まったし、そろそろ戻りましょう。一日で戻れそうでよかったわ」

「どうやって戻るんだ?ここにはワープできたし、戻ろうにも出口がわかんないぜ」

「この階層のボスを倒せばボス部屋からダンジョンの入り口までワープできるはずだ」

「とりあえず、ボス部屋を探しましょう」

三人はボス部屋を探し始める。

洞窟は薄暗く、炎魔法で照らしながら進むが、ボス部屋は一向に現れない。

「なんなんだよ、一本道なのに進んでも進んでも何も無ぇじゃねぇーか」

歩けど歩けど何も見えてこない状況にフェイトフルが不満を漏らす。

「俺の勘違いかもしれないんだが、先ほどから同じ場所を歩き続けている気がする」

三人はあたりを見渡すが、確かに見覚えのあるものがいくつかある。

「なにかのトラップみたいね、同じ場所を歩き続けているわ」

ユキはサーチのスキルを使い、トラップを探す。

「あったわ、そこの緑色の鉱石がトラップよ」

「これだな」

アーネストがハンマーでトラップを破壊する。

すると一本道だった洞窟に横穴が現れた。

「この道を行けばボス部屋にたどり着けるだろう」

三人は横穴の道を進む。

「お!あったぞ!ボス部屋だ」

横穴に入り、歩き続けること5分、目の前にボス部屋が現れた。

「さっそく入るぞ」

三人はボス部屋に入る。

第七階層のボス部屋は煌びやかな宝石や鉱石に囲われた部屋だった。

「あいつがボスか、さっきのトカゲと似てるけど、なんか光ってねぇか?」

<鑑定:ミスリルリザード アイアンリザードの上位種。ミスリルでできた体は魔法を通しにくい>

「魔法が効かないみたいね」

「マジかよ!オレのバトルアックスも効きそうにないぜ!」

「ここは俺が戦おう。二人は下がっていてくれ」

アーネストはハンマーを構え、ミスリルリザードに対峙する。

ミスリルリザードはアーネストに向かって鋭い爪を振り下ろす。

アーネストは攻撃を交わすとミスリルリザードの体に一発打撃を与える。

「くっ!硬いな」

ミスリルリザードの鱗は硬く、全く効いていない。

「アーネスト!このままむやみに叩いても体力を消耗するだけよ!いったん距離をとって渾身の一撃をあ

 たえるの!」

アーネストはユキの言う通り、ミスリルリザードの隙をついて距離をとる。

アーネストは深呼吸をし、渾身の力をハンマーに込める。

<サンダー=ネット>

ユキはアーネストを邪魔させないために魔法でミスリルリザードの動きを封じる。

「いまだ!」

アーネストは飛び上がり、渾身の力をこめてハンマーを振り下ろした。

「うおーーーーーーー!!!!」

ミスリルリザードの体にヒビが入り、地面に叩きつけられる。

ミスリルリザードは体が割れ、息絶えた。

「やったわねアーネスト!倒したわよ!」

「やるじゃねぇーか!」

「はぁ、はぁ、ああ、やったぞ」

アーネストは息を切らしている。

「アーネストあなた、スキルを獲得しているわよ」

ユキはアーネストのステータス画面を開いて見せた。

「スキル、渾身の一撃?」

<スキル:渾身の一撃 ありったけの力を込めた一撃を放つ>

「いいな~、俺様もスキルが欲しいぜ~」

フェイトフルは羨ましがっている。

「嬉しいな!初めてのスキルだ!」

アーネストは息を切らしながら喜んでいる。

「二人とも、話はそこらへんにして出口を探すわよ」

ユキが出口を探し始めた瞬間、ミスリルリザードがダンジョンに吸収され、宝箱が現れた。

「ユキ、開けてみてくれ」

ユキは宝箱を開ける。

「これって」

<鑑定:ミスリルソード ミスリル鉱石で作られたショートソード。魔法を込めやすくなっている>

「魔法込めて扱うショートソードか、これはユキが持っていた方が良さそうだな」

「ユキは武器で戦うのに慣れてねぇし、ショートソードなら扱いなれてるだろうしな」

「ありがとう、もらっておくね」

ユキはミスリルソードを懐にしまう。

「さあ、出口を探して村に戻りましょう」

出口を見つけた三人はダンジョンの入り口まで戻った。

「あ!ユキさんじゃないですか、もう戻ってきたんですか?」

受付から身を乗り出し、マリアが声をかけてきた。

「七階層まで行ったので、戻ってきました」

「え!七階層まで行ったんですか!一日で?」

「はい、途中で裏ボスを倒し、運よくワープできたので早く帰ってこれました」

「裏ボスって、ゴーレムですよね、倒したんですか?」

「はい、三人でなんとか」

周りの冒険者たちがざわつき始める。

「マジかよ、あのゴーレムを倒したって」

「あのゴーレムはAランク級だろ」

周りはざわついている。

「とっとりあえず、帰りの手続きを済ませましたので、今日はゆっくり休んでください」

マリアに急いで帰るように言われ、村に帰った。

ユキの鑑定日記


ゴーレム:土でできた体に霊が宿った魔物

ロックハンマー:一振りでどんな岩も砕くと言われているハンマー

アイアンリザード:鉱石を好んで食べるトカゲの魔物。鉄鉱石を多く含んだ姿

ゴールデンリザード:アイアンリザードの亜種。金鉱石を多く含んだ姿

鉄鉱石:武器や工具などの加工によく用いられる鉱石

金鉱石:おもに装飾などに使われる。鉱石の中でも価値が高く、高値で取引される

渾身の一撃:ありったけの力を込めた一撃を放つ

ミスリルソード:ミスリル鉱石で作られたショートソード。魔法を込めやすくなっている

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