未来から娘がやってきた!中編
いきなりテナートの娘を名乗る少女が現れた。
「み……認めんぞぉ!!」
テナートが震えながら言う。
「ですが坊ちゃま」
「レガリアを扱えてる以上、認める他ないのでは…?」
「ぐぬぬぬ…!」
テナートが叫ぶ。
「第一!」
「お前はどこから湧いてきた!?」
「部屋の鍵は閉まってたはずだ!」
「お前じゃない!」
「エアリアル!!」
エアリアルがテナートにレガリアを向ける。
「わ、分かったよ!エアリアル」
「うん!」
「エアリアルはどこから湧いてきたんだ?」
慎重に尋ねる。
「私はね!」
「今から十三年後の未来から転移してきたの!!」
「……………」
長い沈黙。
そして。
「ふざけるな!」
「そんな非現実的なことあるわけないだろ!」
「でも……」
「実際そこに存在していますし……」
ステファニーが冷静に言う。
「なんだよステファニー!」
「お前はこいつ信じるのか!?」
「はい」
即答。
「現実から目を背けるのはよろしくないかと」
「くっ……!」
テナートがレガリアを見る。
「第一!」
「王位継承の証でもあるレガリアを、なんで十三歳のお前が持っているだ!?」
「俺が渡すわけがない!」
「あ、そのこと?」
エアリアルが笑う。
「十歳の誕生日に、おじいちゃんに頼んだら貰えたの!」
「…………」
「…………あのクソ親父!」
「俺の断りなしに渡しやがったな!」
エアリアルは続ける。
「遅かれ早かれ王位継承権は第一王女の私にあるし、問題ないよ!」
「…………ん?」
テナートが固まる。
「第一王女?」
嫌な予感。
「まさか、他にもいるのか?!」
「いるよ!」
「双子の妹がいる!」
「…………」
「…………なにぃ?!」
テナートの顔が死んだ。
「コイツだけでも十分ヤバいのに、まだいるだとぉ……!?」
ステファニーが冷静に尋ねる。
「妹様はご一緒ではないのですか?」
「あー」
エアリアルが不満そうに言う。
「ルナの奴」
「“面倒くさいから行かなーい”だって!」
「ノリ悪いよねー」
「…なるほど」
テナートが真顔になる。
(王位継承権は妹に譲ろう)
「ところで、エアリアル様が未来から来た理由は何なのですか?」
ステファニーが尋ねる。
「それはね!」
「暇だったから!」
エアリアルが笑顔で答える。
「…………は?」
「遊び相手がいなくて退屈だったの!」
「おじいちゃん達は強いけどもう歳だし」
「ステファニーはもう相手にならないし」
「のぉぉぉぉぉ!?」
ステファニー絶叫。
さらっとディスられてて面白い。
「妹は相手してくれないし」
エアリアルがため息。
「だから!」
指を差す。
「若い頃のパパに遊んでもらおうと思って!」
「なんで俺なんだよ!!」
当然のツッコミ。
「未来の俺はどうした!?」
すると、エアリアルが少し困った顔をする。
「あー」
「あんまり帰ってこない」
「どゆこと?」
「未来のパパね」
「不定期でしか帰ってこないし」
「帰ってきてもだいたいボロボロで、お母様に引きずられてるから」
「…………」
「…………」
テナートが顔を覆う。
「良かったですね坊ちゃま」
「未来でも元気そうで」
ステファニーが笑う。
「うるさい!!」
テナートが叫ぶ。
「あと何でメイラだけお母様呼びなんだ!!」
「お母様はお母様だから!」
これが教育の賜物という奴か…
「だったらいいぜ」
テナートが立ち上がる。
レガリアを肩へ担ぐ。
「上等だ」
「俺が一から教育し直してやる!!」
「さっすがパパ!」
「話早くて助かるぅ!」
こうして。
小物王子VS未来娘の前代未聞の親子バトルが始まろうとしていた。
12話の続き




