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冷酷な彼女は今日も嗤う  作者: shadereal
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第二話 夜中の洞窟

鼠ノ洞窟内、地下4階、琥珀と彼ら冒険者のパーティーは夜になり狂暴化した魔物たちに追われていた。


「やばい。本当にやばいわよ!」

「黙れ、いいから足を動かせ! くそっ、お前がいつもいつも先走って予定より深く潜るからこうなるんだ!!!」「いやあああああああ」「はぁ? 私のせいなの!? あんたがノロノロ後ろから着いてきているだけだからでしょ?このメガネ!」「うっ、メガネ。。。。うるさい筋肉女」「喧嘩してる場合じゃないですよぉ~!」「何か脱出アイテムとか持っていないのですか?」「この筋肉女が金ケチって買わなかったんだよ!」


この通り、琥珀の後ろはパニック状態である。琥珀を含めて5人は全速力でこの洞窟内の階層を上がってゆく。階層毎には少なからず数匹の強さの目立つ個体、いわゆるフィールドボスと呼ばれる魔物も走っている途中見かけるが、全員それを無視し全速力で出口へと走っている。しかし我々の後ろから琥珀たちを追う魔物はもはや集団というより軍と言って良いほどの量になっており琥珀たちはそれらと戦おうともしない。何故ならあれほどの量を相手にするのは不可能だからだ。一回でも躓けば必ず魔物からの集団リンチをお見舞いされることになる。ところで、琥珀は一つ違和感を覚える。琥珀たちは全員全速力で走っており避けれる魔物は避けて通っているのだがどうしても躱せない場合は切り捨てている。だが夜になる前の魔物が狂暴化する前はこれほどまでに簡単に斬ることはできなかった。


「一か八かだ。」


そう言うと琥珀突然走るのを辞め、後方から襲い掛かる魔物の集団に短剣を向けた。次の瞬間、琥珀の周囲を囲い襲い掛かろうとしていた魔物の全ての動きが止まった。まるでそれは時間が止まったように。

そして琥珀は短剣を鞘に戻すと周囲の魔物は一体も残らず全てが血吹雪を散らし死んだ。まるで果物を落とした時のような大量の血吹雪は周り一帯を真っ赤に染め上げた。とそこで琥珀と共に逃げていた冒険者たちのうちの一人が琥珀に声を掛けた。


「お前は一体。。。」


それは化け物を見るような目だった。そしてそれは彼だけでなく他の三人も同様の表情をしていた。だがその表情は慣れている。いつだって暗殺目標が琥珀に殺されたときは最後に必ずそういった顔をする。暗殺目標として死んでいった者たちも今現在琥珀の前に立つ冒険者たちも喜でさえも誰も琥珀がどのような技を放ち動いたかを目で追うことはできない。だからこそ琥珀は絶対的な暗殺者としての自信を持っていたのだが冒険者になった今は少し技を自重し速さより威力の目立つ技を見つけたほうが良さそうだ。このままだと冒険者として目立ちすぎるような気がしてならない。まあ、他者に琥珀が暗殺者であることを見破られなければ別に目立ったとしてもいいのだが。


そんなことを考えているとパーティーで一番若そうな杖を持つ少女が琥珀に近づき言った。


「凄い。何故そんなに早く動けるの。特に振り返る時の速さが半端なかった!!!」


琥珀は驚いた。この少女はまるで琥珀の動きが見えたかのように言っているのだから。勿論、琥珀も最初はただの村の子供の一人に過ぎなく日々のトレーニングを勤しんでいれば今の琥珀のような速さを得ることは可能なのだが今までに琥珀は様々な人間を暗殺してきた。そしてそれらの暗殺目標は全て琥珀の動きに対応できないどころか琥珀の存在すら気づかず意味も分からず死んでいったのだ。


「俺の動きが見えるのか?」


琥珀は少女に問いかけると少女は「貴方がどのようにして移動したかは見えましたが流石に腕や手の動きまでは早すぎて。。。。」と、答えた。そして琥珀は少女の返答を聞き、決断して言った。


「お前、俺をパーティーに入れてくれないか?」と。


その日、琥珀は初めて冒険者の仲間ができた。


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