↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

脱出成功ですわ。

思ってたよりも上手く着地に成功した私はそのまま使用人が使う正式な門ではない方に向かって進む。

そして門に着くと小さく息を吐く。

ここまで来たら本当に戻れない。もう家族とも仲良くしてきた友達とも会えない。それでも、それを引き換えにしてでも私は自分の幸せを選ぶ最低な女だ。

思い出してもらわなくていい。むしろ忘れて欲しい。


「・・・今までありがとう。さようなら」


そう小さくつぶやいて、門を開ける。




これで私は自由だ。と思うほど私はアホではなかった。


むしろこれからが大変なのだ。

きっと、私が家出したと知ったら公爵は探すだろう。

4年間私との結婚を待ったんだからこれくらいで諦めるとは思えない。


だから私は隣国に行こうと計画を立てていた。

まず、明日隣国に訪問する騎士達が乗るの馬車に潜む。

それから隣国に着いたところで頃合いを見て降りそこからはいよいよ自分の職を探し、そこで暮らす。

それが私のたてた計画だった。


これから明日騎士様が乗る馬車が置いてある騎士の宿場に向かう。というか現在進行形で向かっている。



そんな時、こんな夜中にひとりで歩く私にいかにも悪さしてますって感じの奴が声をかけてきた。


「お嬢ちゃん、こんなところで何してんの~?べっぴんだねぇ。へへっ宿探してるんなら俺、いい宿知ってるよ~。へへへっ」


「結構です。」


そう言って私は無視同然で男のことを視界にも入れず歩き去る。


「っち、なんだよその態度、生意気だなあ。」


男が通り過ぎざまに私の左手を掴んでその反動で顔面を殴ろうとしてくる。

それを右手で受け止める。

12歳、あの変態親父に見初められて自分の身を守るためにいろいろ研究してきた。・・・・人の急所とか。効率的に殺るコツとか。兄たちに頼んで訓練もつけてもらった。

これでもそこらの男どもよりは強いつもりだ。


男から放たれた拳を受け止めた後、そのままその手をグリっとねじる。

うう”っとくぐもった声が聞こえたけど関係ない。

そのまま離されて自由になった左腕で高いところから男の背中に肘を思いっきり下す。

そして極めるつけに男に向かって前蹴りをかましてやった。


そのままどこかの建物の壁に顔から思いっきりぶつかった男を見て少しやりすぎたか、と後悔しつつ足早にその場を通り過ごす。



そしてその足で騎士の宿場まで行く。


できる限り気配を殺して。人気のない道を通って。さっきみたいなおじさんはさっきみたいに黙らせておいた。


それから程なく騎士の訓練場兼宿場にたどり着いた。

まあ、当然のごとく見張りがいるわけで。


私はそっと門から離れてただ高い塀がそびえる場所に立った。

この塀を乗り越えたら明日隣国に向かう馬車の荷台部分がある。

あと少し。


私はかねてから用意しておいたロープを取り出す。兄の見学と称して何度も下見に足を運んでよかった!!


ロープの先には金属のフックのようなものがあり塀の向こうに投げればフックが引っかかってそのロープをたどれば登れるはずだ。


そうして私は騎士の鍛錬上兼宿場に忍び込んだのである。



上手く忍び込んでうまいこと荷台の近くに降りることができた私は気づかなかったのだ。


私が忍び込んだ荷台が隣国行きではないことに。


隣国行きの荷台は私が忍び込んだ荷台の二つ隣だったことに・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。