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止まり木亭  作者: 桂まゆ
第2話 アルバイト募集中

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終章

 人間も鬼もいなくなった陸波羅の『白風堂』では、灰色の髪の少年がソファーの上に置かれた籠の中をそっと覗く。

 今朝、三代目とシーナが連れて来たものだ。籠は、昔から『白風堂』にあったものだ。確か二代目が赤ん坊の頃に使われていたもの。

 何を連れて来たのかと思っていたら、半日でそれは人の形を取り始めた。

 それ自体が、悪いものではない事は分かった。

 妖怪としては若い方だが、ブルーは二尾の猫。ざっと、二百年は生きている。妖力や霊力の有無は分かるし、良いものか悪いものかも分かる。『白風堂』に集まって来るものの中にはとても悪いものもたまにあるので、三代目が来たばかりの頃はよくアドバイスをしたものだ。

 そのブルーをして、籠の中身が悪いものではない事は分かる。それどころか、生まれる前に死んだ、もっとも純粋な存在だ。

 良くないのは、これが赤ん坊である事。つまり、親が居る。

 赤ん坊が、こうして形を取り始めたのだから、そう遠くない日に親が訪れる事だろう。その時には、しっかり決着をつけるとシーナが約束してくれた。


「三代目もさ、怖がりのくせにさ。本当にお人好しだよな。まぁ、シーナが居てくれて助かったのは事実だけどさ」

 もちろん、現実の世界には連れて行くわけにはいかないので、ここに置いて行ったのだが。

「僕だって、別に暇なわけじゃないんだよ」

 この赤ん坊は、生きてはいないもの。別に世話が必要なわけではない。

 だが、赤ん坊の形をしていて、赤ん坊を入れる籠に入っていると。

「かまいたくなるじゃないか!」

 まだ、目も見える筈もない。小さな小さなもの。

「これって絶対に二代目の入れ知恵だと思うんだけど。本当に、ろくなことしないよね。あの男は」


 第2話 完

読んでいただき、ありがとうございました。

こちらで第二話 完

第二話は現代ファンタジーの世界に異世界から迷い込んだ退魔士が主人公でした。

得意分野なので、書いていて楽しかったです。

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